番外編⑧ ごーせー
宝箱から出てきたのはのは閃光の宝玉だった。深闇の宝玉と対になる形で存在しているのだろう。深闇の方は真っ黒で逆に閃光の方は真っ白だからね。
そうして、宝物も取ったのでまた時間を掛けて来た道を戻った。
「なんかある...。」
そう。最下層に来た時からあった台座にデカい宝箱があったのだ。
多分サーディンの洞窟を全て攻略したからその報酬みたいな物だろうか...?
そう思い近づいて、ゆっくりと今までの宝箱の数倍デカい宝箱を開ける。
「.........はい?」
そこには何も無かった。あるとすれば2つの半球体状の窪みのみ。
「あっ...。そういう...ね。」
したり顔で閃光と深闇の宝玉を取り出す。そして、それをはめ込む。
「......。ちょっとまって...?」
いい事思いついた。
「...これらも置いて...っと...。」
置いたのは洞窟で手に入れてきた宝物達。水色のヘアピンから始まって燃えるような紅いリボンで終わる。それプラス2つの宝玉。2つの宝玉を入れる枠以外枠なんて無いけど、反応しないならしないで損は無い...はず。
「宝箱閉めてっと...。」
開けた時と同じように丁寧に閉じて、台座から降りる。すると...
──ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ............!!!
──ドゴォォォォン!!
地響きが鳴ったあと、王冠の様なものを頭に着けている、これまたクイーンよりも大きいサイズの真っ白な蟻が出てきた。
「ジジジジジジジ...。」
「でかいなぁ...。」
互いに見つめ合う。だが、白蟻はぷいと視線を宝箱に向け、近づくと...
──バギッグシャッバリバリギギギギギギ......!
なんと宝箱を丸ごと食べたのだ。
「嘘ぉぉぉ!?」
せっかく...。せっかく雷撃のネックレスをゲットしたのにぃぃぃ!!!
入れなければ良かった!!!!めっちゃ損じゃん!!
等と心の中で愚痴を言っていると
──ピカァァァァァ......。
突如光り出す白蟻。光の中から出てきたのは虹色の蟻。体の色が絶えず変わり続けていて、サイズもさらに大きくなり、5m程だったのが15m程になった。直径50mある最下層でも狭そうだ。
──バチッ...バチッ....!!
「コレガ...ワタシノ...カンゼンタイ」
「喋ったァァァァァ!!!???」
さっきまでジジジジジジジと鳴いていたのに喋り出す白あ...虹蟻。虹蟻の周りには様々な属性の球が浮いている。
「ムスメヨ...カンシャスル...ダガ...ココデシンデモラウゾ!!」
「え?まじで...?」
拝啓彩音様。
今まで戦ってきたクイーン達は中ボスだったようです...。
──シュンッ!...ガキンッ!!
「きゃっ!?」
「ナッ!?」
5ダメージ。さっきポーションで回復させたからまだ200以上ある。急所さえ守れば多少の痛みなんて誤差だ誤差。
「《サンダーフィールドストライク》!」
さっきのシャインアントクイーンに効いた一撃。
──バヂヂヂ...バシュッ...。
だが、グランド、サンダーアントクイーンを倒した時に手に入れた大地のミサンガ、雷撃のネックレスを吸収した虹蟻には効果があまり無い...。
「フンッ...コンナ...モノナノカ...?」
「それを言ったらそっちだって...!!」
「ソレモ...ソウダナ...!」
「......でも...。」
「ン?」
「耐久だったら負けないよ!」
「...。」
耐久ゲームスタート。
これは防御力が高くて合間に回復できる余裕があってポーションを大量に持っている、且つ相手に1ダメージでも当てれる人か攻撃を全部避けれて、且つ相手に1ダメージでも当てれる人ができるゲーム。
私は前者の方だから急所を守って合間にMP、HP回復ポーションを飲めば倒せる...はず。さっきの《サンダーフィールドストライク》は効果があまり無いけど、完全に無い訳では無いから1ダメージははいっている。
よって...
