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9章 下された判決 6話

 「忠告はしておくが、妙な気は起こすなよ。ここでどう暴れようとここまで数が揃った我々なら無傷で貴様を無力化する事など造作も無い。貴様がここから地獄に行く手段は皆無だと知れ」


 まるでジェイルの心を見透かしたかのような兵士の威圧的な言葉。


 腹案を見透かされた事に苛立ったジェイルはすぐ背後にいる兵士を軽く振り向き睨みつける。


 「貴様らは中央に立て」


 それにしてもどうにもならないのか? と思案するジェイルだがすぐ背後にいる兵士の指示に従い、言う通りに中央に立つしかなかった。


 ジェイルとオキディスが中央に立つと、修道着を着た女性たちが何やら祈り始めた。


 そして、ジェイルとオキディスの近くに居た兵士は門の前にいる三人の兵士の元へ向かう。


 「主よ。我らが主よ。この罪人達に安らかな死を。この罪人達に確かなる死を。闇夜と(けん)(らん)の星々に閉ざされた虚無の世界を顕現(けんげん)させる権能を我らに与えたまえ」


 祈り終ると、古代文字から眩い光が放たれ、部屋全体を照らす。


 思わず目を瞑るジェイルとオキディス。


 そして、ジェイルとオキディスの身体はキラキラとした白い(まく)(おお)われる。


 そのまま白い(まく)と一緒に()(ゆう)していくジェイルとオキディス。


 慌てて身体を動かしても白い(まく)の内側で()()く事しか出来なかったジェイル。


 すると、今度は円を描いている古代文字の中心のコンクリートが泥のように溶けながら古代文字の内側まで(かん)(ぼつ)するような穴が開く。


 底が見えない穴の先の闇を目にしたジェイルは驚く。


 そして、白い(まく)に包まれながら底が見えない闇の中に落ちて行った。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

九章「下された判決」はここまでです。

次回も引き続き書いていきますので是非ご一読してみてください。

また、感想などがありましたら書いていただけると幸いです。

宜しくお願いします。

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