第一二〇話 弱肉強食
(=ↀωↀ=)<案の定長くなって二話分になりました
□■<遺跡>・プラント前通路
【――【捕食雌龍 ニーズヘッグ】の超級進化シークエンスを実行】
【――全パラメータ上昇、特性強化、最終スキル獲得を確認】
【――名称変化――【
◇◆
地下の通路に、白と黒の輝きが満ちる。
<エンブリオ>の形態変化時に似た輝きが、『奔流』と言っても過言ではない勢いであふれ出す。
その中心点にいるのは、【喰王】カタ。
拘束され、必殺スキルを撃たれ、集中砲火を浴びていた彼は、その輝きの中……二本の足で立っている。
「何だ、この光……! 何かの特典武具か!?」
「違う! これは、見たことがある……! <超級エンブリオ>への進化だ!!」
王国勢の一人が発した言葉に、全員が息を呑む。
その意味を理解できない者はいない。
ある者は<超級>を教祖と崇め、ある者は<超級>による蹂躙を経験している。
どちらであろうと、<超級>とは隔絶した実力者の証。
まして、皇国の準<超級>でも最強の一角と呼ばれた男が<超級>に成る。
どれほどの脅威か、推し量ることもできない。
「遠距離攻撃担当総員! 奴が進化を終える前に、デスペナルティに追い込め!!」
戦術指揮を担う死胎蛋が、王国勢に呼びかける。
カタは未だ進化途中、言わば羽化する前の蛹と同じ。
ならば、動き出す前に倒すのが最上の策だと既に理解している。
「了解だ! 《
「《魔法威力拡大》! 最大火力……《クリムゾン・スフィア》!!」
王国勢が消耗を度外視し、自らの最も強力な攻撃をカタへと叩きつける。
進化中のカタはそれを回避しない……否、できない。
今も《連環の計》による拘束は有効であり、さらにコナキジジイの必殺スキルによる加重もその身に降りかかっている。
ゆえに輝きの中、棒立ちのカタは王国の<マスター>達の切り札の直撃を受けた。
輝きを塗り潰すほどの爆炎が、カタの姿を覆い隠す。
「やったか!?」
「この至近距離からの必殺スキルではひとたまりもあるまい……」
そんな言葉が、王国勢から漏れる。
幾人かは『フラグ立てんな』、『わざとやってんのかお前ら』と思ったものの、客観的に見てもこれは決定打としか思えない有り様だ。
回避はおろか防御さえもままならない状態だったのだ。直撃に耐えられるとすれば、カルルや
そして今のカタは……。
「…………」
――その
「生きて、る!?」
猛攻に晒されてもなお……カタは立っていた。
無数の遠距離攻撃魔法で傷つき、連環の計の鎖で拘束され、加重によって歩くこともままならない。
上半身の装備品は完全に破損して素肌を晒している。
だか、それでも彼は立ち続けている。
「……チッ! ライザー達の言っていた奴か……!」
無事ではない。
王国の集中砲火により、一度は上半身が
しかしその後、カタの下半身に自らの重要臓器を移していたニーズヘッグが保有している
フュージョンガーディアンの特性、融合状態では<マスター>と<エンブリオ>双方が致命傷を受けない限りは生命活動を維持する。
その特性で半身が生き残った後に、スキルによって再生したのだ。
特性による生残能力はフュージョンガーディアンにも個体差があるが、カタを殺すならば、その身中にある『二人分の心臓』を完全に破壊しなければならない。
あるいは『二人分の脳』を破壊して一切の行動を取れなくするか。
だが、『一人分の心臓と脳』を潰すだけでは――カタを殺せず、止められない。
「…………」
人間であれば明確に死を迎えていたダメージから復活したカタは、動かない。
ただ、何かを確かめるように自分の身体を見下ろしている。
「もう一度! もう一度仕掛けるぞ!」
自分達の全力攻撃の後も立っている<
「これからの時間、今このときのあいつが一番弱い! 今、仕留めるんだ!!
