龍人家出ペットを迎えに行く
( ・´ω・`)なかなか長くなりました。
その日ギルドは騒がしかった、街の近くの森にアースドラゴンが現れたからである。
そんなときでもニールは騒がしいなぁーと思いつつ、他の冒険者やギルド職員が慌てふためいているところを眺めていた。
そんな彼に受付嬢であるレミーが近づいていく。
「おはようございますニールさん、貴方に手紙が届いてますよ」
「レミーちゃんおはよう、おじさんに手紙なんて珍しいなぁ、ありがとう」
レミーから手紙を受け取り読み始める、手紙を読み進めるニールの顔がどんどん険しくなっていく
「レミーちゃん、今この街で何が起こってるか教えてくれる?」
「今はこの町の近くのエンジュの森にてアースドラゴンが現れているらしいです」
「らしいってのは?」
「まだギルドで確認されたわけではないのですが、幾人かの冒険者が目撃したらしいです!」
「そうかぁ・・・」
「どうかされたんですか?」
「いやぁね、なんか実家からペットが逃げ出したらしいのよちょっと探してくるよ・・・・」
「え?、緊急招集がかかるはずなので、ここで待っててくださいよ!S級のモンスターなんですよ?」
その言葉にニールはけだるそうな顔をして応える。
「ごめんねぇ、それでもアレを放置するのはちとやばいんだよねぇ、だからドラゴンの方はこの街にいるA級S級さんに任せるよ、どうせおじさんがいたとしても戦力にはならんだろうしねぇ」
そう言ってニールは黒と白が螺旋状になっている尻尾をうねうねとうねらせながら、ギルドの出口に向かう、そこにA級の冒険者チームが入ってくる。
「おやおや、誇り高き龍人様のニールさんは怖くてお家に帰るんですかね?」
そのA級チームはニールに余り良い感情を持っておらず、ニールを見つけては無駄に絡んでくるのだった。
「いやぁ、急用ができましてね、ドラゴン討伐に自分のような弱者が加わるのもなんですし、私用を優先させていただきますよ、それではアークナイツの皆さんごきげんよう」
そう言ってニールはアークナイツの横を抜けギルドから出ようとする、だがアークナイツの1人がニールの腕を掴む
「逃げるんじゃねーよ、俺達の肉壁としてついて来いよ!」
そういうと他のメンバーがそりゃぁいい、と笑い始める。
だがバスンという重たいものが床を叩きつけた音が響く。
「すまんがねぇ、たかがアースドラゴンなんかどうでもいいんだよ、おじさんの邪魔しないでくれるかい?小僧共」
ニールの瞳が人のものから龍のものに変わり威圧するように声を発する、その声にアークナイツだけではなくギルドに居た全ての人間が背筋を寒くするほどの威圧がこめられていた。
そこに1人の碧髪のエルフの女性がやってくる。
「おやおや、誰がニールの機嫌を損なわしているんだい?この街がなくなるじゃないか」
「アルシャ嬢か、アークナイツの面々がねぇおじさんの私用を邪魔しようとしてねぇ」
アルシャはニールに耳打ちをする
(アースドラゴンよりやばい私用なのか?できればお前にも討伐に参加して欲しいのだがな)
(やばいねぇ、アレはアースドラゴンがSならss以上だからねぇ)
(なら仕方がないか)
「アークナイツ、君達も準備をしなければならないんじゃないかい?」
アルシャの言葉にアークナイツの面々は頷きその場を離れる。
「すまんな、アルシャ嬢」
「気にするなお前のやる事を優先しろ、此方は私がいるからどうにかなる、この借りは今度一緒に依頼を受けてくれるだけでいいよ」
その言葉にニールは少しいやそうな顔をした。
「まぁいいか、今度付き合うさじゃぁ行くよ」
そういってニールは街の外にでてサーチの魔法を使う広範囲で2つ大きな魔力を感知する、1つは森の方にありもう1つは平原に魔力を感知した。
「森はアースドラゴンか・・・平原のほうかぁ、懲らしめないとねぇ、全く手のかかる子だ」
ニールは平原に向けて走る森のように障害物の殆どない平原は走りやすくすぐトップスピードになり、平原の中心に大きな物体がいるのを見つける。
その物体が大きなドラゴンだという事が確認し近づき話しかける。
「はぁ、全くあそこから抜け出した上に配下の1匹を連れてここまで来るなんてなぁ」
そういうニールの顔は引きつっており両腕が白い鱗で覆われていた。
ドラゴンはその言葉に振り返る、そこには鬼が居た。
「マスター・・・?」
巨大なドラゴンは恐る恐る人の声を発する、その声は幼い女の子の声だった。
「お前が実家から抜け出したって手紙を今朝読んでな、こうして迎えに来たわけなんだよ」
「ご・・・ごめんなさい、マスター」
ニールは怯えながら謝るドラゴンを蹴り上げそのまま腹に1発拳を打ち込んだ、ドラゴンはぴくぴくと痙攣し悶えていた。
「はぁ、お仕置きはこれでお終いだ」
そう言ってニールは回復魔法をドラゴンに使う。
「ありがとうございます、マスターそして本当にごめんなさい、会いたかったんです」
「グラルもういいよ、怒ってないしなそれに何も言わずに出て行ったおじさんも悪かったよ、ごめんな」
そう言ってグラルの頭を撫でる、グラルは目を細め気持ちよさそうにしていた。
「グラル、アースドラゴンに今すぐここに来るように命令できるか?」
「出来ますよマスター」
グラルは森にいるアースドラゴンに来るように念話で伝える、そして数分後ズタボロになったアースドラゴンがやってきた。
「アルシェ嬢が本気だったか・・・すまないなグラルに付いて来たんだろう?」
「グルゥゥ」
アースドラゴンは力なく頷いた、そんなアースドラゴンに回復魔法を掛け頭を撫でる。
「グラルは俺の傍に置いておくと実家に伝えてくれるか?」
その言葉にグラルは表情を明るくしアースドラゴンは頷き翼を羽ばたかせ飛び立っていった。
「じゃぁ、グラル街にもどるか人化できるよな?」
「はい、マスター」
グラルの身体が光だし小さくなってゆくそして光が収まるとそこには角と尻尾を生やした少女が居た。
「年相応の容姿だな、行こうか」
「はい、マスター!」
2人はアスタロトの街に着いた、街はお祭り騒ぎだった、アースドラゴンを撃退し平和を取り戻したためだった。
ニールがギルドの戸をくぐる、するとアルシャが掛けて来た。
「私用は終ったのか?」
「アルシャ嬢終りましたよ、ほらあいさつしなさい」
「私、マスターのペットのグラルですよろしくお願いします」
その言葉にアルシャから殺気が放出される。
「アルシャ嬢、流石におじさんも人化したら少女になるとは思ってなかったんだよ」
ニールはそう言って小さな声で耳打ちする。
(彼女はガイアドラゴンなんだ)
その言葉にアルシャは冷や汗を流す。
ガイアドラゴンはアースドラゴンの上位種でモンスターランクはおよそSSSであった最強の種であるドラゴンの上位種は伊達ではなかった。
「まぁ、おじさんと一緒にいるときは大丈夫たど思うから、仲良くしてあげてよアルシャ嬢」
ニールはそう言ってギルドを後にし、グラルを連れて自宅に戻るのだった。
( ・´ω・`)竜人幼女可愛いよねぇ、グラルは娘枠な感じです。
アルシャ嬢はS級冒険者なのです。