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領域内に侵入者有り


タカ:準備やら会議やらばっかりで疲れる


ほっぴー:お前なんもしてねぇだろ


タカ:やれる事はやってるんだよなぁ


スペルマン:そういやログにガッテン氏の慟哭が残ってたけど


タカ:いつもの事じゃん


ジーク:つーかなんで徒歩?


タカ:後部座席でイチャつきすぎてパイロットから降ろされた説


ジーク:草






『警告。領域内にて侵入者を発見』







Mortal:ちょっと行ってくる


ほっぴー:おい待て殺すな


七色の悪魔:あの、先ほど情報が入ってきたのですが


七色の悪魔:ガッテンさんの乗っていたヘリと連絡がつかない、と


ほっぴー:は?


タカ:誰だよカプコン製のヘリ発注したの


スペルマン:だから徒歩か


紅羽:言えば迎えくらい行ってやるのになんでちゃんと報告しねぇんだあの馬鹿


タカ:そうだそうだ


ほっぴー:お前は絶対迎えにいかねぇだろ


ジーク:今もゲラゲラ笑ってそう





『侵入者が無事迎撃されました』





ほっぴー:おい


タカ:草


ジーク:迎撃されたのは草


Mortal:弱かった


七色の悪魔:ちょっと待って下さいマジでやっちゃったんですか


鳩貴族:すみません状況が飲み込めないのですが


Mortal:ドラゴノイドの素材要るひと


タカ:え?要る


Mortal:了解


ほっぴー:俺も状況飲み込めない。え?ドラゴノイド?


ガッテン:良かった、ようやく掲示板に顔出してくれたか


ガッテン:報告があるんだ






ガッテン:あの。反応くれないといい加減マジ泣きするんですけど


タカ:しょうがねぇな


ほっぴー:報告はよ


紅羽:てめぇ報告怠ったな。今度からやばかったらちゃんと詳細を話せ


ジーク:ガッテン、ドラゴノイド説マジ?


鳩貴族:ドラゴノイドガッテン……


ガッテン:勝手に合体させんな。てか迎撃って何だよ


ほっぴー:先に報告


ガッテン:はい……


ガッテン:いやなんか領域の外で何体かドラゴノイド見かけてな


ガッテン:なんか向こうの世界からこっちに逃げてきてる個体がいるっぽい


ガッテン:ヘリもその内の一体に撃墜された


ほっぴー:じゃあさっきの侵入者はそのドラゴノイドか


タカ:おい、どこに居たそいつら


ガッテン:いや領域の外


ガッテン:もう俺領域入ってていいか?それなりにダメージ食らってんだわ


タカ:勝手に入って休んでろ。俺は狩りに出る


ほっぴー:俺も行くわ。一階のエントランス集合な


ジーク:仕事疲れで眠気やばいんでパス


紅羽:ガッテン、ちゃんと名乗りながら入ってこい。迎撃される。モータルから


ガッテン:番犬が狂犬すぎませんか


Mortal:俺も狩るわ


タカ:んー……まぁ、女王がいりゃ安全だろうし、いいか


タカ:エントランス来い


Mortal:分かった











「主殿、久々にお呼びがかかって嬉しい限りです」


「おう、おっさん久しぶり」


「バンシー殿もお久しぶりです。相変わらずお美しい腹部で」


「あう!」


 エントランスでそんな会話をしつつ待っていると、ほっぴーがケンタウロスアマゾネスを連れこちらにやってきた。


「お、ほっぴー、来たか」


「来たぞ。モータルはまだか?」


「まだだな」


 ケンタウロスアマゾネスが少しかがみ俺のバンシーと何やらごにょごにょ話している。

 会話成立するのか?

 それともあうあう語を習得しているのだろうか。


「あうあうあ、あうあ、うう?」


「唐突に言語能力失うのやめてくんね?」


 おっと、つい。


「タカー、ほっぴー」


 そう言ってモータルが手を振りつつひょい、と猫のような身のこなしでエントランスに入ってきた。


「行こう」


「おう」「行こうか」


 三人は顔を見合わせた後、領域の外へ向け歩き始めた。













「なあ、砂漠の女王に頼めばワープさせてくれたんじゃ」


「それ到着してから言う?」


「タカ、ほっぴー、アレじゃない?」


 ん?