その認識は正しい。
進化したてで能力の把握が完全ではなく、地下通路での戦闘ゆえにレヴィアタン以上のサイズにまで肥大化したガーディアン体を展開することもできない。
何より、その身に課されたデバフはまだ解除されていない。
今度こそ、跡形もなくす集中砲火で削り切れるはずだと考えた。
「応! ……?」
呼びかけに応じた王国勢が再度の攻撃に入ろうとして、気づく。
それは彼だけではなく、他の者達も同様だ。
上半身が消し飛んだ後に復活し、今は裸体を晒しているカタ。
その身に、
「何だあれ……
カタの上半身には、黒い入れ墨が刻まれていた。
元々あったものではない。服で隠れていなかった部分にも、なかったはずの入れ墨が加えられている。
いつの間に、彫り込まれたのか。
(それに、あれって……)
コナキジジイの<マスター>である十六斎は、刻まれているものに見覚えがあった。
それは昔、図鑑で読んだ――彼自身は実物がある博物館に行ける身体ではなかった――もの。
(まるで……
入れ墨が増えた意味も、模様の意味も、彼らには分からない。
だが、それが進化によって得たものならば、やはりその力を使いこなす前に仕留めなければならないという事実は変わらない。
「総員攻撃!!」
死胎蛋が号令を下しながら、《クリムゾン・スフィア》を放ち、十六斎も同時に銃撃、数十人の<マスター>もそれに続く。
今度こそ、最も新たな<超級>という脅威を跡形もなく滅ぼすために。
そして攻撃は今度も身動きが取れない方へと迫り、
「――ああ、これか」
――その身から噴き出した
「な!?」
「あれは……フランクリンがギデオンで使ったモンスターの!?」
かつて、【竜王】や【竜王】と同種の能力を持つ存在と相対した者達はそれが何かに気づいた。
同種の能力を持っていたモンスターの名は、【DGF】。
とある【竜王】を原型としてフランクリンに生み出されたモンスターの力は……。
「《
魔力と魂力の融合によって発揮される万能防御スキル――《竜王気》。
カタの体表――骨の入れ墨から迸る赤いオーラが、彼に迫る数多の攻撃を減衰させる。
その力、【竜王】や【竜王】の素材で作られたモンスターと相対したものはそれを《竜王気》と知るが……。
「なんだ、これ……!? こんなに、分厚かったか!?」
カタのそれは、記憶にあるものと比較して堅牢さに絶句する。
カタから放出されるオーラは勢いを増し続け、降り注ぐ攻撃を逆に弾き飛ばしていく。
強化された《クリムゾン・スフィア》すらも無傷で退けるほどの出力と厚みは、フランクリンの改造モンスターはおろか並の【竜王】を凌駕していた。
「…………」
自分の身体から噴き出すオーラと、刻まれた
そして降り注ぐ攻撃を意に介さず、拘束と加重で満足に身動きできぬ身体をそれでもゆっくりと動かした。
彼の腹部が人間のものとは比較にならぬ巨大な顎を形成し、彼の手は……
「ッ!? 奴にソレを食わせるな!!」
カタの身に起きたことを推測し、皿の銘を《鑑定眼》で視た死胎蛋が叫ぶ。
状況証拠から、何が起きるかを想像できてしまったがために。
しかし、【竜王】以上の《竜王気》に身を包むカタの行動を、この場の誰が妨げられるものか。
「く、うおぉおおおおおっ!!」
前衛の<マスター>の一人が、カタへと特攻する。
味方の射線に入ったことで被弾しながらも、一心不乱にカタの《竜王気》へと肉薄し自らの武器である片刃の大剣を振りかぶる。
彼の手にした大剣――防御スキルを無効化する<エンブリオ>が《竜王気》を裂き、内部にいたカタにまでもその刃を届かせる。
「…………」
刃は、カタの右腕を斬り飛ばした。
しかし、その手の中に――既に皿はない。
皿は腹の大口の中で咀嚼され、噛み砕かれ、飲み込まれた。
そして斬り飛ばされた右腕が空中で血飛沫を撒き散らし
『――GIGIGI』
――その全てが
「……これであいつと同じか」
そう呟くカタの胸の中心には、『口を開けた竜』の入れ墨が刻まれていた。
◆
――《
カタが率いたクランの名であり、ニーズヘッグが超級進化で獲得した最終スキルの銘。
ニーズヘッグの特性は、捕食範囲の拡大とリソース貯蔵。
超級進化によって得たスキル、《弱肉強食》はその複合。
あるいは、捕食という
カタも、ニーズヘッグもこれまで多くを喰らってきた。
