三話【私は転校生】
今回は美佐視点です。
「美佐、着いたわよ」
お母さんが私の体を揺する。
「う…ここが新しい家なんだ…」
私は嬉しいような悲しいような気持ちに
襲われた。今回で何回目の転勤なのだろう…
お父さんは、教師の仕事をしているため
転勤が激しく、引っ越す事にもう慣れてきた。
私の父はもうこの地区の高校で働いていて
教師をやっているため、もうこの家に住んでいる。
また私はあの決まり文句を皆に言われる事になるのか…
絶対どこの高校にいっても聞かれる事がある。
「橘先生、あなたの父親なの?」
私はこの言葉が嫌いだ…たぶん、
今までで二番目くらいに呼ばれたくない。
この受け答えはめんどくさいし
とても恥ずかしくなるからだ。
はぁ…また言われるんだろうな…
私は今日からここに住む事になる。
どこにでもある…ありふれた家だ。
「じゃあ、お母さんちょっとここら辺散歩してくるね」
私は下見に必ず地域は歩くようにしている。
早めに覚えておきたいからね。
■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
私は歩いていると公園を見つけた。
へぇ…ここら辺って公園あるんだ。
前に住んでた所は公園なんてなかったから
見に行ってみようっとっ
私が公園の敷地内に入って行くと
ベンチで寝ている男の子を見つけた。
顔はすらりとして、スタイルもいい。
スタイルってそっちの意味じゃないからね。
ここは起こしたほうがいいよね?
「起きてください! あのぉこんな所で寝ていたら駄目ですよ!」
ちょっと上から目線の態度だったかな?
彼は目を覚ました。すごいかっこいいな…
彼はいきなりはなしかけられて
何を口にしていいか困っているようだった。
「そんな所で寝ていると風邪引きますよ」
私は丁寧口調で笑顔で言った…と思う。
彼は言葉を見つけたかのように私に言った。
「えーと…君は誰だい?」
「私の名前は橘亜美と言います。今日引っ越してきたばかりなので
よろしくおねがいします。」
自己紹介は慣れてるんだ。また明日学校に転入する時
いう事になるからね。そしたら彼は、
「なんで引っ越して来たの?親の都合?」
「いや…違うんですけど…」
本当は彼の言っていることはあっているのだが
咄嗟に私は嘘をついてしまった。
そして私は無愛想に言ってしまったため
気まずい時間が流れる。
「じゃ…じゃあ俺帰るんで…」
「はい…また会えるといいですね」
「そうですね」
そして彼は手を振りながら公園から出て行ってしまった。
そういえば…名前聞いてなかったな…
また彼公園に来るかも知れないし
その時に聞いてみよう。
----今度といわず明日にすぐ会うことも知らずに----
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ありがとうございます。
頑張って面白い作品を作れるように頑張っていきます