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第72話 届け恋の《サンダービームストライク》!!



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──


「──ーマイン》《サンダーマイン》《サンダーマイン》《────》《───」



あれから暫く時間がたった。その間私は第1部隊の皆がMPポーションを渡してくれたので飲みながら《サンダーマイン》を唱えていた。

そして、その罠の数は5000を超える。



「おい!も、もう限界だぁぁぁ!!!」

「そうだ!!いつまで稼げばいい!?」

「ぐぁぁぁあ!!!」



隊長が叫び、それに仲間も同意する。


1万人いた参加者は既に半分にまで減っていて、残った人達は私の為に時間稼ぎをしてくれているが、その悉くがスカーレットの放つ物理攻撃によって直ぐに光となっていく。

そゆな絶望的な状況だが、2つほど希望の光がある。1つはあのスカーレットがブレスを吐かない事だ。あれによって1000人が一撃で戦闘不能になった。それ程の威力なのだ。放つのに凄いエネルギー(MP)が居るのだろう。


2つ目はトッププレイヤー達が善戦してくれていることだ。ジークフリートさんをはじめ、私が倒したぬこさんや彩音が倒したヨイチマルさんも参加している。



「よし!!」

「お!!ようやくか!!」



若干、処理が重くなってきたので放つ事にした。それもそうだろう。5000を超える電気のエフェクトが同一地点に存在しているからだ。

これ以上やると今度は狙いが定まらなくなってしまう。それゆえの決行だ。



「うーん...こうして......。違う...。ここを...。んー?」

「何をしている!!」

「ちょっと黙ってて!!」

「お、おう。ごめん...。」

「い、いえ。こちらこそ急にごめんなさい...」

「いいんだ。それよりも出来るだけ早くやってくれよ!」

「はい!」



「.........。」



難しい。《サンダービーム》と《サンダーストライク》を合体させようと思ってるんだけどそれが難しい。《サンダービーム》は連続攻撃なのに対し、《サンダーストライク》は単発だ。

ふーむ...。どうしたものか...。




「成分だけ取り出せば?」

「っ!誰!?...?」



声がした方を見るが誰もいない。だが、言われたのはヒントだ。それも結構有力な。


早速試してみる。



「ぅぅ......こう...?あ!...そうか...。よし!!」



パチリとハマった。これで行ける。



「こっちに惹き付けて!!」

「!分かった!!野郎共!!こっちに惹き付けるぞぉぉぉ!!」

「「「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」」」



「ガァァァァァァァア!!!!!」



大暴れするスカーレット。ジークフリートさんが糸で体を拘束しようとしているが、直ぐにブチブチとちぎれていく。ヨイチマルさんが1000本の矢を一斉に放つが全て硬い鱗に弾かれてしまう。まじっちさんが強力な魔法を放つが特にそれといった外傷はない。



「スズカさん!やってくれ!!!もうすぐでちぎれる!!」



背中に蜘蛛の足を生やしたジークフリートさんが叫ぶ。あの姿は多分糸の強さを上げる効果でもあるのだろうか。いや、そんな事はどうでもいい。



「分かりました!彩音!ごめん!」




「《サンダービームストライク》!!!」



───ゴゴゴゴゴゴゴゴ...!!!



目の前に電気でできた半径1mの魔法陣が構築される。それは凄まじい音を立て、周りにある電気を吸い取る。すると、魔法陣は半径10mにまで広がり、中心に電気が集まっていく。



──バチッバヂヂヂヂ!!!!!



魔法陣が小さくなるに連れて電気の玉が大きくなっていく。そして、ついに魔法陣がなくなった後、それは半径5mになっていた。



「──行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」



──ドォォォオオオオオオンンンンンンン!!!!!!!




「グガァァァァァァァアアア!?!?!?!?」




吸い取られた電気により増加したそのサンダービームの威力はスカーレットの左半身を消し飛ばすほどだった。



『レイドボス:上級龍種・憤怒の焔龍王スカーレットが討伐されました。』


『報酬はインベントリに送られます。』


『なお、活躍した度合いによって報酬も変わります。』



『特殊条件達成:《らi───』



「「「「「うぉぉぉぉぉぉおおおお!!!!」」」」」


「はぁ...はぁ......。彩音!」



涼香は報酬には目もくれずに、竜人に戻った左半身の無くなっている彩音の元に向かう。





だが、たどり着く前に彩音は光になってしまった。






...実は前々から考えてた彩音たんの龍化。

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