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二話【昔の私と同じ彼】

更新遅くなってすいません。


たぶんこの作品は不定期更新になると思います。


この空気を切り裂くかのように教室に来訪者が現れた。


その彼の雰囲気は誰も寄せ付けない虚空を見つめた表情。


その風貌から私は悟った。

    ・・・・・・・・・・

彼は----私の昔の姿と同じ事を。


人を寄せ付けないような眼光。その眼からは近寄るなと言っているようだった。


私は意を決して話しかけてみた。


「お、おはよう」


私の言葉に彼はいささか吃驚したようだったが、


「あぁ....おはよ」


彼はただそれだけ言うとだるそうに自分の席に戻り音もたてずにゆっくりと座った。


そして私は小声で大和君に囁く。


「(ねえ大和君....あの子は誰なの?」


「(あいつは……美佐が来る前に停学になってた革巻杭一。


今日停学が解けたんだよ)」


「(何で停学になったの?)」


「(俺も良くは分からないが……祐二が言うには暴力沙汰らしい。


他校の生徒を病院送りにしたとか。)」


私はそうは思ってなかった。ただの不良の喧嘩だと言えば解決するかも知れないけど


革巻君には必ず事情がある。そう思っている自分がいる。


彼の外見は強がっているが全く中身が無い。


絶対に……なんかあるに違いない。


でも何で私は、彼の事を思っているのだろう。


理由はすぐに分かった。


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やっぱり彼は昔に似ているから構いたいんだな。


だから彼を助け出してあげたい。


「大和君。今日時間ある?」


「あぁ……無いけどどうした?」


「少し付き合って欲しい」


とりあえず革巻君が停学になったかの真相を解かないと。

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