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化学式? って結局何を表しているの?

教えてエラい人ー!


分かる人には分かり易いのかもしれないけど現実の水とイメージと離れすぎていて真面目に考えたら混乱中。

イメージに反映させるには私の理解が足りていないようだ。


どんどん試して行こう、化学がダメなら次は何だ?

イメージを膨らませやすいのは芸術とか文学とかかな?


んー、とはいえ最初に思い付いたのがイルカが有名なイラスト作品なんだけどこれって海水だよね?

とにかくイメージしながら水球を創ってみる。

そして、消えていった。

やっぱりダメか。


睡蓮の絵もダメだった、あとは何かあったかな?

絵画以外だと何だろう?

水を表現した詩とかあったかな?

あっ、五月雨を集めて早しホニャラララ……ポンコツだな私。


他にはピアニストが主人公のアニメで見た水をイメージしたピアノ曲なんかを思い出しながら水球を創ったけど変わらず消えて残らなかった。


芸術もダメだと……哲学(2回目)か!

なんかまた混乱してきた。

何が正解何だろう?

コレっていう正解があるのかな?

分かっているのは魔法で水を創る事が出来る。

うん、可能だって分かって挑戦出来るだけで幸せだね。


時間も忘れて水球を創り続ける。

1度も成功していない。

創っては消し創っては消し、なんだか自分で掘った穴を埋めてる気分になってきた。

どのくらい続けていたかな? 今何時だ?

太陽が見えないと時間がサッパリ分からないな。


せめて実際の水があったら参考になるかもだけど海水しかない。

カーカ師匠にお願いして見本の水だけでも貰えないかな?

でも1日経たずにギブアップもしたくないしなー。


はぁ、休憩して食事にしよう。

今回の食材は……苔。

早く他の物も食べられるようになりたいよー。


ちょっと工夫して茹でた苔に、魔法で水分を抜いてパリパリに乾燥させた苔を荒く砕いて和えてみた。

うん、食感にアクセントが出ていいね。

味にもアクセントがあったらもっといいんだけどねー。


ごちそうさまでしたー。

さーて、特訓の続きをしようか。

早く先に進んで海水を創れるようにならなくちゃ。


うー、上手くいかないな。

本当に拷問みたいだ。

いやいや、自分で進んでやってるんだからね。

はぁ、でもこれだけ変化がないと精神的に良くないなー。

これが作業ゲーならどんな果てしない作業でもその先に結果があるんだけど私にあるのはこの先も過酷な生活……おっと思考が悪い方に向かったな。


水のイメージを正しく掴めていないのが問題だと思っていろいろ試してみたけど全然上手くいかないなー。

まだ足りていないのか考え方が間違っているのか、せめて本物の水があったらなー。


あれ? 何か引っ掛かる?

思い出せそうで思い出せない感覚。

何かあったかな?

……あ、私さっき苔から魔法で()()()()()()()

乾燥させた苔を作るために魔法で水分を操っていた。

その時に水滴となって苔から水が出ていた。


どんだけ料理に夢中だったんだ私!

探していた水が目の前にあったのにスルーしてたよ。

さっそく苔を魔法の手で一掴みしてそこから水だけを抜き取る。

慎重に操作して水を抜く。

調理中は意識してなかったからかスムーズに出来たのになんだか緊張するな。


苔から水を抜いて小さな水球が出来た。

もちろん自然の水だから魔法を解除してもそのまま残り続ける。

よし、見本になる水ゲットだぜ。

これをそのままコピーするようなイメージで水球を創る。

魔法を解除して……消えちゃった。

おぅ、いいアイデアだと思ったんだけどなー。

これでもダメか。


いや、諦めるのは試合終了してからだ。

……これじゃあ普通か。

1度で成功しなかったら何度でも挑戦だ。


最初に水球として創るのがよくないのか、創るときのイメージ、出現させるイメージは? いろいろ変えて組み合わせてはみたけどどれもダメ。


よく見たら苔から抜き出した水に少し色が着いている?

むー、これは純粋に水だけを抜き取るのに失敗していたかな?

見本にしていた水もある意味で水モドキだったかも。

これは私の魔法の操作能力の限界だ。

じゃあ水だけを抜き取れるように練習する?

魔法の練習のために違う魔法の練習するとか本末転倒だよなー。

ゲームならよくあることだけど。


流石に途方に暮れて来るなぁ。

そんなに難しい課題だったの?

それともカーカ師匠の基準がおかしい?

それもありそうで困る。

やって来た冒険者は全て撃退したって言ってたしレベルが高すぎてこれくらい基礎でしょ、って考える基準がおかしい可能性はありそう。


泣き付く?

まだ焦る時間じゃない。

月単位とか年単位掛かるようならともかくまだ1日も経っていないじゃないか。

贅沢を言わなければ食料だってまだまだあるんだしまだ頑張って続けてみよう。


魔法で水を創っては解除して消えてを繰り返していつの間にか無我の境地……単に惰性の作業だよ。

工夫する方向性も見失ってただ偶然にでも成功しないかと創り続けているだけだ。

これじゃあダメだと思うけどもう新しい事も思い付かない。


ひえっ


急に視界が緑色に塗り潰された。

敵? 何が起きた?

あ、苔を取った床からまた新しい苔が一斉に生えてる!?

うわー、こんな風に苔が生えていたんだ。

まだ若い感じだけど、このまま放って置いたら最初みたいになるの?


この不思議な現象って毎日のように起きるのかな?

食料がなくなるまでは頑張ろうって思っていたんだけどこれじゃあエンドレス。


よし、泣き付こう。

師匠ー!

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