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十話【大和の過去~回想編~】
今回も美玖視点です。
中三の夏のあの日に大和のお母さんが死んだ。
あの時の私達はすごい楽しく過ごしていただろう。
でもこの出来事が起こってから
大和は変わった。
それは、夏休みが一週間に迫った
あの日にさかのぼる。
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「大和! 一緒に帰ろ!」
私は大和と一緒に帰るのが楽しみでたまらなかった。
「そうだな! 一緒に帰るか」
大和は優しい。私が小さい頃から
大和は私の我が侭を聞いてくれる。
私はそんな大和が大好きだ。
「美玖…お前俺と帰って楽しいか?」
「うんっまぁ普通だけど…」
私のバカ! ここ位強情にならなくていいでしょ!
「そうか…美玖、今週の日曜日さ一緒にいかないか?」
え? 大和が私とデートしてくれるの?
やばい! 大和が私と…
「駄目か?」
「べべべべつに、大和が一緒に行きたいんだったら別に行ってあげてもいいけど!」
「そうか! じゃあまた明日な!」
大和は私にニコッと笑い
先走りして先へ行ってしまった。
頭が沸点に達してやばいよ~
絶対今、顔が赤くなってるよー
今週の日曜日が楽しみだな。
----ここから私にとって大和の笑顔をみた最後だったのかもしれない----