第33話 第3の街サーディン
「や、やっと着いたぁ...!」
「そうねぇ。」
「そうですねぇ。」
「そうだね。」
「可愛かったよ!」
「私もアヤちゃんのような妹が欲しいわぁ〜。」
男の子達は
...ほんとにやめて欲しいです...。
──
────
「──アヤは今じゃ誰にでも柔らかいけど昔は私以外には素っ気なかったんだよねぇ!」
「それは可愛いわねぇ!!」
「うんうん!見た目も可愛いのに中身まで可愛いなんて...!」
「でねでね!!───」
「──!?───!!」
「──!」
────
──
でも、そこから女子2人がそのトークに入っていって...。
男子2人はと言うと女子2人が入っていった辺りで切り上げて女子3人組と私との距離を離して、私に哀れみの視線を向けてきたのだ。
「ねぇねぇ!アヤちゃん!私の妹にならない?」
「あー!!!私も聞きたかったのにぃー!!!」
「ダメよ!!アヤは私のものなんだから!!」
「えっ...いや、あの...?」
第3の街、サーディンにて女子3人組から迫られているこの状況。他の人からの視線が痛い...!
えっとぉ...。ユージさんとミッツーさんは...?
──キョロキョロ...
いた!!けど...。
なんであんな所にいるのぉ!!??
男2人組はサーディンについた途端、その場から退散した。無論、あの百合畑から逃れる為にだ。
「ちょ!ちょっと一旦落ち着きましょう!?」
「むぅ〜...。」
「ぐぬぬ...。」
「ふふんっ...!」
何故か
今は一刻でも早くここから離れたいのだ。...本当に周りの暖かい視線が痛すぎるの...!
それからちょっとだけサーディンの街を歩く。
サーディンはセルカディアよりも大きな街で、木工が盛んな街である。至る所に木で造られた物があり、綺麗な曲線美にちょっと感動した。
この街の北から入ってきた私たちは中央付近へ向かい、手頃なカフェに入る。ここも勿論木造だ。
「お待たせ致しました!コーヒーとパンケーキでございます!どうぞごゆっくり!」
「ありがとうございます。......さて...。」
3人分のコーヒー(ふーりんさんはオレンジジュース)とパンケーキ(ふーりんさんは2段増し)が届き、店員さんが去ってからようやく話を聞く体勢になる。
「「妹にならない!?」」
「...。」
「えぇ...?」
ここでも何故かすずは無言で、しかも目を閉じながらドヤ顔で腕を組んでいる。
「妹...ですか...。」
「そうよぉ!だってこんな可愛い妹がいたら毎日幸せよぉ!!」
「私も!私も!幸せにするからぁ!!」
「......。」
いや、だからなぜすずは──
「お断りします。」
「「えぇ!?」」
「えぇ!?って...。それはそうでしょう。だってアヤはもう既に私の妹なんだから♪」
「違うけど?」
「えぇ!?」
「逆に聞くけどなんでそうなるの?」
「え?だってたまに傷ついて落ち込んだ時に私に甘えてくる───」
「わぁぁ!!わぁぁ!!」
「「今の話詳しく!!」」
「あっ!す、すみませんお騒がせしてしまい...。」
焦って大声出しちゃったけどここはカフェだった。他のお客さんがこちらをじっと見つめる。申し訳ないです...。
「「シュンとしちゃうアヤちゃん可愛い!」」
「でしょう...?」
「もう黙ってて!私はもう行きますので。」
「「「あっ...。」」」
皆のコーヒーとパンケーキ代を机に置いてカフェから出る。本当は皆の事を聞きたかったのに...。
あぁ〜話が進まないんじゃぁ〜!(><)