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第21話 まさかの...



『...少しだけ母の話をしよう......母は...小さな頃からアンデットを...従える能力を....持っていた..。』



...スキルの事かな?



『大人になった...母はその能力を使い....沢山のアンデットを...従えた...。...そのアンデットの軍勢を...恐れたのか国は......母を消そうとした...。』



拙いながらも憎々しげに話す女の子。



『...母は...国を捨て...父と一緒に...この森に来た...。そして...誰にも知られないよう......この森に魔法を掛け......隠れるように...ひっそりと平和な暮らしをしていた...。...その時に産まれたのがわたし...。』


「...。」


『だけど...その平和は...永く...続かなかった...。』

『ある日...突然騎士団が...この森に...入ってきた...。』

『母の...居場所を、突き止めたのか......国は騎士団を...差し向けてきたの...。騎士団の...森を包囲...するような陣形に...両親は...逃げる事が出来ず...アンデットと一緒に...戦う事にした...。』




『...結果...両方とも死んだ...。』

「...。」




『わたしはというと...騎士団と戦う前に...母に渡された玉を...持って...何も出来ずにただただ丸まって隠れていた...。』

『これが...貰った玉......。この玉の...お陰でわたしは助かった...。』



そう言って見せられたのは黒い靄が渦巻く怪しげな玉。



『それからというもの...わたしはこの森で...ずっと...暮らしていた...。......いや、()()()()()()()()()()()()......。』

「??何を...言って...?」



『...わたしは愚かだった...。



なにせ...もう既に...死んでいるのにも関わらず......生きているつもりでいたからね...。』

「っ!?」


自嘲の笑みを浮かべながら目は悲しげだ。



ってことは今目の前に居るのは幽霊って事なのかな??



『ねぇ...知ってる?...ここって...アンデットは入れないんだよ...?』

「え!?じゃあ...え、なんで?」

『わたしは霊...。”アンデット”とは違う...。そして...ここにはアンデットを...退ける結界が...張られている...。』



幽霊少女によると、アンデットと霊は似たようなものだが、正確には違うそうだ。

そして、両者は闘いあっても攻撃したり、受けたりしても多少なりともあるけどそれは微々たるものらしい。

さらに、霊にも種類があって大きく悪霊や善霊と分けられていて、それぞれ弱点属性も違うそうだ。

なるほど。これはいいことを聞いた。



『それで...ここからが...本題なんだけど...ね...実は...頼みたい事があって...ここに連れてきたの...』

「...何?」



『......ここを守って欲しいの。』



真剣な顔つきで頼んでくる女の子。



●●●●●●●●●●

【依頼】異形化アンデットの撃退

【報酬】???

【説明】長年の月日が経った事により異形化し、強化されたアンデットが老朽化した結界を壊しに襲いかかる。アンデットの狙いはなんなのか...?異形化アンデットを撃退しよう。

●●●●●●●●●●


これクエストだったのか!?

まじですかぁ...。クエストに到達する前にもう既に死にそうなんですが...。でも...討伐じゃないだけマシなのかな...?



「...分かりました。頑張ってみるよ。」

『...本当ですか...!?ありがとう...ございます...!』


満面の笑みで感謝された。さっきまで無表情だったのに...そっちの方が可愛いと思うな。



『『『wj■pчgd▽eЁy!!!』』』



なにこの変な鳴き声...。



───ピシピシ...パリンッ...!



『...来る...!』

「うん!頑張る!......うわぁ...。」



私達が通ってきた方から現れたのは顔が3つ、手が8つ、足が6つの正にケンタウロスみたいな異形のアンデット。しかも、さっきまで戦っていた手達の肌の感じと似ている。




あれと戦うのかぁ...。やだなぁ...。




『『『DjgЁ■tp▲ϖmpw!!!!』』』





そうして、私は良い気分から最悪な気分へと落とされてしまったのでした。






気持ち悪いですねぇ...。

異形化アンデットはもしかしたらあの騎士団の死体が混ざって出来たのかも...?


...なぁんてね。

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