しかしそれはリソースに変換するか、スキルのコストとしてであった。
だが、捕食とは、より直接的だ。
他の存在を自らの内に取り込み、血肉とすること。
《弱肉強食》の捕食は、正にそれだ。
特典武具の核となった<UBM>の概念そのものを捕食することで、その力を自らの体内に
《弱肉強食》は……完全捕食した特典武具の原型である<UBM>の
変則的な
使用制限はあるのか。
最大どの程度までを組み込めるのか。
学習するスキルに制限はあるか。
組み込んだものは失われないのか。
限界がある場合のスキルの取捨選択は可能か。
それらの情報を、まだカタ自身さえも把握はしていない。
だが、今のカタとニーズヘッグでも分かることが一つある。
それは――いま手元にあった
ニーズがカタの上半身を再生するために捕食した【恐竜王完全遺骸】。
そして、スキルの性質を理解したカタが捕食した【餓竜転盛】。
二つの特典武具の完全捕食によって、カタは《竜王気》と《最後の晩餐》を自らのものとして獲得した。
◇◆
「な――!?」
カタの右腕を斬り飛ばした<マスター>が、至近距離で発生した餓竜達に群がられて絶命する。
餓竜の口が彼を喰らい、そのリソースによってカタの右腕が復元する。
(……最悪だ!!)
死胎蛋は状況の著しい悪化に、心中で吐き捨てる。
彼は今、何が起きているかをほぼ正確に把握していた……把握できてしまった。
(あの皿が餓竜を呼び出していた特典武具! それを超級進化した奴が喰い、その力を自らのものとしてしまった! 最悪だ! 皿という特殊な形状、これまでは『餓竜を出す』までに何らかの手順を踏んで発動していただろうスキル。それが、今は、あいつが傷つくだけでシームレスに発動する! しかも、餓竜が何か食えばその傷も治る! おまけに《竜王気》のせいでろくに攻撃が通らんだと!? なんだこれは!?)
死胎蛋の心中の嘆きも無理はない。
それほどまでに、今のカタは人間離れしている。
……否、正しく人間ではない。
生命力と再生力、《竜王気》、そして餓竜を生み出す血肉。
今のカタは――
「……たしか、
だが、カタは再生した右腕の掌に牙の生えた口を形成し――自らの腹を掻きむしった。
動脈までも引き裂いた傷は深く、勢いよく血飛沫が飛ぶ。
それは距離をとって攻撃していた王国勢に届きそうなほどで……。
――その血飛沫が再度、餓竜に変わる。
血の一雫、肉の一片。
命の欠片が仮初の命に転じ、溢れ出る食欲と共に王国のマスター達へと飛び掛かる。
「ッ!?」
死胎蛋が狼狽えるが、先刻のように《連環の計》では防げない。
あのスキルは既に展開中であり、カタ本人の動きを止めるのに使われている。
そも、次から次へと増産されるならば、何度縛ったところで……。
「止めるぞ!!」
「応!」
後衛への攻撃を防ぐべく、
防御スキルを重ね、堅牢な鎧と盾で味方を護る肉壁となる。
先刻までの戦いで証明されている。
餓竜の牙で、彼らの護りを突破できない。
そう、
直後、
「…………え?」
さらに一瞬の後、防御と強度の何もかもが無意味であるかのように、餓竜の群れは彼らの鎧と服と肉と骨を噛み千切った。
「何で!? 何で!?」
「……!? 違う! あいつら、口が、さっきと……!?」
狼狽する者達の中で、一人が気づく。
壁役を喰らう餓竜達の顎の中に並ぶ牙。
それは肉食恐竜らしいものとは様相が違う。
もっと歪で、怪物的な……。
「このぉおおお!!」
前衛の一人が迫る餓竜に拳を振るう。
放たれた一撃は肉を突き破るように餓竜の胴体に沈み、
「……は?」
――攻撃を放った彼の右腕が千切れていた。
呆然とする彼の視線の先では――
それは――
「……まさか!? 餓竜に、<
カタはニーズヘッグの力で自分の身体の好きな部位に口を作れる。
さらに、それらの牙は《渇望の牙》の効果で神話級金属すらも容易く噛み砕くことができる。
全身の各所に口を形成し、さらにはその可動域に依った変則攻撃もカタの得意とするものであった。
さて、話は変わるが、今の餓竜は――カタにとって
《弱肉強食》によって特典武具というクッションはなくなり、生前の【餓竜公】同様に彼の血肉から直接生じ、さらにはリソースの献上というラインまで通っている。
であれば、であればだ。
今の餓竜はカタの一部――
