2.5.新しい技能を開発しました
【新しい技能を開発しました】
は?
…………え、は?
ごめん天の声さんもう一回言ってもらえますか?
【…………】
いやなんとか言えよ!
え、てか新しい技能ってなんだ!? 俺なんかしたのか!?
ス、ステータス! ステータスをだせ!
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名前:
種族:水蛇
LⅤ :1/30
HP :29/69
MP :58/121
攻撃力:70
防御力:98
魔法力:101
俊敏 :59
―特殊技能―
『天の声』『希少種の恩恵』
―技能―
攻撃:『剛牙顎』『追跡』『毒牙』『連水槍』『多連水槍』『水流剣』
魔法:『クリエイトクレイ』『操り霞』『無限水操』
防御:『水流結界』『水盾』
回復:『吸収』
特異:『発光』『土壌浄化』
自動:『悪天硬』『水泳』
―耐性―
『眩み』『強酸』『爆破』『腐敗』『視界不良』『盲目』
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攻撃系技能に『多連水槍』、防御系技能に『水盾』が追加されているだと……!?
お、俺が何をしたっていうんだ!
いや嬉しいんだけど釈然としないんだよ!
技能開発ってめちゃくちゃ時間かかるものじゃないんですかぁ!?
こ、こんなに簡単に手に入っていいのかよ……。
……詳細は?
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―水盾―
水の玉を周囲に展開させて自動的に敵の攻撃を防御する技能。
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―多連水槍―
5本以上の水槍を同時に操って攻撃する技能。『連水槍』の熟練度に伴い攻撃力が変わる。
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多連水槍はわかる。
二十本動かしたからな……めっちゃごっそりMP持っていかれたけど。
あんなの三分持てば上出来だ。
だけど水盾がわからんな……別に水で攻撃をガードした記憶は……ないぞ?
うん。一回起動してみよう。『水盾』。
起動してみるとすっぽりと体が覆われるほどの水の塊が出現した。
しかし、すぐに分裂して五個ほどの粒となり周囲を周回し始めた。
攻撃してくる相手がいないから、これがどの程度の性能なのかはわからないのが残念だ。
しかし……やはりこの技能が出現した条件がよくわからない。
どう思い出してみても防御をした覚えがないのだ。
何か条件があるのは間違いないはずなのだが……わからん。
ま、いいか。とりあえず便利そうだし。
自動で防御してくれるってめちゃくちゃありがたいな。
こっちは攻撃に集中できるわけだ!
てなるともっと高火力な技能を見つけ出さないとな!
こんな簡単なことで技能が取得できるということもわかったし、やはり実戦は良いな。
よーし! では、先ほどから隣にいるこの鳥を食す!
あ~料理したい。せめて火を通したいなぁ!
火を扱えるような技能が一刻も早く欲しいです。
料理に火は欠かせませんよ……。
でも今水系技能ばっかりだからなぁ。
ふっ……俺は水のスペシャリストにでもなろうかな。
津波! とか水弾波! とか名前つけれたらいいのにね。
なんかどれもこれも無限水操で作り出せそうなのが怖いよな。
てか無限水操ってそのためにあるんじゃないの? 違うの?
ほかにもなんか考えてみよっかな。
俺はあーでもないこーでもないと考えながら鳥をすべて平らげた。
超薄味だがそれでもおいしいのには変わりない。
完全に血肉だが蛇にはこれがおいしく感じるのかもしれない。
鳥をすべて平らげたが、レベルはMAXにはならなかった。
必要経験値の量が前回よりはるかに増えているようだ。
結構強い鳥だと思っていたのだが……これは簡単に進化できそうになくなってきた。
狩りの頻度を上げておいた方がよさそうだ。
さ、帰ろう。
…………あれ、帰り道どっち?
耳を澄ませても滝の音は聞こえない。
川の音も聞こえないので、ずいぶん遠くまで運ばれてしまったようだ。
このままではせっかく作った家に戻ることができなくなってしまう。
あの激戦の中で帰り道を覚えておくなどという余裕は一切なかったので仕方がない。
どうにかして帰る方法を見つけよう。
地面を走ってきたわけではないので足跡や景色などは一切頼りにならない。
ということで、水の玉を出現させて上空へと運んでもらうことにする。
上から見れば一発だ。
すぐに帰り道が見つかるはずである。
だが、先ほどのように敵に襲われては厄介なので実験を兼ねて『水盾』を展開しておく。
これなら奇襲を受けることはまずないだろう。
ちなみに抉られた傷だが……治っていない。
食事をして回復したかと思っていたのだが、どうやら回復と再生は別物らしい。
回復では止血することはできても肉を元に戻すのは出来ないようだ。
今の俺では、自然回復を待つよりほかになさそうだ。
痛みがまだ残っているっていうのが辛い。
多分再生技能を手に入れたら吸収を合成して、回復も再生もできるようにするのが普通なんだろうなぁ。
てか再生技能を持ってる生物ってなに? プラナリアですか?
嫌だぜあんなのになるの。退化してるしな……。
生物ですら珍しそうな技能なのに、人が回復系技能を使えるようになるのはもっと難しいのではないだろうか。
上空に上がって周囲を見渡してみると、木が生えていない開けた場所があった。
それは細長く何処までも続いているため、あれが川であるということはすぐにわかった。
お! 滝発見!
よかった~帰り道わかった~。
なんか今日は疲れたから帰ろう……苔の上で寝たい。
ってそうだよ! 苔! 水流剣で切り取って無限水操で動かしたら持って帰れるんじゃね!?
うおおおお! リフォームじゃああああああ!
そのままの高度を維持したまま、滝のほうへと直進する。
やっぱ便利だなこれ。ていうかこれ技能にならないんですか?
……ん? もしかしてこれが水盾の元……? なのか?
そこんところどうなんですか天の声さん。
聞いても返信はなかった。
質問の仕方が悪いのだろう。
…………クッソ。辞書め。
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