第73話 イベント続行...?
『上級龍種になったのか。でも、今のお主は扱いきれぬようじゃったのぉ...。封印しておいたから使える事は無いがの。はっはっは。』
頭の中に響くどこかで聞いた事のあるおじいちゃんの声。
『ふふ。心配するでない。その時が来たら自ずと...───』
自ずと...?
そんな肝心な所で私の意識が戻っていく。
──────
───
「──ゃね!...彩音!!!」
「ひぁあ!?」
「彩音ぇぇぇぇ!!」
「すず?」
「うん!うん!!良かったああ!!!」
「そんな大袈裟な...。」
「大袈裟な、じゃない!!私は...!私は...!!」
「あぁ!!分かった!分かったから泣かないで!...ね?」
「うん...。」
泣いているすずの背中を撫で、大丈夫だと言い続ける。
「...そういえば私、あの時どうなったの?」
「ぅう...。こ、こうなってたぁ...。」
「っ!?」
デカい赤色の爬虫類が映し出された写真を見せられた。写っている爬虫類の目は正気が狂っているように感じられた。
「こ、これが、わた、し?」
「そう...。皆で頑張って倒したんだよ...?私もがんばったんだから...!」
「そっか...。よしよし。」
「ぐへへ...。」
「?」
その後のすずの話だと、あれは憤怒の焔龍王スカーレットって名前らしく、童話や神話とかでよく聞くドラゴンとかいうやつなんだとか。...私が一緒に写っている人と比較したら50mぐらいあるドラゴンになっていたとはね。
「とりあえず彩音が勝ったという事になってるよぉ?」
「え?そうなの?やさ男さんに?」
「うん。元はと言うとあの人のせいだから...。」
「...そうだね......。あ、そうだ。ステータス。」
イベント中に何度か聞いたレベルが上がった時に聞くファンファーレ。そういえば見てないなと思い、ステータスを開く。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【名前】アヤネLV.☆13→☆21(上限解放済み)
【種族】竜人→龍人(力封印状態)
【職業】鍛冶師LV.6
HP:3500/3100→3500
MP:3100/2700→3100
STR:80
VIT:10
DEF:10
AGI:80
INT:10
DEX:80
MND:10
【スキル】《鍛冶LV.8》《剣術LV.☆2》《身体強化LV.☆1》《採掘LV.5》《伐採LV.2》《木工LV.6》《鑑定LV.☆》《錬金術LV.6》《錬金鍛治LV.6》《竜の力LV.3→龍の力LV.1(new!)》
SP:23→63
【装備】葉狼セット、折れた焔風斬丸、霊斬丸
【称号】『葉狼を撃破した者』『地獄の討伐者』『竜の力を持つ者→龍の力を持つ者』『獄狼王を撃破した者』『憤怒のレイドボス』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
△△△△△△△△△△
【名前】『龍の力を持つ者』
【効果】常にSTR2倍し、龍になった時、STR、AGI、DEFを10倍する。
【取得条件】龍人に進化する。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
△△△△△△△△△△
【名前】『憤怒のレイドボス』
【効果】レイドボスになった時、STRを6倍し、HP、MPを含む他のステータス全てを4倍する。
【取得条件】憤怒と名のつくレイドボスになる。
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
.........え...。何これ......。
「...か、《鑑定》...。」
■■■■■■■■■■
【名前】《龍の力》(✕は使用不可)
消費MP:5秒毎に100消費(焔龍王になった時)or2分ごとに100消費(身体に焔龍王の力の一部を発現させた時)
【効果①(LV.1)】(どちらか選択)
✕・一時的にレイドボス:焔龍王になる(任意で解除、またはMP切れで解除される)。
・身体に一時的に焔龍王の力の一部を発現させる。
【効果②(LV.1)】
✕・物理攻撃力が上昇(極大)し、焔ブレス攻撃が可能になる(焔龍王になった時のみ)。
・物理攻撃力が上昇(大)し、炎ブレス攻撃が可能になる(身体に焔龍王の力の一部を発現させた時のみ)。
【効果③(LV.5)】一時的に龍の力を所持者の装備に付与する事ができるようになる。
【効果④(LV.☆)】スキルレベルを10消費し、武器に恒常的に龍の力を与えることができる。
LV.1:STR+50
※使用後、現実での48時間使用不可
■■■■■■■■■■
スキルを見ると、何故か一部だけ使用不可になっていて、そこだけ灰色になっていた。
良かったよ。だって称号は要するにあのドラゴンになることで本領発揮するやつでしょ?それが使用不可になるって事は普通だってこと。......もう普通じゃないけどね...。とほほ...。あ!そうだ!
「...見た目って変わってるのかな...?」
「ふぇ?うん!結構変わってるよ!まず──」
すずによると、変わってるのは目と手足。
目は、赤色から金色になって、目の周りに赤色の線があるらしい。ちょっと歯も伸びて、牙の様なものが上の歯にある。そして、手の甲と足の甲には赤色の魔法陣が刻まれていて、そこから根を張るように赤い線が出ていた。これは自分で確認できたからビックリした。
「うぅ...ただでさえ目立ってたのにぃ...。」
「一緒に山奥で暮らしましょう!えぇ!!そうしましょう!!」
「......。」
それもいいかもしれない。でも、私の目標は龍神の秘剣を造ることだからそれは当分先だ。
『──色々とありましたが!運営さん曰く!イベントは続行との事です!!』
「「「「「うぉぉぉおぉおおおおお!!!!!」」」」」
急に聞こえてきたのは実況の人の声。確かキョウさんだったかな?それに応えるように叫び声が聞こえてきた。
「一緒に見に行こ?」
「...うん。」
私はすずの手を取って立ち上がり、歩き出したのだった。
MP3100...《龍の力》の消費MPは5秒に100...。
万全の状態で使うとしたら155秒...2分35秒あの状態になる訳で......。いや!称号の効果でMP4倍だから10分20秒......。それだけの時間があれば街なんて......。
...おじいちゃんナイス...?