龍人武闘大会に参加する1
( ・´ω・`)アルシャさんからの御依頼でございまふ
グラルを膝に乗せてうつらうつらと舟をこいでいるニールにアルシャが近づいてきた。
「おはようニール、グラルちゃん」
「あぁ・・・ふぁあぁぁっ・・・・おはようー、アルシェ嬢」
「おはよーアルちゃん、マスターに何の用かな?」
「今日はこの前の約束を果たしてもらうとするよ」
そう言って1枚の紙を取り出し机に置く、その紙には王都ヘリエステルにて武闘大会を開催しますと書かれていた。
「アルシャ嬢これは?」
「私からの依頼だ」
「依頼・・・?待ってくれ意味が分からないんだが」
「この大会に一緒に出てほしい」
「イヤです」
「あの時の約束を使わせてもらうよ」
「出るのはいいが。アルシャ嬢、目的を教えてくれないかな?」
「この大会の優勝商品が精霊の秘薬なんだ、あの子を助けるチャンスがここにあるんだよだから、お前にも手伝って欲しいんだよ」
「分かったよ、おじさんも出るけど優勝できるか分からんよ?」
「嘘をつかないで、お前が強い事はわかってる」
「おじさんは弱いよ」
「マスター、嘘わだめです?」
「グラル、いらない事言わないの」
ニールはグラルの頭をポンポンと叩く。
「まぁ、大会に出て善処するよ」
「助かるよ、では行こうか」
「え?」
アルシェは悪い笑みを浮かべている。
「用意はすべて出来ている、街の外に馬車も用意している」
「用意周到なことで」
「マスター、王都にいけるんですか?」
「行けるみたいだね」
そう言って膝に乗っていたグラルを下し、ニールは立ち上がり体を伸ばす。
3人はギルドから出て街の外に止まっていた馬車へと乗り込む、そして馬車は走り出す。
アスタロトから王都ヘリエステルまでは馬車で4時間ほどかかる、整備された街道を行くので揺れも少なく快適だった。
「マスター、アルちゃんこの乗り物遅いですね」
「グラルちゃんこれでも速いのよ」
「眷族呼びます?」
「グラルちゃん、眷属って・・・?」
「アースドラゴン!」
「やめて!そんなの連れて王都に行ったら大騒ぎになっちゃう」
アルシャにそう言われてグラルはしょぼんとしていた。
そんなこんなで王都についた。
王都はアスタロトとは比にならないほどすべてが大きく煌びやかでグラルが目をキラキラさせてすべてを見ていた。
「とりあえず大会の登録を済ませようか」
「そうだねぇ、しっかしにぎやかだねぇおじさん人酔いしそうだよ」
ニールは人の多さにげんなりとしていた、そして確実にはぐれるであろうグラルを持ち上げ肩車をする。
グラルはニールの頭にしがみつき、満面の笑みを浮かべていた。
「マスター高いです!」
「そうか、そこならはぐれる事はないだろう?」
「はい!」
ニールがグラルを肩車したのははぐれないためだけでなく、誘拐されグラルが怒りガイアドラゴンとしての力を使ってしまわないようにでもあった。
そして武闘大会本部に着いた、本部はギルドの一角を借りて作られていた。
「武闘大会にご参加のかたですか?」
「はい、登録をお願いしたいのです」
「そちらのエルフの方とそちらは?」
「自分は龍人ですよ」
「分かりました、お二人のお名前をよろしいですか?」
「はい、自分はニールと言います」
「私はアルシャ・エルヴァンシュだ」
「ニール様とアルシェ様ですね、これで登録は終わりです明日予選の対戦相手が発表されそのまま予選開始となりますので、闘技場に10の刻までにいらしてくださいね」
そう言って受付嬢はニッコリと笑っていた。
3人はギルドをあとにする、グラルはすでにニールの頭にしがみつきながら寝ていた、そして明日から始まる武闘大会に向け宿に向かうのだった。
( ・´ω・`)武闘大会はまだ続くよぉ( ・´ω・`)