追放魔工師のもふもふ楽園開拓記~雑用係はもういらないとクビにされたのに今更仕事が回らないから戻って来いと言われましても。復興した獣人の村でもふもふ達と戯れるのに忙しいので後にして貰っていいですか?~

作者:ジャジャ丸
「仕事が回らないのは私じゃなくてそっちのせいでしょうがばぁーーーか!!」

 魔力が無いという理由から出世させて貰えず、雑用係として日々魔工師ギルドで下働きをしていたファミアは、ある日ギルド長からクビを宣告されてしまう。
 あることないこと自分のせいにされてキレたファミアは、最後の最後に言いたいことを好きなだけ言ってスッキリと職場を後にする。
 ちょっと言い過ぎたいせいか放たれた追手を適当にやり過ごし、コツコツと溜めた資金を元手に目指すは田舎で自由気ままなスローライフ!
 ひょんなことから獣人の子供達を助けたのを切っ掛けに、彼らの村で暮らすことになるのだが……。

「こ、これは酷い」

 家はボロボロ、道具もボロボロ、ついでに働き手であるはずの男達もみんなボロボロ。
 奴隷狩りに追われ這う這うの体で逃げだして来た獣人達の村は見事に存続の危機に立たされていた。
 密かに育んでいた動物好きの血を騒がせたファミアは、雑用係として培った知識と技術をフル活用し、彼らの村を再建していく。

「いや家一軒一人で建てるのは雑用とは言わなくない!?」
「こんな便利な道具初めて見た!」
「薬まで作って貰っちまって……ありがとう!!」

 獣人達に感謝されながら、彼らに囲まれもふもふを堪能する平穏な日々を満喫するファミア。
 一方そんな彼女がいなくなったことで仕事が回らなくなった魔工師ギルドでは、そんなことになっているとは考えもしないギルド長の手で王子肝いりという一世一代の大仕事を持ち込まれるのだった……。