第32話 どうしてそうなる?
「やぁぁぁあ!!」
「...ふっ!」
──ザシュッ!!
──スパンッ!!
「《サンダーボルト》!!」
「《ウィンドカッター》!!」
──バチバチッ!!
──ズババババ!!
ユージくんと私が前衛で敵の進行を止め、後ろのマーリンさんとすずが魔法で数を減らしていく。後衛の2人──ミッツーさんとふーりんさんは後ろから襲いかかってくる敵を討ち取っている。
正直結構楽。
2人旅だと全部数が多いから休まる暇がないんだよねぇ。
え?霊斬丸の効果でアンデットに敵対されにくくなるって言ってなかったかって??
...これでも減ってる方なんだよ...?
だってこの刀造る前は30秒ぐらい歩くと敵に襲われてたけど今は3分で1回程度だからね??
ほらぁ!!だいぶ変わってるじゃん!!
でも3分で1回遭遇してるから仲間の存在があるとありがたい...!迷子になって良かった!!
...まぁ、迷わなかったら今頃次の街にいるだろうけどね...。
今更だけどこの森の魔物は全てアンデットだ。これはすずから聞いていたことだから正確な情報だろう。
だが、出てくる魔物──アンデットの種類が分からない。
この森では骸骨やぞんびがそこらじゅうに徘徊していて、それよりも数の多い、私が1人で来た時にも苦労させられた人の手のような魔物。そして、動物の体の一部を合体させた何かも稀に見る。
それを見た時は逃げ一択だ。私たちに敵う相手ではない。
「──《風刃》ッ!!」
『......ッ!!』
っとそうそう。こんな感じに不意打ちを仕掛けてくるのが手の魔物の気の抜けないところだ。
手の魔物には2種類あって、私がこの森で初めてであった手は物理攻撃の無効化──つまりすり抜けるのだ。こういった敵には魔法やスキルなどと言ったMPを使う系の技で攻撃しないといけないから1番厄介だ。2つ目は逆に魔法の通りが悪い手。この手は物理攻撃は通るが、MPを使う系の技をほとんど遮断してしまうのだ。
私は物理攻撃が主だからこっちの方が倒しやすいって言えばそうなんだけど、すずが悲しい顔をするからこっちも厄介だ。...すずの悲しい顔は見たく無いからね...。
だから、すずと2人の時はバランスが良かったんだよね!半透明の手はすずが、MP遮断の手は私がって感じだね!
「...どうしたんですか?考え事ですか?」
「へ!?い、いや!なんでもないよ!」
「...そうですか。」
「そ、そういえばあとどのくらいで街まで行けそうですか?」
いけないいけない...。ボーッとしながら歩いてた...。敵は体が勝手に動くから無意識でもいけたけど人との会話は無意識では出来ない。
結構歩いてきたし、もうそろそろ着くだろうから気合いを入れ直そう!
「そうですねぇ...。あと30分ぐらいですかねぇ...?」
「ありがとうございます。」
「いえいえ。あっ!そうそう!アヤネさんのその剣技!何処で身につけたんですか!?あと刀も気になりますし!!」
「け、剣技は昔
「ほうほう習っ──造った!?!?」
どうやら造った方が衝撃的だったようだ。
「え!?それ造ったの...?」
「えー!?すごーい!!キレーに造ったね!!」
「それは凄いですね。...造ったのか...。」
他の3人も驚いてくれている。やっぱり褒められるのは嬉しい。
──ギュッ...。
「すず?」
「....。...どう!?これがアヤネの凄い所よ!!まだまだあるんだから!!──」
「やめてぇぇえ!!!」
それから20分。すず達は私のことについて語り合った──否。男女4人組が講話を受けていたのであった。
なんでこうなるのぉ!?!?
どうしてそうなった...?