ニーズヘッグの力を及ぼせない理屈の、あるものか。
「――――」
死胎蛋は絶句する。
先ほど『最悪だ』と思った考察が、まだ生温かったと理解してしまった。
カタが傷つく限り
広域制圧型でもトビキリに性質が悪い。
原典の<UBM>もここまでではなかっただろうと死胎蛋は確信していた。
「……これが、『<超級>になる』ってことかよ……!」
迫る餓竜に銃撃をして抗っている十六斎もまた、自らの心が発する呻きを抑えられない。
最も新しき<超級>。
しかし新しさは弱さではない。
現時点で既に、他の<超級>に劣らない。
相対する絶望感は――講和会議で彼らを蹂躙した【獣王】にも似ていた。
「マダ! マダデス!」
絶望しそうな仲間に、アユーシが呼びかける。
相手がどれほど強大になろうと、自分達はこの場を護る役目を担っている。
自分達の教主が命懸けで戦い抜いたというのに、ここで臆するわけにはいかない。
「ドンナモノニモ、ゲンカイ、アリマス! キット、エネルギー、キレル!」
「!」
彼女の呼びかけに、挫けかけていた者達の士気が僅かに持ち直す。
だが、彼女の言葉は正しいのだ。
「……そうだ! 《竜王気》はMPとSPを同時に消耗するスキル! それをあんな出力で使っていれば長くは持たん! 口や餓竜についても同様! 《医食同源》で回復できるのはHPのみ! あいつは短期決戦しかできない! 枯渇に、追い込むぞ!」
死胎蛋の分析に、王国勢が希望を見出す。
彼らは懸命に抗う。
多くの犠牲者を出しながら、一撃で人間を噛み殺せる餓竜達を撃破しながら、カタにも攻撃を加えて《竜王気》の消耗を誘う。
彼らは必死の思いで戦い続けた。
「…………」
それに対し、カタは反応を示さない。
数分間、そのままだ。
《竜王気》で致命傷を防ぎ、攻撃によって傷つけば餓竜を出し、喰らって回復する。
短期決戦しかできないと言われた男が……まるで
「な、なぜ……あの出力を発揮し続けられる……!?」
ついに、耐えきれなくなった誰かがそんな弱音を零す。
彼の言うように、カタの《竜王気》が弱まる気配も、餓竜の生成が止まる気配も、ない。
聞こえた弱音に対し、カタは心の中だけで答える。
(……ずっと
カタは自分の左手の甲……ニーズヘッグの紋章に目を向ける。
彼女のスキル、《膨張する命》。
彼女が喰らったリソースを貯め込み、それに応じてガーディアン体を肥大化させる。
しかし本来は貯蔵したリソースを消費し、『カタのスキルの消費コストを代替する』スキルである。
貯めれば膨らみ、使えば萎む。外部リソースをエネルギータンクに変換するスキルだ。
だが、超級進化を阻むため、彼女は貯蔵リソースを使わないことを選んだ。
それによって使われることなく前回の戦争前からリソースを貯め込み続けた。
彼女が使わないリソースを貯め込み続けたのは、いつかカタが何かを選択したときに、彼を助ける力を少しでも残しておくため。
そして今、超級進化は果たされ、ニーズヘッグの制限は既にない。
貯め込んだ膨大なリソースにより……この戦場で彼の戦力がリソース不足を理由に落ちることはない。
落ちるとすれば、別の理由だ。
「……さてと」
カタは攻撃を喰らいながら、餓竜で敵を喰らいながら……待っていた。
《連環の計》で自らと繋がった……鎖の綱引きで抑え込んでいた前衛が減るのを。
《威喰同源》で自らのSTRが望む値に達するのを。
「そろそろいいかな……」
そうしてカタは、
鎖も、加重も、ものともせずに、
「なッ!?」
《
それらのスキルを使う上での注意点は、ステータスが『発動時参照』か、『随時参照』かということ。《攻の疑わしきは重くす》は前者であり、《追撃者》は後者だ。
そして『使用時参照』の場合、使用後に相手が大きくステータスを変化させれば……無力化されることもある。
今、数多の<マスター>を喰らい、ステータスを増大させたカタのように。
今、超音速機動で十六斎の懐に飛び込んだカタのように。
「ッ!?」
自らに肉薄したカタに対し、咄嗟に銃を向けようとする十六斎だが、それよりも早くにカタが右手ごと噛み砕く。
カタはこのタイミングを見極めていた。
自分が動けるようになったタイミングで、再び自分を拘束することが可能かもしれない相手を仕留める機会を。
(ク、ソ……!)