「うぉぉおお!!!《サンダーフィールドストライク》《サンダーフィールドストライク》───────......」
「ソウキタカ...ナラバ...ワタシモソレニノロウ...。」
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──
戦闘時間なんと8時間。
それぞれ1000本ずつあったHP、MP回復ポーションはHPが約300。MPが約50本にまで減っている。
相手も全部が属性攻撃だったが、そんなのは最大5ダメージまでしか食らわないこの体の前には無意味である。
「ウゥ...コシャクナ...。」
──ズゥゥゥン......。
「.........。」
しかし、涼香に反応はない。その目は既に虚ろであった...。
「あは、は。やったぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
目に生気が戻り、子供のようにはしゃぐ涼香。8時間も戦い続けてようやく倒せたのだから喜ばない方がおかしい。ちなみに言うと、《サンダーフィールドストライク》は虹蟻...パーフェクトレインボーアントキングに10ダメージ程度与えたとか...。
「...ゲプッ...。」
「うわ汚...。お?」
虹蟻の口からでてきたのは虹色に輝く宝箱。開けてみると、そこにはこれまた虹色に輝く宝玉が鎮座していた。
「.........これが本当の報酬なのね...。」
サーディンの鑑定屋にて...。
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【名前】虹色の宝玉:品質9
【説明】全ての基本属性とそれに派生、または上位互換の属性が込められた玉。持っていると属性攻撃が強くなり(大)、受ける属性ダメージが減少する(小)。
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「まじで!?ラッキーじゃん!!」
雷撃のネックレスよりも数十倍価値のあるだろう物を手に入れた涼香はご満悦であった。
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【名前】スズカLV.☆6→☆11(上限解放済み)
【種族】メタルプリンセス
【職業】魔法使いLV.27→29
HP:260/2400→2600
MP:2900/2600→2900
STR:10
VIT:10
DEF:10
AGI:50
INT:105
DEX:50
MND:10
【スキル】《風魔法LV.☆2→☆5》《土魔法LV.4》《水魔法LV.7》《火魔法LV.3→6》《魔力操作LV.☆4→☆5》《魔力節約術LV.☆3→4》《メタルの底力LV.1》
SP:0→25
【装備】中級魔法使いのローブ、黒杖、セーフマジックブレスレット
【称号】『葉狼を撃破した者』『金属の体を持つ者』『虹蟻王(完全体)を撃破した者』
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【名前】『虹蟻王(完全体)を撃破した者』
【効果】全属性攻撃に上方補正がかかる(中)。
【取得条件】パーフェクトレインボーアントキングを撃破する。
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ちなみに、深闇の宝玉と閃光の宝玉の2つだけを宝箱に入れた場合、白黒の蟻...ジャッジメントアントキングが出現します...。属性はもちろんダークネスとシャインの2つのみ。強さもパーフェクトレインボーアントキングよりは大分弱くなっています。もし仮にダンジョンで手に入れた宝物の内、最後の儀式で一つだけ合成しなかったとしたら、完全体では無くなるのでレインボーアントキングとなるでしょう。勿論強さは(以下略
そして、属性について...。
この世界にはソイル(土属性)、ウォーター(水属性)、ウィンド(風属性)、ファイア(火属性)、ダーク(闇属性)、ライト(光属性)の六つの基本属性があって、それを中心として上位やら派生やらをしていく訳です。なので必ずしもソイルの上位属性がグランド(大地)だけということは無いし、ウォーターの上級属性がアイス(氷)という訳でも無いのです。
ようするに何が言いたいのかと言うと、涼香さんは全部の属性と戦った訳では無いと言うことです...。
ちなみに涼香さんの雷魔法はほんとに特殊で、風属性と水属性の混合属性だったりもします。風属性の割合が高いので風属性という枠に収まっているだけです。