十二話【大和の過去~回想編~】
大和の考えていることが理解できない。
結局この日も授業に集中出来ず
大和の事ばかり考えて終わってしまった。
大和がいなくなってから
祐二は、私の事を無視している。
大和…あなたは一体
何を考えているの?
★
私はまた一人でも下校の道
を歩いている。
いつもは大和と一緒に
帰るから楽しかったのに
一人だと悲しいな…
すると私の目に公園が
目に付く。
小さい頃は
大和のお母さんと
大和と私で遊んだな…
すると、
私は、
一人の男の子が、
ベンチにぽつんと
座っている
男の子を見つける。
----大和だった。
私は大和の姿を見て今まで考えていたことを愚かに感じた。
大和は泣いていた。
耳を覆いたくなるような
声で、大和はこの一言を
ただひたすら呟いている。
「母さんさ…俺は駄目な奴だな…」
大和は誰かに答えを求めるようにして
言っている。
「俺には母さんの死を受け止めるにはまだ若いよ…だってさぁ俺
まだ十四年しか生きてないんだぜ…ハハハ…」
大和の空気の笑いが私と大和しかいない
公園に虚しく響く。
もう…やめてよ…大和…
「母さん…この公園は変わってないよ…俺と美玖と一緒に遊んだ公園
俺の思い出はまだ何一つ変わってないよ…」
私は大和の一言一言を聞き逃さないように聞いていた。
「母さん…俺母さんを忘れないよ! そして俺はもっと強くなる!
母さんが残してくれた思い出は絶対! 俺の胸の中に焼き付けとくからさ!」
私は声を殺して泣いた。
大和の本心に気づいて
あげられなかった事を
私は…私は…
私がその場で泣いていると、
大和がこちらの方に歩いてくる。
やばい逃げなきゃ…
そう思ったときに
大和と私は会ってしまったのだった。
私を見たとき大和は吃驚した表情を浮かべていたが
大和は、私に
「何でここにいるんだ?…美玖」
そういって大和は私のもとから去っていった。
謝らないといけないのは私の方なのに
なんで大和が謝るの?
謝らなければいけないのは私の方なのに…
大和は優しすぎる。だから
クラスメイトに、そして私に
心配をかけないようにしたんだろう。
公園じゃなくて私の目の前で泣いてよ…
私は気付いてしまった。
大和は----私の事をただの幼馴染程度にしか感じていないことに…
だから私は大和の一つでもいいから大和の柱になりたい。
そして、
私は、
決めた。
大和の悲しみを一緒に背負えるような人になる!
だって、
私は、
私は大和が好きだから----
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あの日の夏の日から私は何一つ変わっていない。
大和は次の日からは私に普通に接する
ようになったけど、
しかし大和は私と一つの距離をおいてるような気がする。
今まで、今日まで大和の泣いている姿を私は見たことが無い。
---そして、本当に笑っている姿も----
私はあの時の事を謝らないでいる。
私は謝らないといけない。
だから
遅いかもしれないけど…
----私は明日大和に謝ろうと思う----
美玖の決意!
さぁ波乱の美佐の歓迎会はどうなるのか!?
次回に続きます