番外編 梶原 彩音は可愛いのだ。by.涼香
私は
両親は父はそこそこ有名な会社の社長で母はブランド品のデザインでちょっとした有名人だ。
私の他には妹がいる。妹はとても可愛くて、今は1番の親友である彩音にも可愛がられている。
あやは今でこそ明るく、笑顔を見せるようになってさらに親しい者には甘えてくるような親友だが、初めて出会った昔──小学三年生の頃は凄く寡黙な子だった...いや、そう見えるだけで、実際は周りに興味が無かった子だったのだ。
初めて同じクラスになった時、ショートヘアで無表情な美少女。だけど決して冷たい訳では無い。それが第一印象だった。
当時の私は何を思ったのか、つい話しかけてしまったのだ。
急に話しかけられて動揺してるのが見て分かった。
話を聞くとどうやら街の事を知らないらしい。
休みの日に約束を取り付けて、2人きりで街案内と称し遊んだ。
案内の途中で今までどういった生活をしていたのかとか普段何しているのかとかを聞いたりしていたら、迷ってしまった。
幸いバレないように着いてきていた私の護衛に助けられたけど、あれはちょっと怖かった......嘘ですごめんなさい物凄く怖かったです。
それからというものあやはちょっとずつ笑顔になって来ていた。
あやはいつも私の事を可愛いと言ってくれるが、あやも相当可愛い。全校で1位2位を争う程に...。まぁ、本人はほんわかしていて全く気づいてなかったようだけど...。そして今も尚気づいておらず、ショートで背が周りよりも小さいからか女子にまで可愛いと言われる始末。
あやは可愛いだけじゃ無いんだから!!
ちなみに1位2位を争っていたのは私。とは言っても私が言っている訳では無く、周りが言うには...だが。
あやの特徴は超絶可愛い美少女天使ちゃんというだけではない。
あやは天才なのだ!そう天才!!
1度教えられればすぐに習得し1度見ればすぐに理解する。故に中学校に入学してからの期末テストはいつも満点。
まさに天才の一言。
その代わりか、あやは興味が無いものにはとことん気を向けない。
初めて出会った時もそうだった。
一切周りに目を向けず、淡々と授業を受け、家に直行する。
帰り道、車での送迎でチラッと車から見えたあやの顔はニコニコしていた。
気になった私は翌日、いつもの興味無さげな顔をしているあやに聞いて見るとあやのお父さんが鍛冶をしているとのこと。
曰く、日本一の鍛冶師なのだってこと。
そこで言われてはじめて気付いた。
「梶...原...梶原ってあのっ!?」
「?」
彼は30年以上も前からずっと変わらず高級品であるナイフやたまにしか作らない調理器具で有名な鍛冶師だ。
ナイフに限っては1本約1000万はする程の高騰ぶり。このナイフが家にあるのはある種のアドバンテージになるとさえ言われている程だ。
私が彼を初めて知ったのはテレビで、刀を作るところを映し出されていた。
とても綺麗な形をしていて、出来上がった刀で木を1太刀で斬り倒したところも映っていたことからも分かる通り斬れ味が凄まじい。
...正直今でもあれはCGなんじゃないかって思っているほどに衝撃を受けた。
さて、彼の紹介はそこまでにして、あやはかの有名な鍛冶師の一人娘だったのだ。
その日は家までついて行って見学をさせてもらった。
その時のあやの顔を見るとはちきれそうな程の笑みを浮かべていた。...可愛い。
あの笑みは忘れられない。
中学に入り、あやが鍛治の手伝いをする様になってからは一緒に居られる時間も減ったが私達は変わらず仲が良かった。
あやは天才だったし、小学生の時から好きなだけあって鍛冶もすぐに上達していった。
一方で私はと言うと、あやの隣に並ぶ為に一生懸命に勉強して沢山の習い事を一生懸命になってやった。
でも追いつけない。
本物の天才はいつも1歩先にいる。それに嫉妬したが...可愛いからすぐにそんな醜い気持ちは無くなった。
あやは天才故にやろうと思えばなんでも出来る。
...ハッキングとかも暗殺でさえも。
本職の人を見れば理解し出来るようになるその力。
あやが悪用しない純粋ないい子で良かった。
そんなこんなで私はいつしかそんなあやを守ってあげたいと思うようになった。
だって目を離した隙に誰かに目を付けられて連れ去られるかもしれない...!これは私が守るしかない...!と。
だから将来は同棲。あわよくば結婚を考えている。というか結婚したい!!
隣で愛でたい!あやの全てをさらけ出したい!!
全てを手にする為に準備しなくちゃね...。ふふっ...。
楽しみだなぁ...。
深夜テンションで書いた話。
涼香のキャラが...。彼女は一体何処に向かっているんでしょうかねぇ...。(遠い目)
あと、すみませんがもう1話番外編が続きます。
次回は初めて出会ったプレイヤーの話です。