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第41話 試練の塔②



神様...。私何か悪いことでもしましたでしょうか...?






「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

「わふっ!?」



...。



「......ふぅ。スッキリした。...それにしてもよく見ると()()()可愛いなぁ...」



艶やかな黒い毛並みにパッチリとした、けれども鋭い赤い目。手の拳大程はあるだろう鋭い牙に爪。



...ごめんなさいどう見ても怖いです。



いや、でも可愛い事には違い無いんだけどなぁ...。敵対さえしていなければ...。




「グルルルルゥ...ワウッ!!」

「うわっ!?」



──シュバッ!!



危ない。また首を狙われたよ。



「ずっと見ていたいけど集中しなきゃね...。」

「ガルゥ!!」

「え!?」



突如、ヘルウルフの背中の上に現れる3つの魔法陣。そこから飛び出てきたのは黒いボールのようなもの。



(なんかやばそう...!)



「《焔刃》!」



──バシュッバシュバシュッ!!



斬り裂かれた黒いボールのようなものは燃えて消えた。



「草原でこれはキツイけど...喰らえ!」



《焔打》による地面に突き刺した時の()()と同じもの。

だけれども、効果は全く一緒という訳でもない。



地面に突き刺した...と言うよりは地面に刀を振るうと《焔打》の時と同様、地面に亀裂が入る。

だが、亀裂はランダムではなくヘルウルフ一直線に向かっていく。



──ピシピシピシ...ドゴォォン!!!!



まぁ、余裕な顔(のように見えた)で避けられたんだけどね。



だが、ここで終わる私ではない。放った直後にはもう既にヘルウルフに攻撃を仕掛けていた。



「うりゃあ!!」

「ガウッ!!」



──ギャィィンッ...!



死角から首を狙った一撃を強靭な牙で受け止められた。



「まだまだぁ!《焔刃》!!」


──ボォウッ!!



「ギャンッ!?」



見てて痛々しいけど生き残る為に倒させてもらうね...。



急に熱源が現れた事により牙を離してしまったヘルウルフ。その隙を突いて、彩音はそのまま口を斬った。



──ドスゥン...。



上顎から上が吹っ飛んだ死体がその場で倒れる。



《LV.16→18になりました》



「上がった...。」



彩音は決着が着くといつも感じる虚無感を抱きながら死体をインベントリにいれ、出口を求めて彷徨い始めたのであった。




──────


───


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

【名前】ヘルスライムLV.60

【弱点】???

【苦手属性】???

【説明】どこかに存在する地獄に生息すると言われている黒のスライム。死体を喰らい、強化されたヘルスライムはとんでもない防御力を誇ると言われている。別名:掃除屋。



HP:???

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「せいっ!」

『......!?』


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

【名前】ヘルモルLV.60

【弱点】???

【苦手属性】???

【説明】どこかに存在する地獄に生息すると言われているモグラ型の黒い魔物。闇魔法を得意とするため、影に隠れることができる。別名:黒モグラ叩かれ。



HP:???

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「やぁ!!」

「ぢゅあっ!?」


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

【名前】ヘルハンドLV.60

【弱点】???

【苦手属性】???

【説明】どこかに存在する地獄に生息すると言われているアンデッド。夢に出てくると5日後に死ぬと言われている。別名:夢手。



HP:???

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「こっち...と見せかけてこっち!」

『ё●■ღ◆Ш■ღ○٩〆Э!?』


▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

【名前】ヘルゴブリンナイトLV.60

【弱点】???

【苦手属性】???

【説明】どこかに存在する地獄に生息すると言われているゴブリンナイト。一体見たらすぐ側に100体はいると言われている。別名:G。



HP:???

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


「多すぎでしょぉぉ!!??」


「ギャア!!ギャアッ!!??」

「喰らえぇぇぇ!!」

「「「「「グギャァァァァア!!??」」」」」




─────


──




「やっと見つけたぁ...!」



彩音は今第14層から15層目に入る階段の前にいた。



「今回は見つけるのに苦労したなぁ...。」



──────


───



彷徨い始めて数時間。

最初の階層である草原を抜けた先に10段位で途切れている()()階段があり、それを登りきると次の階層にいた。

次は洞窟、その次は森、火山など毎回地帯が違ってそこは面白かった。

出会った敵が今までに戦ってきた敵に似た種類で全てがレベル60だったこと以外にこれといって変わったことは無かったが、強いて言うならこの数時間でレベルが30にあがってヘルウルフをはじめとする多数の種類の死体がインベントリにある事だろう。


レベルが30になってからは上がらなくなってしまった。どうしてだろう...?



「ステータス」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【名前】アヤネLV.16→☆(進化可能)

【種族】ヒューマン

【職業】鍛冶師LV.5



HP:624/1750→2450

MP:210/1250→1950



STR:30

VIT:10

DEF:10

AGI:18

INT:10

DEX:30

MND:10



【スキル】《鍛冶LV.7》《剣術LV.9→☆》《身体強化LV.8→☆》《採掘LV.5》《伐採LV.2》《木工LV.5》《鑑定LV.5→8》《錬金術LV.6》《錬金鍛治LV.6》



SP:50→120



【装備】葉狼セット、焔風斬丸、霊斬丸



【称号】『葉狼を撃破した者』『地獄の討伐者』



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「うわ〜ぉ。すごいレベルアップしてるじゃん。」



とりあえずSPがすごい貯まってるからSTR、AGI、DEXにそれぞれ40ずつプラスしとこう。



「えぇと?地獄の討伐者?」



△△△△△△△△△△

【名前】地獄の殺戮者

【効果】名前に地獄(ヘル)と着く魔物に対する与ダメージ増加(大)

【取得条件】名前に地獄(ヘル)と着く魔物を200体以上討伐。

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽



「...。私200体以上倒してたんだねぇ...。」



言われてみれば今日倒してきた敵は皆揃って”ヘル”って着いてたような...?



──ヘルウルフ...ヘルスライム...ヘルモル...ヘルハンド...ヘルゴブリン...その他諸々...。



着いてたよ。



何にしても、これは有難い効果だね!



...で、進化可能...。進化ってあの「人類の進化」の進化ってあってるよね?


私、何か変化しちゃうのかなぁ...。



不安だけど面白そうだよね!






───私、進化します!




そうして階段の前で私は倒れた。





───────



《進化開始します》


SYSTEM(システム)ERROR(エラー)


《何者かの介入あり》


《該当者の意識に危険を及ぼすと判断》


《進化を中止しました》


《進化中止をキャンセル》


《進化開始します》


《進化を中止しました》


《進化開始──》


《進化を──》


《───》






《──進化開始します》


《進化成功》





彩音の意識が無い間の謎の戦い。最終的に進化することになってしまったがどうなるのか...?

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