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番外編① 雷の魔女

番外編全8話。こちらも珍しい種族に...?




時は遡り、カフェで彩音が怒って出ていったところまで戻る。



「...あらら...。」

「アヤちゃん怒っちゃったわねぇ...。」

「しょうがないです...。解散...します...?」

「そうね。私もそろそろ行くわ。」

「分かったわスズさん。またどこかで会いましょう。」


傍から見ると3人とも()()()()()()にこやかだが、実態はというとドロッドロである。


(あやは私の妹...いや妻なんだから気をつけないとね...。)

(今度あったら妹にするわ。)

(歳が近いって理由で近づけないかなぁ...。)



ドロッッドロである(2回目)。



お金を支払い、カフェを出る。



「えーと?あやは?」



さっき出ていったばかりのあやを探す。多分西に行ったと思うんだけど...。



「んー...。あっ!いた!」



小柄で赤髪ショートの女の子の後ろ姿。頭だけしか見えないけどきっとあやだろう。



──タッタッタッ...。



「あや!」

「?」


目の前の女の子に声をかけるが不思議そうな顔をしていた。



それもそのはず、その女の子は彩音では無いのだから。




「っ!す、すみません。人違いでした。」

「...。」



人違いだったと謝ると無口な美少女はそのまま去っていった。



「くっ...。あやと間違えるだなんてッ...!一生の不覚ッ!!」



その場で崩れ落ちる涼香。

次は間違えないと新たな覚悟を決め、西へ歩く。...もう既にいないとしても。


「.........。レベル上げするか。」



しばらく探してもあやを見つけられなかった私はレベル上げに勤しむことにした。


行先は東の海。せっかくだからあやと一緒に行きたかったんだけどなぁ...。

まぁ、また今度行けばいっか。



─────


──



場所は東のサーディン海。



ここではノンアクティブモンスターであるオーシャンカウ...通称ウミウシやアクティブモンスターであるクラーガンと呼ばれる足の先に銃が着いたイカが主に生息している。



ここでレベル上げをしようかなと。



「んん〜!気持ちぃ〜!!」



風にあたって気持ちよさそうに目を細め、体を伸ばす1人の少女。



「目標はレベル☆5かな!」


今のレベルは26。もうすぐで進化できるし数時間頑張れば行けそうかな...?

目標設定もした事だし、早速狩っていきますか!




「《サンダーボルト》!」

「ギジャァァァァア!!??」


一発目からド派手に雷の魔法を放つ。

食らってしまったクラーガンは苦手属性である電気によって大ダメージを負い、そのまま息絶えた。



「もいっちょ!《サンダーボルト》!!」

「ギャァァァァ!?」



倒した個体はインベントリに入れていく。お金かかるけど解体はギルドに任せるつもり。



「「「「ギジャアア!!!」」」」

「やば!?」


──ドンッドドドンッドドンッ!!!



派手に鳴る銃声音...というか砲撃音。




──ヒュゥゥゥゥゥ....



複数のクラーガンによって打ち出された数発は涼香の元へと向かっていく。



「《サンダースプレッド》!!」



──ゴゴゴゴゴ...バヂッバチバチバチッ!!



1番近くにある水の球に当たるとウイルス感染のように他の球にまで電気が通り、順に消えていった。



「おぉ!ちょっと前に覚えたやつ結構強いなぁ!」



《サンダースプレッド》の威力を見て、感心した涼香。



「後は〜!お前たちだけだ!《サンダービーム》!」



──バチバチバチ...ビィィィィィンッ!!



「ギジャア!?」

「ギッ!!」

「ギャア!?」

「ギジャアア!!」


「....ふぅ。」



10秒ほど放ち続けていた《サンダービーム》を打ち切り、ぐったりする涼香。

《サンダービーム》は放ち続けているとMPをどんどん消費する。

MP消費の激しいこの技を使い、MPが無くなった為、ぐったりしているのだ。



「MポMポ〜。」



MポとはMP回復ポーションの略である。

魔法使いにとってMPとは命と同等のものであって魔法使いたるもの何時でも、如何なる時でもMP回復ポーションだけは持っておけと言われる程MP回復ポーションは重用されている。




