第3話 ぎるどってなぁに?
目を覚ますと私は何かの建物の中心に立っていた。
周りは白く、中世の神殿の様な所だった。
「すっっ......ごいなぁ...。」
「だろ?俺も初めて来た時は驚いたぜ。」
「っ!?」
「あぁ!ごめんごめん!俺はカイン。宜しくな!」
「は、はい!私はアヤネと言います!」
ビックリしたなぁ。
急に後ろから惚けていた私に話掛けてきたのは筋肉が目立つタンクトップを着ていて、黒髪を逆立てているカインさんと言う男の人。後ろに大きな剣──大剣を装備しているから多分職業は戦士だろう。
「アヤネは初心者だろ?」
「えぇ...まぁ...はい。そうです。」
「どうだ?俺が街を案内しようか?」
「いえ!大丈夫です!」
「そうか。何かあったら俺に言ってくれこの街を拠点にしてるから何処かであえるかもな!...おっとそうだった。最初はギルドに行くといいぞ。」
「ぎるど?」
「ああ。この街には色んなギルドがあってな、俺は職業が戦士だから戦士ギルドに所属している。」
「なるほど...。じゃあ私は鍛冶師なので鍛冶師ギルドってところに行けばいいんですね!」
「ほぉ!アヤネは鍛冶師なのか。いつか俺の武器も作ってくれよな!ちなみに鍛冶師ギルドは...えーと確か...神殿から出て右に真っ直ぐ進むとあるぞ。」
「はい!色々教えて下さってありがとうございます!」
「おう!じゃあまた何処かでな!」
そう言ってカインさんは神殿を出ていった。
「よし!私もやっていきますか!」
神殿の入口から射し込む日による逆光を手で抑えながら出るとそこには活気溢れる大きな街があった。
早速カインさんに教えられた通りに鍛冶師ギルドとやらに行くことにする。
─────
───
「ここ...かな?」
着いたのは大きな木造の建物。入口の上にはハンマーが描かれた看板が掛けられていた。
入ってすぐの所には受付があり、そこを囲うように鍛冶をするスペースがあった。
そして、もう既に鍛冶をしている人がちらほらいた。
受付にはゴリゴリの...さっきのカインさんの倍以上はある筋肉を持つ褐色の髭がモサモサなおじさんが立っていた。
「すみません。登録をしたいのですが。」
「よく来たな!俺はドワーフのゲイルっつーんだ宜しくな!で、登録か!説明受けずに登録すんのか?」
「後で聞きます!」
「わかった!」
ドワーフだったのか!
《鍛冶師ギルドに所属しますか?》
頭に響く機械音の様な声。もちろん答えははいだ!
《鍛冶師ギルドに所属しました》
凄い簡単だね!
「おっ、登録したか!じゃあ説明すんぞー!」
「はい!」
「いい返事だ!まず最初に何処のギルドにも言える事だが、ギルドっつーもんは仲介業者みたいなもんだな!こっちがお前たちにクエストっていう形で依頼したり、また逆に依頼を受け取ったりするんだ!」
「ふんふん...。」
「鍛冶師ギルドでは鍛冶に関係する依頼を取り扱っている!で、鍛冶師ギルドに所属しているやつはここの施設内の設備を利用してもいいんだ!」
「おお!それは良いですね!!」
「だろぉ?あぁ!そうだ!ギルドに所属したやつにはこれを上げる事になってるんだ!」
「そうなんですか?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
【名前】初心者鍛冶キット:品質3
【説明】初心者が愛用する鍛冶をする為のキット。ハンマーと金床などといった鍛冶に最低限必要な物が入っている。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
なるほどねぇ。でもこれじゃあほとんど何にも作れないよね。
まあギルドで作ればいいよね!そして、いつかはマイホーム購入してそこでお店開くのもいいかも...!わぁ楽しみだなぁ!!
そうやって夢を膨らませていると...
「早速だが依頼クエスト受けてみるか?」
「...はい!」
私はこの世界に降りたって初の依頼を受けたのだった。