前へ次へ
21/34

十九話【事件の真相前編】


「あんた正気? 殺されちゃうかもしれないのよ!?」



加奈は顔を強張らせて俺に言う。



「……今はそんな事を言ってる場合じゃないんだよ」



階段の所には、一人の敵が居る。


……一人位だったら行けるか?



「とりあえず百合華と夕菜は頼んだぞ夕菜」



「……あぁわかりましたよ! これだけ言っとくわ……死なないでね」



「それは大丈夫だ。俺も死ぬつもりなんてさらさらない」



そして俺は下へ進む階段の方向へ進む。



「オイ……オマエコレイジョウイクト……」



俺はそいつが言う前に顔に蹴りを食らわせてやった。

……もちろん本気だ。本気で気絶させないとやばいからな。

よし……気絶はしてるな。



「あの……すいません。誰かこいつから銃をとって



縄で括り付けといてくれますか?」



俺は屋上にいる人達に声をかけて俺は階段を降りて行く。

……廊下を見渡す限り…いないか…

俺はどんどん進む。

そもそも敵は何人だ? 俺がみる限り

進行役の奴はグルで敵。

そして三人いた。

という事は四人か…

加奈にはかっこつけて来たけど

あいつ等銃持ってるんだよな……

二人で来られたら俺もやばい……な。

俺はその後もある程度目処をつけて探したがいなかった。

残すは一つ……用具室だ。


俺は勢いよく用具室の扉を開ける。


そこには縛られた二人の少女がいた。


やはり思ったとおりだ……


おまけに二人の敵がいた。


男か…? 今はそんな事はどっちでもいい。


とにかく……美玖と美佐が無事でよかった。


そして一人の奴が俺に銃を向けながらこう言った。



「オイオマエ! ソレイジョウウゴクト……」



そいつが全て言い終わる前に思いっきりそいつを殴った。



俺の腕が折れてもいい位と言う位思いっきり。



……久しぶりだな……この感覚は……


・・・

あの日程じゃないが……



俺は久しぶりにきれてる。



折角美玖と美佐と皆で楽しもうと思ったのに。



……全て……打ち壊しにされやがった。



俺は殴った奴の顔を確認しないでもう一回殴ろうとした時



「オイ! ヤマト! モウヤメテクレ! モウナグラナイデクレ」



こんな奴を殴っても俺の心は晴れない。



「おい……そこのいるやつ……」



「ヒッヒィッ」



もう一人の奴は悲鳴をあげた。



……それ程までに……俺の顔はやばいか……



「俺を撃ってみろよ。撃てるもんならな」



「ス、スイマセン! ユルシテクダサイ!」



あ? 今頃何言ってやがる? 



この口調……こいつ女か……?



俺がそいつを殴ろうとした時



「大和……もうやめて……」



「美玖か…? お前に酷い目にあわせた連中だぞ……



こんな奴等な……死んでも当然なんだよ」



「大和君……これはね……違うの……」



「ん? 何が違うんだよ……」



美佐は重い口を開こうとした時に、



「それは私が説明するわ」




ここにはいないはずのない声……



そう加奈がドアの所にいたのだった。






来週で【事件の真相】


が終わるはずです。

前へ次へ目次