海岸と海、2つの世界を区切る波。

涼香は海岸から魔法(雷)を放っている。




「やったぜ!!」



小一時間程狩り続け、遂にレベルが☆になった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【名前】スズカLV.26→☆(進化可能)

【種族】人族

【職業】魔法使いLV.21→27




HP:1130/2000→2160

MP:240/2000→2240




STR:10

VIT:10

DEF:10

AGI:10

INT:100

DEX:45

MND:10




【スキル】《風魔法LV.☆2》《土魔法LV.4》《水魔法LV.7》《火魔法LV.3》《魔力操作LV.☆4》《魔力節約術LV.☆3》




SP:0→20



【装備】中級魔法使いのローブ、黒杖、セーフマジックブレスレット




【称号】『葉狼を撃破した者』


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「そういえば進化出来るんだっけ...?...するか。」



どんな自分になるか楽し──



《進化先を選んでください》



・ハイヒューマン

・ウィッチ

・エルフ

・狐人

・メタルプリンセス



──み、って選べるんかい...。


え?てかなにこのメタルプリンセスって...。進化先に出てくるってことはそれに準ずる行動をとったって事だよね?全くもって身に覚えがないんだけど...。




「..........でも面白そう。」



そうして、メタルプリンセスを選んだ涼香はその場に座り込んだのだった。


そして、意識が混濁するなか、ある1つの記憶が思い浮かんできた。


───


──────



これはセルカディアでの記憶...。





「.........ん〜?」



お店を冷やかしながら進んでいると端っこの方に埃を被った物があった。


──────────

・鉄の塊

・・・500000G

──────────


私は値段を見て、高いとは思ったけど何故か気になった。



「なるほどねぇ...。でも()()()鉄の塊だったら高すぎよねぇ...?」


「すみません。」

「はいはい?」

「これってなんでこんなにも高いんですか?」

「さぁねぇ?鑑定屋に出したらこの値段が妥当って言ってたからなぁ。正直売れないと思ってるがねぇ。」

「そうですか。ありがとうございました。」



はい確定。



絶対面白いことになるわ。

そうしてこちらでも財力にものを言わせ50万はする1kgの鉄球を買ったのだった。

ちなみにクエスト等を頑張った結果全財産が70万はある。



1人ニヤニヤしながら鉄の塊を握る姿に買ってくれるのはありがたかったが店員は恐怖したという。






○今日のスキル○



今日は《風魔法》とそれに属する技達です!



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【名前】《風魔法》消費MP:技による

【効果①(LV.1)】所持者にレベル1上昇する毎に1つ風属性の魔法を与える。


【効果②(LV.1)】所持者の風属性魔法攻撃力を上昇させる。


LV.1:INT+10

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【名前】《風魔法》:サンダーボルト 消費MP:1発につき50消費

【効果①(LV.1)】雷属性の攻撃を放つことができるようになる。球の速さは《風魔法》のスキルレベルに比例する。


【効果②(LV.5)】攻撃を当てた相手に帯電させることができる。


【効果③(LV.☆)】帯電した相手に攻撃すると威力が上昇する(中)。



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【名前】《風魔法》:サンダースプレッド 消費MP:1発につき200消費

【効果①(LV.1)】当たると近くの敵にも誘電する雷属性の攻撃を放つことができるようになる。威力と誘電回数は《風魔法》のスキルレベルに比例する。


【効果②(LV.5)】攻撃を当てた相手に帯電させることができる。これは拡散による攻撃にも付与される。


【効果③(LV.☆)】帯電した相手に攻撃すると威力が上昇する(中)。



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【名前】《風魔法》:サンダービーム 消費MP:1発につき100消費し、継続して放つ場合は1秒につき50ずつ消費

【効果①(LV.1)】雷属性の極太光線を放つことができるようになる。威力と射程は《風魔法》のスキルレベルに比例する。


【効果②(LV.5)】攻撃を当てた相手に帯電させることができる。


【効果③(LV.☆)】帯電した相手に攻撃すると威力が上昇する(中)。



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2回目で確殺していく系の魔法使い...。


ちなみに、本来の《風魔法》は文字通り『風』を使った攻撃魔法であって『雷』はその中の1部でしかないです。


例えば《ウィンドボール》や《ウィンドカッター》みたいな?





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