龍人昔の話を少しする。
( ・´ω・`)こうシーンニールさんの過去を少し。
アースドラゴン騒動から数日たち町に平穏が戻っていた。
ギルドの待ち合い場にはいつものように机に突っ伏して寝ているニールの姿があった。
そしてニールの横の席にはグラルの姿があり数人の女性達に囲まれ、お菓子を与えられていた。
ここ数日でグラルはギルドのマスコットの様な物になっていた。
「グラルちゃん、このお菓子も美味しいわよ!食べて!」
「あぁん、グラルちゃん可愛い!連れて帰りたいわぁ」
「イヤです!私はマスターから離れません!」
そう言って突っ伏してるニールを無理やり起こし、その膝に強引に座った。
「おはよう、グラル何で膝に座ってるんだ?」
「おはようございます、マスターここがいいのです!」
「おじさんが眠れないんだよ?」
「起きててお話しましょう!」
グラルは元気いっぱいに、ニールに笑顔を向けていた、その姿を見てグラルを囲んでいた女性達は渋々散って行った。
ニールはため息を吐き、それに応じ色々な事を話していた。
「そういえば、リテリアはどうしてる?」
「リテリア様は今特訓中ですよ」
「何でだい?」
「勇者様がこの世界に来たときには私がお供するんだ!といっていましたね」
「そうか」
勇者という言葉にニールはふと思い出す、1度目の生の最後の記憶異世界から来た女の勇者に殺される直前に交わされた会話。
今思い返すとあの女は会話をしたのではなく、この3度目の生までの因果を確定させる行為だったと。
「因果確定の能力か・・・全く、勝てないはずだよ。なぁアサヒナ」
ニールは小さく呟いていた。
「マスターどうしたんですか?」
膝に座っていたグラルが不思議そうな顔をしてニールの顔を覗き込んでいた。
「昔を思い出してたんだよ」
「昔ですか、私と会った時のことですか?」
「それよりもっと前のことだよ」
「前・・・ですか、教えてくれませんかマスター?」
ニールは苦笑いをしながらグラルの頭を撫でる。
「グラルとで合ったのは白の時だったな」
「はい!白くてキラキラしていてとても綺麗でした!」
「そうか、その白の前におじさんは黒として生きて居たんだ」
「黒ですか・・・」
「そうだ、黒龍魔王ファフニールだな、1代前の魔王だったんだよ」
そういったニールの顔は少し寂しそうだった。
「まぁ、なんだ、魔王としておじさんは龍族以外のすべてを敵に回し戦ったよ、戦い続けて最後に異世界から来た勇者と対峙したんだよ、そしてその勇者に殺される前に話したんだ、そして止めを刺されたんだよ」
ニールは泣きそうになっているグラルの頭を、優しくぽんぽんと叩いていた。
「まぁ、おじさんにとっては良い思い出だからね」
ニールはグラルの頭を撫でていた。
そんな話をしているとアルシャが近づいて来たのだった。
( ・´ω・`)次回は幕間ですー
ニールさんの名前はファフニールさんです