1.15.技能確認
まずは俺のステータスを教えてあげることにする。
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名前:
種族:レインバス
LⅤ :7/10
HP :42/46
MP :49/58
攻撃力:39
防御力:49
魔法力:12
俊敏 :47
―特殊技能―
『天の声』『希少種の恩恵』
―技能―
『牙顎』『発光』『部位強化(硬)』『身体強化(雨)』『水流操作』
―耐性―
『眩み』『強酸』
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お! ステータスにちゃんと名前が記載されている。
俺、本当に名無しだったんだな……多分零漸も同じようにステータスに名前が記入されているはずだ。
しっかし……後レベル3で進化が可能なのか。プランクトンだけしか食ってねぇぞ。
まぁ希少種の恩恵のおかげなのかもしれないが……なんせレベルが上がりやすくなる特殊スキルだからな!
これがなかったらレベルはなかなか上がっていなかったかもしれない。
数字がないからいまいち実感はないが。
改めてステータスを見てみると、やはり俺はMPが多い傾向にあるな。魔法力自体は弱いが……。
でもいろんな技能を試してみてわかったけど、どれもこれもMPの消費が激しい。
技能を一回使うだけでも5くらいは消費してしまう。
それに維持をしようものならもっとコストがかかる。
ぶっちゃけ100あっても足りないと思う。
これから進化していく度に技能を取得していくんだから、それを使うのにもやはりMPは必要になるだろう。
技能の合成ができるのが救いだが、結局強力な技能になるのでコストがまた多くなる。
そして最悪なのがMP切れ。MP切れを起こすと完全に動けなくなってしまう。
これは身をもって体験しているので、俺自身が一番よくわかっている。
結論としては、MP大切。
MPが上がりやすい傾向にあって安心している自分がいた。
もう二度とMP切れは起こしたくないのでどんどん上がっていってもらいたい。
このことは零漸にも教えてあげておいた方がよさそうだな。知っているかもしれないが。
『応錬さん。結構すごい技能持ってるんですね……じゃ! 今度は俺のステータス読み上げますね~』
『おう、頼んだ』
一ヵ月間一人でいたとは言っていたが……流石に技能は持っているだろう。
あまり俺みたいに動き回ってはいないようだったから、進化の回数は少なそうだが。
零漸はゆっくりと自分のステータスを読み上げて教えてくれた。
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名前:
種族:ブロックフィッシュ
LⅤ :7/10
HP :50/50
MP :40/40
攻撃力:14
防御力:180
魔法力:19
俊敏 :15
―特殊技能―
『地の声』『大地の加護』
―技能―
『部位強化(鋭)』『部位強化(硬)』『吸収』
―耐性―
『孤独』『爆破』
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ぬぉお!!? 防御力たっけぇ! なんだこの動く壁は!
最終進化先が亀だから防御力は高めなんだろうな……攻撃力と俊敏が絶望的だが。
てかこいつどうやって攻撃するんだ……?
MPもあまり持っているとは言えないし魔法力も低い……いや、俺よりは高いから進化していけば魔法力が高くなるのかもな。
てことは物理攻撃はせず、魔法攻撃で戦っていくスタイルになるのかな?
その辺考えると俺は魔法の連発……どっちかと言えば技能の連発と維持に向いているのかな。
あと俊敏も結構ある方だと思うし攻撃力もある。防御力はこいつほどはないけど……。
あれ? 俺って結構万能型か?
MPがちょっと高いくらいで何かに特化してるっていうわけではなさそうだしな。
あんまり特徴的なものがまだ出てきてないし、戦闘スタイルはまだまだ考えなくてもいいか。
よし、均等に技能を使い分けて戦うようにしてみよう。
実戦あんまりできてないし、器用貧乏になりかねないしで不安だけど。
えっと、零漸の技能で知らないものがいくつかあるな。
『地の声』は俺の持っている『天の声』とさして変わりがないようだから省略。
まずは特殊技能の『大地の加護』からだな。
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―大地の加護―
立っている土地の性質を読み取って自らの力にできる。
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強っ。でもこれ水中じゃ意味なさそうだな。
実際それらしい技能も持ってないようだし……宝の持ち腐れになっている。
早く陸に上がれるようになってこの技能を存分に生かしてもらいたい。
次は技能だが……『部位強化(鋭)』と『部位強化(硬)』は知っているので、『吸収』だけ教えてもらおう。
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―吸収―
自然回復能力。ただし使用する場合はMPを大量消費する。
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なんだこれ羨ましい! 戦闘中めちゃくちゃ重宝する技能じゃねぇか!
