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くそっ、探検1日目から躓くとは。

おっと、汚い言葉遣いだったな、反省。


沈没船まで海底を歩いて帰った。

途中で迷ったのはナイショね?

だって、海底を進むと景色が全然違うんだもん。

迷っても仕方ないって。

あっ、ナイショの話だった。


しかし怖いサンゴだったなー。

まんまRPGで移動したら急に強い敵が出るパターンじゃん。

まぁ、本体が動かないのが救いといえば救いか。

……動かないよね?

動かなくても繁殖して増えたりするのかな?

厄介だわー。


ぶっちゃけ、怖いサンゴにビビって逃げ帰ってきた分けだけど、どうしようか?

まぁ、対策の方向性としは防御力のレベルアップだよね。

簡単な解決策は常にシールドを展開すること。

今回サンゴの攻撃でシールドが壊されることは無かった。

極端なことを言えば常にシールドを張っていればサンゴの攻撃は無視出来る。

まぁ、他にもっと強力な攻撃があるかもしれないから無闇に攻撃の的になるつもりはないけどね。



でも当然デメリットもある。

まずは魔法を使うことの消耗が増えること。

どのくらい疲れるかはやってみないと分からないけど、ずっと使ってると集中力も削られるから、いざというときの戦力が低下するかもしれない。

他には移動の速度が遅くなること。

水槽球の動きに併せてシールドを動かすのはけっこう難しいから、どうしても動きが遅くなっちゃう。

まぁ、探索しながらだと元からそんなに速く動かないからそこまで問題ないとも言えるけど。

シールドを展開する1番のデメリットは目立つ事なんだよね。

透明な水槽球でも大きくすると反応違ってくるように、他の生き物には魔法が見えているのかな?

高速で撃った水が相手の攻撃で撃ち落とされるのも動体視力がいいんじゃなくて魔法とか魔力とか私には見えていない景色を見ている疑惑。

そもそも私の視界って暗いところでもよく見える以外は人間の視界と変わらないんだよね。

多分こっちの方がおかしいよね?

まぁ、混乱しなくて済んで有り難いんだけどねー。


何の話していたんだっけ?

……そうそう、シールドのデメリットについてだね。

守りのために魔法で身体の周りを固めると安全だけどその分目立っちゃう。

戦車とか装甲車が街中で目立つような物かな?

ちょっと違う?

戦車だらけだったら逆に普通の車が目立つもんね。

あれ? つまり魔法を使う生き物も普段は魔法をあんまり使ってないのかな?

それで目立つの?

これもちょっと違うかな?

よく分からないなー。


でもあんまり目立ちたくは無い。

サンゴに対しては安全かもしれないけど、他にどんな生き物がいるか分からないからね。

目立って危険な奴に目を付けられても怖いもの。


ここは水槽球を強化する方向で考えよう。

そうしたらなるべく目立たずに今までよりも防御力がレベルアップ出来るはず。


うーん、水槽球って丸い水槽を元にしてイメージしているから、水槽球のイメージってガラスなんだよね。

まぁ、水槽球はガラスよりも丈夫な物になってるみたいだけど。

これをもっと頑丈な素材に変えてイメージしたら今よりも丈夫にならないかな?


頑丈だと鉄とか金属?

あんまり水槽って金属がイメージ合わないけど魔法だとどうなんだろ?

それとも強化ガラス?

名前だけでどこがどう違うのか理解してないけどとにかく普通のガラスより硬そう。

他には水族館なんかだとガラスじゃなくてアクリル板なんだよね、確か。

ものすごく厚くて丈夫ですごい水圧がかかっても割れないって聞いたことがある。

なんだか良さそうだけどこれもガラスとどう違うのか理解してないわ。

実際にあるものじゃなくて架空の物をイメージするって手もあるけど、今までの経験だとちゃんとイメージ出来ている方が魔法の完成度が高いみたいなんだよねー。


ん? あれ、強化ガラスとかアクリル板とかガラスとどう違うのか分からないけど、そもそも私って()()()()()()()()()()()いるのか?

説明する自信ないよ。

じゃあ強化ガラスやアクリル板のことがちゃんと分からなくても大丈夫なのかな?

銃弾だって実際に見たことないのに水鉄砲で銃弾の形の魔法を使っているしね。


家族で行った水族館……名前は思い出せないけどお父さんがいてお母さんがいて……今頃どうしているかな?

そうじゃなかった……気になるけど……水族館で、小さくカットされた水槽に使われているアクリル板が置いてあって実際に触ることも出来た。

あの時の感触を思い出して……水槽球をバージョンアップ!


さらに思い付いた事を実践。

アクリル板の内側付近の海水をジェル状になるようにイメージする。

衝撃を吸収してくれることを期待。


バージョンアップした水槽球は二重丸◎みたいな構造。

外側の丸がアクリル板をイメージの元にしていままでより防御力を狙う。

丸と丸の間は海水をジェル状にして衝撃吸収と外側を割られてもサンゴの攻撃みたいな弾を内側に入れないで受け止める役目を期待。

そして中心に私がいて周りは普通の海水。


うん、いい感じに発動していると思う。

実在しない物でもイメージ次第で創り出せるのが魔法の便利な所だね。


よーし、明日は探検2日目、サンゴにリベンジだ!

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