第23話 私は帰ってきた!!
───ザシュッ...
「......ふぅ...。」
なんとか討伐出来たかな!
『...ろ...!』
「んぇ?」
『後ろです!!』
「え──」
幽霊少女に言われ、後ろを振り返る。
そこにはフラフラになりながらも武器を握りしめ、正にその武器を振り下ろそうとしている
『『『─────!!!』』』
「ッ!!」
咄嗟に振り返ったことにより変な体勢になっている。
──避けれない
この攻撃を受ければまず間違いなく死ぬだろう。
スローモーションのような光景を目にしながら、私は目を瞑る。油断しちゃったな...
───ギィィィインッッ!!!
いつまで経っても襲いかかってこない衝撃に私は目を開けた。
異形の攻撃を背丈ほどはある
「おいおいアヤネ。なにぼさっとしてるんだ?」
余裕そうな笑みを浮かべ、私に話しかけてくる男の人。
この世界で初めて出会った人。
「カインさん!?」
「覚えていてくれたのは嬉しいな!まぁ話は後だ。ウラァッ!!」
異形の重そうな攻撃を弾き返すカインさん。
その余波で異形の腕が左右に開き、胴体ががら空きになる。
そこを見逃すカインさんでは無い。
「《一刀両断》ッ!!」
カインさんは首元から下半身にかけて、
『『『─────!!??』』』
──ドスゥゥン...
「倒し...た...?」
「あぁ。久しぶりだなアヤネ!」
「お、お久しぶりです!!」
「まぁそう硬くなるなって。それよりも、ちゃんと最後まで油断はするなよ??あいつは心臓だけ残しても動き続けるからな。かと言って心臓だけ潰しても動くがな!」
「うっ...はい...。そういえばカインさんはどうしてここに...?」
「......。たまたまだよ。」
「「......。」」
「......ホントですか...?」
「あ、あぁ。」
「ふぅん...。まぁいいです。今はクエストの報告ですね。」
「そ、そうだな!」
(あっぶねぇ!!街で見かけてそのままストー...尾行してきたことがバレるところだったぜ!!)
『倒してくれて...ありがとう...。』
「倒したって言うよりは倒されたって言う方が正しいかな。」
『それでも...。』
「そう。」
『これ、あげる...。』
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【名前】悪霊の宝珠:品質7
【説明】悪霊の魂が込められた珠。込められた魂の数は多く、たまに声が聞こえてくる。持っているとアンデットに狙われにくくなり(小)、アンデットから受けるダメージを減らす(小)時々自分が霊体化する。
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「えっ!?こ、これ貰っちゃっていいの...?」
『うん...。私にはもう...必要ない...。』
「...そっか...。」
『じゃあまた...会おうね...。』
「うん!...あっ!」
『───』
私は思い出したように振り返ったが、幽霊少女は最後に何かを言って消えていった。
「まぁ...なんだ。街に帰るか...?」
「はい...。」
そうして、私達は今までの出来事を話し合いながらセルカディアに帰ったのであった。
──────
───
「助けてくれてありがとうございました!何かお礼をさせてください!」
「いいんだお礼なんてそん...あっ...」
「???」
「いや、初めて会った時に武器を作ってくれないか?って頼んだの覚えてるか?」
「はい!」
「じゃあ大剣を作ってくれないか?あぁ!勿論素材は俺が出すぜ!」
「分かりました!」
「じゃあ素材出すぜ──」
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【名前】魔鉄:品質6
【説明】魔力が溜まった洞窟やダンジョンなどでたまに見つかる魔力が篭った鉄。普通の鉄の3倍程度硬い。
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【名前】クラーガンの足:品質5
【説明】15本あるクラーガンの足。足の先端に筒状の物があり、それから射出される水の弾丸は鉄をも砕く。
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「このクラーガン?ってなんですか?」
「ん?あぁ、そいつは東の海にいたでっけぇイカだ。」
「イカ...ですか...。クラーケンとガンを合わせたっていう...。」
「それは俺も思ったぜ。とりあえず使えるかなって思って出してみた。」
「...。頑張ってみます。」
「おう!」
それから、これらの他にも普通の鉄や銅などの金属も貰った。
「いや、こんなに使わないと思うんですけど...」
「余ったらあげるぜ?」
「えぇ!?」
「久々に会えて嬉しかったからな!」
「そ、そうですか...。」
ちょっと照れるな...。
(本当は掲示板を見て武器を作ってもらう為にここまで来たんだけどな...。多分掲示板の女の子はこの子で間違いない...はず!)
流石はトッププレイヤーの1人なのであった。
???「○○よ、私は帰ってきた!!」