十六斎は自身が詰んでいることを理解する。
仲間は助けに来れる距離になく、むしろ近づけば餌食になる。
自分はここで終わる。退場する。
それでもギリギリまで、できることを探す。
だが、<エンブリオ>を破壊されたことが何かあるのか。
十六斎の視界には、自らに止めを刺さんとするカタの姿が入り……。
「――!」
一つの、変化に気づいた。
「
最後の言葉の途中で、十六斎の命はカタの顎の中に消える。
彼は光の塵となり、デスペナルティとなった。
「…………」
危険な相手を仕留めたカタは、彼の言葉にようやく気付いたように自らの身体を見下ろす。
胸の中央にある【餓竜公】の入れ墨は黒色のままだが、【恐竜王】を示す骨の入れ墨は……黒色が薄くなり、灰色となっている。
(……そういう制限があったのか)
恐らく、使えば使うほどにこれは薄くなっていくのだろうとカタは理解する。
このまま色が薄くなり続ければどうなるのか。
少なくとも、有利に転がる話ではないとカタは察した。
そして、それは十六斎の遺言を聞いた他の<マスター>も同じだ。
「……聞いたな! 奴にスキルを使わせるのは無駄じゃない! スキルを使用不能に追い込めば、奴は<超級>になる前と同じだ!!」
希望的観測をあえて混ぜた言葉で、死胎蛋は味方の士気を再び奮い起こす。
だが、その言葉によって、防衛を担う王国勢は抗う力を増す。
「…………」
抗う者達を前に、カタもまた臆さない。
臆す意味はない。資格はない。
何があろうとカタは通路の奥へと進み、全てを殲滅する。
自らの愛と再会する、蜘蛛の糸を切らぬために。
そうして両者の譲れぬ思いの下、王国の<マスター>と最も新しき<超級>のレイド戦が繰り広げられる。
To be continued
○【
天姿国色[てんしこくしょく]
生まれた時からこの世のものとは思えないほど美しい女性のこと。
「天姿」は天から与えられた容姿。
「国色」は国の中で最も美しい女性という意味。
填[てん]
[常用漢字] [音]テン(漢) [訓]はめる はまる
空いた所をうずめて一杯にする
○《
(=ↀωↀ=)<ちょっと長いので本編じゃなくてあとがきで解説
(=ↀωↀ=)<カタとニーズヘッグがまだ把握していない情報も含む
ニーズヘッグが超級進化によって獲得した最終スキル。
『捕食範囲の拡大』と『リソースの貯蔵』の先、『喰らったもので自らの肉体を構成する』という捕食の本質の具現。
特徴としては下記の数点が挙げられる。
・特典武具を完全に捕食することで生前の<UBM>のスキルを一つ獲得する。
※完全捕食した特典武具は復活せずにロストする。
(=ↀωↀ=)<【恐竜王】と【餓竜公】の特典武具以外はビシュマルに燃やされて
(=ↀωↀ=)<まだ復活してないのでこの戦闘中は捕食できません
( ꒪|勅|꒪)<……現状で十分やばくねーカ?
