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第66話 カインVSマオ①


カインside



俺は鬼人になったあの時から姿を眩ませていた。心の準備が必要だった。フレンドのプレイヤー達はまだいい。何せあの場にいた奴が広めるだろうし、進化したんだなと思うだけだ。


だが、NPC達は違う。


今まで人だった俺が急に亜人である鬼人になったらどう思うか。それは色々あるだろうが、何より怖いのが態度を変えられたりしないか、だ。

普通に接していた奴が急によそよそしくなったり、優しかったやつが急に排斥しようとしたり...。

だから俺は街以外の場所で自分の心を落ち着かせると共にレベル上げもしていたのだ。



その結果がこれだ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【名前】カインLV.☆10→☆18

【種族】鬼人

【職業】大剣士LV.8→☆7



HP:3340→3820

MP:2060→2380



STR:100→120

VIT:10

DEF:50

AGI:50→70

INT:10

DEX:40

MND:10



【スキル】《剣術LV.☆4→☆☆》《大剣術LV.9→☆6》《身体強化LV.☆3→☆8》《鬼化LV.1→☆2》



SP:9



【装備】ハリフッグセット、クラーガンソード



【称号】『森狼王を撃破した者』『巻き込まれし者』『暴走者』『意志の強い者』



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



たった8しか上げれなかったのかと思うかもしれないが、これが全く上がらんのだ。

進化するまえと合わせてもう合計レベル48だから当然っちゃ当然なんだが、ちょっと焦ってしまう。

スキルの面も鍛えたから今日は優勝するつもりで挑むことにする。




そして今日。



イベントが始まる。




─────


──



『今回の戦いは亜人になったカインさんVS今大会唯一の魔物プレイヤー、マオさんです!!』



俺は闘技場に入った瞬間に大歓声が上がる。



「貴方がカインさんか。今日はよろしく頼みます。」

「あぁ。」



反対側の入口から入ってきたのは俺(178cm)よりも頭2つ分くらい高い背のマオという魔物プレイヤー。

黒い2本の角と、それと同色の目を持つ悪魔なんだとか。背中には地面スレスレになっている両手斧が背負われていた。



『それでは始め!!』



「うらぁ!!!」

「フンッ!!」



先制攻撃はマオだ。自慢の両手斧を振り下ろしてきた。



──ガキンッ......ビュォォォオオオ!!!



それをアヤネに造ってもらったクラーガンソードで防ぐ。だが、金属同士のぶつかり合う音が響いた後の風圧が凄い。



「せいっ!!オラッ!!」

「ぐぅっ!!」



受け止めたのをそのまま返し、無防備の腹を蹴る。



「《アックス・ボンバー》!」

「食らうかよ!!っらぁ!!」



───ギィィィィィンッ!!!



横薙ぎで来た斧を後ろに避けつつ、したから大剣で打ち上げた。そしてそのまま...



「──《大海斬》!!」

「はぁ!?」


勢いそのままで放った一撃は大剣の長さを遥かに超える20m。これにはマオもビックリである。



『おぉっと!!出ました武器スキル!!この後に控えているアヤネさんが造り上げた大剣、クラーガンソードの武器スキルは普通に強技です!!!』

『そうじゃのぉ。ワシは初めて見たが噂に違わぬ威力じゃ!』

『ブラキじゃさんのお墨付きでございます!!』

『───』



纏った水を10分の1だけ使って相手に飛ばし、もう一度飛ばす。それを繰り返し、10回分の水刃が相手にマオに飛んでいく。これも鍛えたからこそできる技だ。


1mになったとはいえ、水の刃だ。下手に受けると大ダメージを負ってしまう。



「おらぁぁぁぁあ!!!」



それを理解しているのか、マオは斧を自分の前で回転させ、打ち消した。


「そんなスキルまで持ち合わせているとはな!ならばこちらも答えねばなるまい!──《狂化》!」

「!?」



──ビキッ...ビキビキ...。


マオの肉体が音を立てて膨張していく。元からあった身長差が更に離れて、遂には3m程になってしまった。



『なんということでしょう!!!!魔物の中でもさらに高位な種族である魔人限定の肉体強化スキル!!狂化が発動しましたぁぁぁ!!!これはカインさん大ピンチ!!!』

『うむ。これはカインちょっと危ないのではないかのぉ?』

『あれ?そこはそうとは限らん、とか言わないんですか?』

『カインについては情報が少ないのじゃよ...。情報屋の名折れじゃな......。』

『そ、そんなことはありません!!皆さんもブラキじゃさんに助けられているじゃありませんか!!!それだけでいいんです!!』

『そ、そうかの?』

『そうです!!』

『わ、分かったのじゃ。実況に戻るのじゃ!』

『はい!』

『─』




「さぁ、本番だ。」




そうして試合は終盤に移る。



○今日のスキル○


今日は《アックス・ボンバー》《大海斬》《狂化》の3つです!



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【名前】《両手斧術》:アックス・ボンバー 消費MP:100

【効果①(LV.1)】両手で斧を持ち、斬り付ける。切っ先が衝突した対象を中心に爆発し、ダメージを与える。威力は斧の大きさに比例する。


【効果②(LV.5)】爆破のタイミングを少しだけズラすことができるようになる。


【効果③(LV.☆)】斧の何処からでも爆破が出来るようになる。



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【名前】武器スキル:《大海斬》 消費MP:200

【効果①(LV.1)】武器の10倍の長さの水刃を放つことができる。


【効果②(LV.5)】このスキルの威力が《水刃》の10倍になる。


【効果③(LV.☆)】このスキルを分けて放つことができるようになる。


LV.1:DEF+20

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【名前】《狂化》 消費MP:10分につき100消費

【効果①(LV.1)】身体が黒くなり、防御力が増加する(大)。


【効果②(LV.5)】目と爪がが赤くなり、攻撃力が増加する(大)。


【効果③(LV.☆)】悪魔の翼が生え、空を飛べるようになる。


LV.1:INT+25

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