第47話 試練の塔⑧
──バサッバサッ...。
「飛びながらだと楽でいいねッ!!!」
──バヒュッ!
高速飛行でウルキンに接近する。
そして、ウルキンとの距離が残り20mを切ったところで異常に気づいた。...いや、
「ッ!?!?」
──ピッッ...。
左回転をし、
「...そういうこと...。」
何故、物理攻撃の体勢に入っていたのか。何故余裕な表情をしているのか。そして、何故私は
全てはアイツの思惑通りであったという事なのだ。
空中で急ブレーキをかけ、3角飛びでまたもやこっちに向かってきた。
「空中戦かな!」
「ガウッ!!」
──ヒュッヒュンッガキンッ!ヒュンッ...!
凄まじいスピードで上下前後左右の全方向からランダムに攻撃される。
物理攻撃だけかと思いきやそんなはずもなく、さっき浮かせていた闇ボールも合間に放ってくる。
──シュパッ!...ガシッ!
「ギャンッ!?」
攻撃を避けて、相手が勢い付いて通り抜けたところで尻尾を掴む。
「おりゃあ!!」
──ドゴォォン!!!
「ギャウンッ!!」
「まだまだ!」
──ビュンッ!
「どっかで見たキーーックッッ!!」
空中でスピードをつけてウルキンの首根っこに蹴りかかる。
──ドゴォォォォォォォン!!!
「ギャッ...!?」
スタッ...。
首を貫かれ、満身創痍の状態のウルキン。これでも生きているのだから流石は名前にキングがつくだけある。
でも、もう動けない。
「......。」
「...ごめんね?」
苦しそうにこちらをじっと見つめる3つの赤い目。最初は敵意丸出しだったが、今では怯えの一点張り。
そして、私はできるだけ早くトドメをさし、インベントリにしまった。
《LV.☆→☆4になりました》
《身体強化LV.☆→☆1になりました》
《竜の力LV.1→2になりました》
《──試練の塔クリア──》
《──名称:地獄の集う塔──総15階──》
《クリア者:アヤネ》
視界の真ん中に試練の塔クリアの文字。多分、その下にある名称はそのまま今回のテーマになったものだと思う。だってこの塔魔物に全部
それにレベルがめっちゃ上がってる。そうか、レベル75だしね。そりゃ上がるよね...。
──プワァァァン...
クリアの表示が消えたと同時に屋上のど真ん中に青の魔法陣が現れた。これに乗れば帰れるのかな...?と恐る恐る近づき、足をチョンと乗せる。
すると、白い光が視界いっぱいに入ってくる。
余りの眩しさにギュッと目を閉じたが、直ぐに半目になると目の前には赤いカーペットが真っ直ぐ敷かれている豪華な廊下だった。
「帰ってきた...。」
色んなことがあったなと思い、記憶を辿る。が、それは戦闘の記憶しかなかった。それに苦笑いをする。
試練の塔に入ってきた門を潜り、外に出ると、右側に私が戦った門番さんがいたので会釈する。
「おぉ!生きて帰ってきたか!中々やるではないか。誰も入れることが出来なかった我に一矢報いたお前さんはきっとやり遂げると思っておったぞ!」
「ありがとうございます!」
「次の挑戦を待っておるぞ。」
「......い、行けたらまた来ます...。」
大抵の断り文句である『行けたら行く』を言い、その場から離れた。
レベル99の門番さんに太鼓判を押された私はちょっと落ちていた気分が上がった。
あ、でも帰ったら解体地獄が...。
なんてこったい...。
そうして彩音はサーディンに向けてテンションだだ下がりのまま、とぼとぼと歩いて帰ったのであった。
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【名前】アヤネLV.☆4(上限解放済み)
【種族】竜人(見習い)
【職業】鍛冶師LV.5
HP:78/2450→2650
MP:45/1950→2150
STR:70
VIT:10
DEF:10
AGI:58
INT:10
DEX:70
MND:10
【スキル】《鍛冶LV.7》《剣術LV.☆》《身体強化LV.☆→☆1》《採掘LV.5》《伐採LV.2》《木工LV.5》《鑑定LV.8→9》《錬金術LV.6》《錬金鍛治LV.6》《竜の力LV.1→2》
SP:0→20
【装備】葉狼セット、焔風斬丸、霊斬丸
【称号】『葉狼を撃破した者』『地獄の討伐者』『竜の力を持つ者』
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???「ラ○ダーキーーック!!!」
○今日のスキル○
今日のスキルは《天歩》。これを使えば皆空を飛べるぞ!是非ゲットしてみよう!
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【名前】《天歩》消費MP:1回使う毎に10消費
【効果①(LV.1)】空中で1回だけもう一度跳ぶことができる。
【効果②(LV.5)】空中で5回まで跳ぶことができるようになる。
【効果③(LV.☆)】空中でMPが許す限り跳ぶことができるようになる。
LV.1:跳躍力上昇(極小)
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ヘルウルフキングさんレベル高いだけあってMP膨大ですからねぇ...。
そして、次回からは番外編です...!度々すみません...。今度は涼香さん視点なのでどうか許してくださいなんでもしますか──...。