・捕食後、ニーズヘッグと融合中のカタの表皮(ニーズヘッグのガーディアン体も含む)に捕食した特典に応じた入れ墨が浮かぶ。
※入れ墨であるのは『罪人の証』、『自らの行いの結果を身体に刻む』というカタの心理的影響が強いと思われる。
(=ↀωↀ=)<……このエピソード書籍化したときに何パターンキャラデザ要るんだろカタ
・獲得したスキルは生前の<UBM>と同じく、スキルに応じたコストを求められる。
主にカタ自身のMPSP、ニーズヘッグの貯蔵リソースを消費して行使が可能。
ただし特殊なコストを要求する場合は前提条件を満たせないので行使不可能
例えば【モノクローム】の《シャイニング・ディスペアー》のように『事前に光を吸収する』などの準備が必要な場合、一つしかスキルを獲得できないカタには《光吸収》がないため、使用できない。
※加えて、『カタ自身が持たない部位や器官を前提としたスキル』も使用不可。
(=ↀωↀ=)<例えば翼や○○袋みたいなのがあること前提のスキルは使えませんね
( ꒪|勅|꒪)<怪獣かなんかカ?
・同時に
使用容量はランクによって異なり、高ランクほど容量を多く消費する。
※現時点でどの程度入るかはカタとニーズヘッグ自身も確認できていない。
( ꒪|勅
(=ↀωↀ=)<一理ある
・保持スキルを使用するほどに入れ墨の色が薄くなる。
黒色→灰色→白色と変色し、完全に白色になった場合は暫くそのスキルは使用不可能。
最低でも二十四時間のインターバルが必要になる。(完全に白色にならなければ、時間経過で色が戻り、戻っている最中にも使用できる)
使用可能量は元の<UBM>のランクが高いスキルほど多い。(インターバルも長い)
(=ↀωↀ=)<要するにランクの高い<UBM>のスキルほど
(=ↀωↀ=)<最大容量削る代わりに使用できる時間も長いです
(=ↀωↀ=)<ちなみにガーディアン体でも同じ入れ墨がスケールアップして浮かびますが
(=ↀωↀ=)<白色になるとガーディアン体の場合は体色に紛れます
・類似スキルとしてヌンの《シェイプシフト》があるが、下記の点で異なる。
1.対象の違い(人間と<UBM>)
2.形状変化を伴わない
3.対象の持つスキル全てではなく、一つだけを獲得
4.前提条件の難易度上昇(『体組織の取り込み』と『特典の完全捕食』)
5.使用条件の難易度緩和(ヌンは変形対象へのレベル優越という条件を持つ)
6.必殺不使用時でもスキル性能が劣化しない
( ꒪|勅|꒪)<<UBM>をMVP討伐するのが条件ってかなりきついよナ
(=ↀωↀ=)<ちなみに<エンブリオ>じゃないけれど
(=ↀωↀ=)<似たようなことを大昔から大量にやってるのが
(=ↀωↀ=)<モルド・マシーネ
・《弱肉強食》で獲得した時点でそれらは『カタのスキル』である。
そのため、彼とニーズヘッグの持つ能力でスキル自体が拡張されるケースがある。
《竜王気》:
カタのスキル消費をニーズヘッグが代替可能であるため、貯蔵リソースによる高出力化。
ただし、【竜王】ごとに行使可能な特性付与や応用技は技術であるため、カタはまだ使用できない。当然ながら《竜神装》も使えない。
《最後の晩餐》:
生前仕様になったことで皿に捧げる工程を経由しない。
【餓竜公】同様、体から離れた血肉が餓竜(自動捕食分体)となる。
『餓竜もまたカタの肉体の一部』という判定になり、ニーズヘッグの《渇望の牙》を餓竜にも使用させることが可能となった。
(=ↀωↀ=)<要するに【餓竜公】のパワーアップ版が今のカタ(成長性は【餓竜公】が勝るけど)
(=ↀωↀ=)<あと《竜王気》は王都襲撃事件でのツァンロンくらいの出力で出しっぱなしです
( ꒪|勅|꒪)<……むしろよく攻撃通ったナ