 ふと空を見上げれば、こちらに向けすぅう、と息を吸い込む動作を見せる一匹のドラゴノイドの姿。


「よしよし。アレ避けりゃ単なるカモだ。各自、散開!」


 ほっぴーの一声で全員が一斉にバラバラな方向へ散る。

 その直後、三人と三体が居た場所にドラゴンブレスが叩きつけられた。


「スナイプアロウ!」


「おい、モータル!空飛んでて倒しづれぇぞアイツ!どうやって倒した!?」


「領域内なら女王のアシスト入るから」


「……タカ!煽れ!」


 え?ああ、分かった。


「やーいやーい、ほっぴー、社畜気質~」


「俺じゃねぇよ!!!!上空で逃げ回ってるあのクソトカゲ野郎を挑発して地面まで誘導……うおおおお!?」


「誰がトカゲだ!撤回しろ、地を這う劣等……がふッ!?」


 馬鹿正直に突っ込んできたドラゴノイドの喉笛を短剣で一裂きする。


 ほい一匹、と。


 しっかし効率悪いな。


「紅羽かスペルマン辺り呼ぶか?」


「スペルマンは動画編集で忙しいし、紅羽は仕事だ!多分俺の分もやってくれてる!」


「マジ?俺も頼もうかな」


「燃やされる覚悟があるなら頼んでみろ!」


 そうやって俺達がギャーギャー騒いでいる間に、おっさんが手早くドラゴノイドを解体し素材を差し出してきた。


「お、やっぱSR魔物は素材がうまいな」


「おい、タカとモータル。素材は後で山分けすっぞ……タカ、持ち逃げすんなよ?」


 どんだけ信用ねぇんだよ。


「俺盗みとかやった事ねぇから」


「嘘が雑すぎる」


「タカ、俺の分あげるよ」


「モータル!あんまタカを甘やかすな!」


「いいぞ。もっと甘やかせ」


 俺がそう言うなり、脇腹に誰かから突進を食らった。


「あうぅうう!」


「お、どうしたバンシー。スキンシップか?はははは。痛い痛いやめてアバラいっちゃってるから」


 容赦なくぐいぐいと頬擦りをしてくるバンシーを適当にあやしつつ、モータルとほっぴーに向き直る。


「よし、狩り続k……がふッ!?」


「……ヒール」


 助かるぜほっぴー。











タカ:素材うめぇえええええええええwwwwwwww


七色の悪魔:あのー


タカ:あ、今帰宅しました


七色の悪魔:なんか今外に居るのって敵前逃亡した戦犯ドラゴノイド達らしいので全員殺して良いそうです


タカ:あっ


タカ:やっべぇな考えなしに狩ったけど魔王軍に喧嘩売っちゃう可能性もあったのか


ほっぴー:ねぇよ。ガッテンが撃墜されたつってんだろ。その上この近辺飛んでるとか敵だろ。普通に正当防衛だっての


タカ:せやな


Mortal:全部殺していいならもうちょいやってくる


鳩貴族:七色の悪魔さん、それはどこ経由で?


七色の悪魔:戦犯云々に関してはアルザからの情報です


紅羽:ミノタウロスに無理やりでもいいからドラゴンブレスのスキルつけてぇ


タカ:ザントマン二体につけてアヘ顔ダブルブレスやったれ


紅羽:ガチ火力ブレスをぶち込んでやるよ。今部屋だな?


ジーク:そろそろ一回燃やした方が良さそう


タカ:勘弁してください……


ほっぴー:ケツぐらい焦がしていいと思うぞ


タカ:勘弁してください……


タカ:……あの


タカ:紅羽さん?


タカ:さっきから反応ないんですけどー?


タカ:来てないよね?


タカ:ねぇ!?


タカ:ねぇってば!怖い泣きそう助けて!!!!!!


ガッテン:既視感やばい





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