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番外編③ レイドボス:マグオクターブ第二段階目



いや...あの......これはキツいっすわ...。




その...ね?フィールドが100メートルの円に対して腕1本だけっていうのは無いなって思ってたよ?


え?何これ?



「「「「「「......。」」」」」」



ほら。皆唖然としてるよ。

でも、ここまで来たんだから頑張るしか無いんだよな...。


「倒せないにしても次がある!この戦いで得た情報は次に活かそうじゃないか!!」

「あ、あぁ!」

「そうやんね!!」

「私も頑張ります!!」


「逝くぞお前らァァァ!!!」

「「「「「漢字違うぞ(よ)!?」」」」」



次があることに思い至った誰かによる鼓舞で、ドン底だった士気は+とまでは行かずとも限りなく+に近づいた。


ここからはこの討伐隊のリーダーである俺の仕事だな...。



「先陣は俺が切る!!その後に続けッ!!!」

「「「「うぉぉぉぉぉおおお!!!!」」」」


「後方組は水魔法でマグマを固まらせろ!!」

「「「「任せろ(てください)!!」」」」



──じゅぅぅゎぁぁぁぁぁ....。



物凄い水蒸気が発生する中、俺を先頭に前衛組が突き抜けていく。

ここでようやく俺はこの武器のスキルを使う事にする。ここで使わないといつ使うんだって話だよな?



「刮目せよ!!──《大海斬》!!」


刮目せよは1度言ってみたかった言葉。ちょっとどころか大分厨二病っぽいが様になっているので良いだろう。

MPを200消費して放つ1種の大技。

大剣の長さ──2mを遥かに超えるその長さはなんと驚異の20m。10倍である。



『『『『『『『グギャァァァァァア!?!?』』』』』』』



20mを超える水の刃はマグオクターブの腕...いや、タコだと思うから足だな。足を10本程度斬り裂いた。



「「「「「うぉぉおおおおおお!!!」」」」」

「いける!!いけるぞ!!」

「マジかよ!!」

「すげぇぇ!!」

「これ私達要らないんじゃない...?」

「勝てるんならそれでもいい!!」



次々に歓喜の声をあげていく仲間達。これも士気を上げる為に使ったからな。これで上げれなかったら泣く。



──バシュッッ...



「なっ!?!?」

「うそん...。」

「硬すぎない...?」


誰かが驚き、それに続き皆も驚く。

それもそのはず、さっきまで足を斬り裂いていた皆の希望であった水刃は本体に当たると呆気なく消えてしまったのだ。



「だが、まだ秘策はある!!」

「まだあるの!?」

「それは...」

「「「「それは!?」」」」

「後で教える。」

「「「「「はぁぁあ!?」」」」」

「これは対策されるとキツイから皆で足を斬り飛ばしていこう。話はそれからだ。」

「そうか...。」

「てことは俺らが頑張れば頑張るほどそれが早く見れるってことやんな!?」

「そうなるな。」

「うぉぉお!!皆頑張るぞぉぉ!!!」

「「「「「「おぉぉぉぉぉおおお!!!!」」」」」」



「皆ちょっといいか?」

「ん?なんだ?」



後方組から前に出てきたバイオリンを持った男がやってきた。



「あいつの足を斬る為にここは俺に任せてみないか?」

「はぁ...?」



突然任せてみないか?と言われてもなぁ...?


「あぁ、そうでした。あいつの特徴は──」



曰く叫び声がそれぞれ違う音で本数はピアノの鍵盤と同じ88本。そして、今後口を持つことから音による攻撃も繰り出してくるだろうとの事。

肝心の男はバイオリンでバフ、デバフを掛けたりすることができるらしい。というか、この戦いが始まる前に演奏していたのはバフを掛ける為だったとか。


「....分かった。やってみろ。」

「!任せてください!!」


──♪──♬─♩──♪─♫



バイオリンを構え、ゆっくりと弦を弾く男──ムジク。弾いている最中にマグオクターブが攻撃して来たが皆が一丸となって、守りきった。



「──はい。今聞いてもらった曲は()()()()()の攻撃力を1.5倍にする効果があります。さっき弾いたのはこれの劣化版だったりします。...正直舐めてましてね...。で、続いて──」



──♫─♪──♩─♬──♪



さっきの曲は力が漲る感じがしたが、今回のはなんかよく分かんないけど不快な思いのする曲だった。そして、効果はイマイチ実感出来なかった。



「──これは()()()()()()()()()の防御力を0.75倍にする曲です。」




あぁなるほど...。道理で不快というか不安になるというか...。そんな負の感情を体現した曲な訳だ。



そこからは、後方組の水魔法で足場を作っていって曲によって強化された俺ら前衛組が足を斬り裂いていった。

驚くべき事に俺以外のやつも足を弾かれずに斬ることが出来たのだ。



─────


───



時間をかけ、残り10本程度までもってこれた。



「あと少しだ!!やるぞ!!」

「「「「おぉぉぉぉぉぉおお!!」」」」



あと少しで終わりが見えるというところで皆の元気が戻ってきた。

無理もない。あんな数の足の攻撃を凌いだりしたからな...。



「...そろそろかな。」



ラスト1本を斬り飛ばした。



『ギャァァァァァア!!!』



耳に響く甲高い断末魔。

ここで、ようやくあの技を使う時がきた。


「皆待たせたなァァ!!」

「やっとか!!」

「遂に...!!」

「我らの苦労が...!!」

「報われるッ!!!」




トップ100に入るレベルの皆は元々新しく、しかも強い武器に興味津々だった。それに武器スキルがある事を知ってさらに勢いが激しくなっている今の状態ははっきり言って怖い。だって目が血走ってるもん...。




「これで最後だタコ野郎!!くらえぇ!!《水素式超水圧砲》!!!」



なんか化学みたいな感じの名前だが、多分攻撃系だろう。



──ピィィィィン...



大剣の銃口が光輝く。


そして──



──ズドォォォォォォォォォォォンンン!!!!!!



「アグッ!?」





凄まじい音が鳴り響くと同時に俺の体は宙に投げ出された。








水素式はただ単に水素で爆発させるってだけ。

超水圧砲は圧縮した水をさらに圧縮して発射するやつ。ちなみに超電○砲をパk...参考にさせてもらったとかなんとか。


実際にできるかどうかは知りません。即席で考えたので←

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