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六話【共通する過去? 前編】

受験勉強が忙しくて更新が遅くなるかも知れません。

……感想をいれてくれれば少し早くなるかも……(笑)

 

 「――――そういうわけで革巻、お前には我が妹の夕菜とデートをしてほしいわけだ」

 開口一番。俺は教室で、劉蜂の一言で固まった。

 そういう訳って何だよ! どういう意味?

 「ごめんな、劉蜂。俺の矮小な脳じゃお前が何を言っているのか意味が分からん」

 「じゃあ、今週の土曜日。甲州駅の時計台の前に妹がいるから~♪」

 それだけを言い残し劉蜂は去っていった。あの野郎……! 絶対俺の発言に

 耳を傾けようとはしないのか!?


 俺は、溜息をつきながら、携帯を見つめた。

 早速だが、あの夕菜って子のデート先を決めなければいかんしな。一応俺男だし……

 何故か知らないが橘と劉蜂とで俺に臨機応変能力が身についてしまったらしい。

 ……べ、別にデートを気にしてる訳じゃないんだからねっ!

 …………俺キモッ死ね!

 自分で言って物凄い吐き気を催した俺だった。



 そうして日曜日。デート当日。

 くそ! 妙に緊張して眠れなかったぜ……!

 という事は全く無くぐっすりと眠り、元気溌剌状態だ。

 すると俺の後方から声が聞こえてきた。

 「お兄ちゃん! こんにちは!」

 その声の主は――――あの時俺が助けた少女だったのだが――

 その姿を見た時……俺は不覚にも心臓がドキッとなってしまった。俺に電流走る……!

 単純な一言感想。


 『可愛い』そう言わざるを得ない……!

 「とりあえず行こう……その……夕菜さん?」

 おい! 何俺敬語になってんだよ! 相手は中学生だぞ!?

 「お兄ちゃん! 私の事は夕菜でいいから!」

 「お、おう。ゆ、ゆうな? とりあえず何処か行こうか?」

 「うんっ何処行くの~」

 辞めてその上目使い……俺やばくなるから、色々と。

「じゃ、じゃあファミレスへ行こうぜ。昼は食べたか?」

「ううん。まだ食べてないよー」

「じゃあ行くか」


 ファミレスの中はカップルや親子連れやカップルなど大勢の客がいた。

 適当に俺と夕菜は『えびドリア』。俺は『たらこスパゲティ』など無難なものを注文した。

 「あのさ……いきなりなんだけど、俺怖くないの? ピアスとか金髪なんだけど」

 とりあえず会話を振ってみた。

「全然怖くないよー。……だってお兄ちゃんは私を助けてくれたじゃん!」

「そ、そうか? ならいいんだが」

 

 というか気になったんだが……これ傍から見たらヤンキーが可愛らしい中学生をファミレスに……。

 うげ。考えるのは止そう。色々ときつい。

「ねぇあの時さぁ……。何で夕菜を助けてくれたのー?」

「あぁ。あれか? えーとなー……。恥ずかしい話なんだが、俺昔虐められててな。そういう光景を

目にするとちょっとカっとなるというか」

 俺がそう言った時、夕菜はスプーンと止め、エビドリアを食べるのを辞めた。

「そ、そんなんだ……」

「まぁそれも昔。この前も他校の生徒に喧嘩売られたから、全員病院送りにした。そんでもってその中の一人が通報して俺は停学処分。これは劉蜂から聞いたか?」

 夕菜に聞いてみるが、返答は帰ってこない。……まぁこの話を聞いて明るくなれる訳も無いか。

「……も」

 下を向きながら小さな声で言う夕菜。その声は悲しそうだった。

「私も……小学校の時虐められてたんだ」

 夕菜は搾り出すように声を出す。――――夕菜は泣いていた。


 

 


 

受験勉強全然できなかったよ…orz

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