うわぁ~~~これ欲しいな。絶対欲しいな。
獲物の肉を食べれば体力は回復するけど、手強い相手だと、こういう自己回復能力が必須になってくるはずだ。
精神統一とかしてたら技能もらえないかな。無理かな。
で、えーっと……もう俺ここから先聞きたくないんだけど聞かなきゃダメ?
耐性『孤独』とかもう勘弁してくれよ。どんだけ攻めた立て続けたら気が済むの。
めっちゃ……めっちゃ聞きづらい。
『で! 最後の耐性の詳細なんですけど……』
零漸……! 聞きづらい所をお前のほうから教えてくれるとは……!
有難う。俺はいい仲間を持った。
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―孤独―
一人であることに慣れることができる。一人行動をするとき、技能を取得しやすくなる。
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―爆破―
爆発に耐えることができる。耐えることのできる規模はLVによって変わる。
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いやすげぇな孤独耐性! 教えてくれてありがとう!
うわぁ~これいいなぁ。…………ん? そう言えばこれ自分で獲得した技能になるよな?
進化で孤独耐性とか手に入れることできなさそうだもん。……零漸すげぇな!
爆破耐性は……これは流石に進化で取得した技能か? 爆発する魚なんて見たことないし。
『なぁ、この爆破耐性って……』
『これですか? ブロックフィッシュに進化したときにいただきましたよ』
やっぱりそうだった。爆発する魚なんていたら俺はそいつにあった瞬間、すでに死んでいる。
この防御力で耐えきれる気がしないもん。
まぁ水の中であれば水流操作で何とかなりそうではあるが……。
水の中ではこの水流操作最強なのでは? MP消費激しいけど。
『あれですよね。技能って自分で取得するの難しいんですよね?』
零漸は少し興奮気味に聞いてきた。ついでだし、技能合成のことも教えておいてやろう。
この技能を見る限りやったことはなさそうだ。
『そうだな。訓練しても技能はもらえるようだが、それが技能として不十分だった場合はもらえないらしい。あと零漸は技能合成知ってるか?』
『え! 技能って合成できちゃうんですか!? ゲームみたいで面白そうっすね!』
やっぱり知らなかったか。
俺は牙顎が『部位強化(鋭)』と『大口』の合成技能だということを教えてあげた。
零漸は聞いたのだから早速やってみたいと言っていたが、合成する技能は慎重に選べと釘を刺しておいた。
合成した技能は強化される代わりに消失してしまうからな。
『ん~~~……爆破耐性っていらないんですよねぇ』
『確かに水中だとほとんど意味ないな。そういう魚もいないし、水中だと爆発する範囲も大幅に減るだろうし』
『じゃあ~爆破耐性と……技能の部位強化(硬)を合成……』
『いや、耐性と技能で合成はできないだろ』
『あ、できた』
『なにぃ!?』
できるんかいっ! ほんとに不親切だな天の声! 地の声も教えてやれよ!
こいつらマジで辞典だ。聞かなきゃ教えてくれない。補足説明とかで教えろや!
零漸が合成した技能は『部位強化(爆硬)』と変化したらしい。
そして分かったことが一つ。
耐性と技能を合成するとき、その合成技能を耐性にするのか、技能にするのかを選べるようだ。零漸は技能に回したようで、耐性から『爆破』が消失し、技能に『部位強化(爆硬)』が追加されたようだ。
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―部位強化(爆硬)―
自分の体を固めると同時に中確率で爆破属性を付与する。自身に爆破の被害が及ばないようにするため、一時行動不能になる。
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部位強化(硬)では体の一部だけの硬化だったが、こちらは全身を硬化することができるらしい。
それも爆破属性付き。
だがその代わり身動きが取れなくなるようだ。
完全にカウンター型の技能だ……恐ろしい……。
これも水中ではあまり意味をなさないだろうが、陸に出ればすぐにでも実践に持っていけそうだ。
『お前のおかげでまた新しいことを覚えれたよ』
『まじですか! 俺役に立ちましたか!?』
『十分すぎるほどにな』
零漸はクルクルと回って嬉しそうにしている。
前世ではあまり褒められるということがなかったのだろうか……諜報員だもんな。
…………よし、しっかり褒めちぎってやるからな。
さ、技能の確認も終わったし、そろそろ獲物を探しに行くか。レベル上げだ!