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番外編⑤ 激闘!...激......闘...?



「ギジャア...。」

「ッ!《サンダーボルト》!」



──バチッ!...。



「き、効いてない...!」



暗闇に光る黄色の目。

全体は見えないが、目線の高さから推測すると大体5m位だろう。



《サンダーボルト》を当ててみるが足から地面に流れていっているようでノーダメだった。

恐らくだが、小さい奴らにはちゃんと電気系の技は通るが、デカい奴だと強くなって通らなくなるのだと思う。だってさっきの奴らにはちゃんと通ったしね。



「ならば威力を上げるまでよ!《サンダーフィールド》&《ウォータースプラッシュ》!」



電気系の技の威力を上げるための2つの技、《サンダーフィールド》と《ウォータースプラッシュ》。サンダーフィールドはLV.5で帯電させることができ、且つ次の電気系の技の威力を底上げしてくれるので重宝してる。で、《ウォータースプラッシュ》は当たると爆発する水の爆弾。相手を濡らすと電気を通しやすくするために使った。


「ギジャジャ!!」



まるで鬱陶しいと言わんばかりに浮かせている前脚を振り回す大蟻(5m)。



「《サンダーストライク》!!」



──ゴゴゴゴゴゴ.....カッ...ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!



凄まじい轟音が鳴り響き、涼香は余りの轟音によって耳を塞いだ。

そして、単発魔法攻撃なのにも関わらず、見た目は天井から降り注いだ直径3mのビームだった。


《サンダーストライク》は簡単にいうと《サンダーボルト》の強化版。

これを使うと、デメリットとしてせっかく周りの奴らの死体や大蟻に帯電させた電気が全部なくなってしまう。だが、その分攻撃力にプラスされ、その威力は絶大なものとなる...。



《サンダーフィールド》からの《サンダーバースト》によって倒れている帯電した蟻の死体の数はなんと脅威の200匹越え。その数の蟻が帯びている電気が全て一点に集まったとしたらどうなるのか。それは決まっているだろう。




「ギギ....ゲ...ギ...ギギ...ジャ...。」



──ドスゥ...ン...。



塵も積もれば山となる...である。元々茶色だった大蟻は普通の蟻と変わらない黒へとなっていた。




「なんとかなった...。」



でも、こういった場面での対処法は覚えた。ボスの周りに数が多ければ多いほど、私に有利になる。


「この調子でいこー。」



死体をインベントリにいれ、来た道を戻っていく。

途中、分岐地点に戻った時に右側の方にも行ってみたが、特に何も無かった。



そして、横穴の入口。入口から出て、さらに下へと降りていく。

入口から見えていた次の横穴までは約70m。また違う敵が出てくることを祈ったが、それも叶わず出てきたのは...




「「「「「ギジャギジャギジャ...」」」」」


「またかよ!」



また蟻だった。

だがしかし、さっきの蟻達とは色が違った。さっきの蟻達は茶色だったのに対し、今対峙しているのは青色。さっきの茶色い蟻達は名前がソイルアントだったので土属性だったのだろう。そこから考えると青の蟻は多分水属性だと思う。


「これは有利じゃない?」



さっきは相性が悪かったけど、今回の横穴は当たりだ。しかし、だからといって気を抜くなんてことはしない。しっかりと油断せずに進む。



「「「ギジ──」」」

「─《サンダーボルト》《サンダーボルト》《サンダーボルト》!!!」


早口で呪文を唱えていく。


「「「「「ギジャジャジャジャ───」」」」」

「──《サンダースプレッド》!」


──バチッバヂヂヂヂヂヂッ!!!



「ギジャ!」

「《サン...》──ッ!?」



──バシュッ!!



いきなり飛んできた水の槍に驚いて詠唱を途中で止めてしまった。それにより魔力がその場で爆発し、ダメージを負ってしまう。

だが、水の槍と自爆による合計ダメージはたったの10である。



「あっ...そうかメタルになったもんね...。」



すっかり忘れていたメタルプリンセスの存在。種族の特性で受ける最大ダメージは5なのだ。



「ふっふっふ...。自爆させたことに後悔するんだな!《サンダーバースト》!」



──ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォンンン!!!!



「「「「「ジジジジジジジジ!?!?」」」」」



「ふぅ。...先に進むか。」




案の定、進んだ先にも大蟻...ウォーターアントクイーンはいて、さっきの戦術で倒しましたとさ。




○今日のスキル○



今日は《ウォータースプラッシュ》と《サンダーストライク》です!



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【名前】《水魔法》:ウォータースプラッシュ 消費MP:1発につき50消費

【効果①(LV.1)】当たると爆発する水の球を出すことができる。威力は《水魔法》のスキルレベルに比例する。


【効果②(LV.5)】爆発する方向を決めることができるようになる。


【効果③(LV.☆)】MPが続く限り連続で発動することができるようになる。その場合、3分の1の確率でMP消費なしになる。



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【名前】《風魔法》:サンダーストライク 消費MP:1発につき100消費

【効果①(LV.1)】威力の高い雷を放つことができる。


【効果②(LV.5)】半径100m以内にある電気を全て集め、攻撃力を増加させる。


【効果③(LV.☆)】増加させる分の攻撃力が上昇する(中)。



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涼香さんは《ウォータースプラッシュ》を相手の目の前で、全体に水が掛かるように爆発させました。





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