怪人のこと
609:名無しの戦闘員
しかし最近デルンケム活発だよな
610:名無しの戦闘員
同じくらいロスフェアも活躍してるから大きな被害はないけどな
ニュースで見たけどハカセの怪人のせいで人が氏んだこと一回もないらしい
代わりに街はけっこう壊されてるから大変なところもあるっぽいが
611:ハカセ
一応首領の方針やしなぁ
民間人の被害は少なく! そう言われた以上は従わんと
612:名無しの戦闘員
あれ? もしやハカセってわりと被害は出てもオッケー派?
613:ハカセ
そもそも武闘派な先代に雇われた身やし
好んでひどいことはせんけど、今だって怪人が暴れて街が壊れとるわけやしな
614:名無しの戦闘員
忘れそうになるけどこいつ悪の科学者ではあるんだよな
615:名無しの戦闘員
わりに怪人弱くない?
616:名無しの戦闘員
ハカセのことだからフィオナちゃんに怪我させたくない一心で弱いの造ってても不思議じゃない
617:名無しの戦闘員
言っても警察の銃も自衛隊のバズーカも効かないんだぞ
ロスフェアの勝利に慣れ過ぎてないかお前ら
618:ハカセ
怪人は普通に造って普通に負けとる
言っとくけどワイが悪いんやない、すべては貧乏が悪いんや……
619:名無しの戦闘員
おっと、また組織のヤバい内情が漏れ出てきそうだぞw
620:名無しの戦闘員
ばっちこい
621:ハカセ
あと617の言う通りワイの怪人には銃火器が効かん
ロスフェアのおかげで倒せとることは忘れたらあかんぞ
622:名無しの戦闘員
正義のヒロインの立場を気遣う系悪の科学者w
623:ハカセ
さて怪人についてなんやけど、あれは神霊工学を基に造られとるが人造生命体ともちょっと違う
簡単に言うとあれは『触れる幽霊』
人工の魂を核にして物質化した魔力を人型にしとるだけで明確な自我はもっとらん
せやからルルンちゃん、別に悲しそうな顔せんでええよ
怪人にはどんなに強力でも銃弾は効かん、幽霊に物理は無効やからな
逆に怪人の攻撃は物質化しとるから効く、本来反則級の存在やぞ
624:名無しの戦闘員
つまり命令には従うけどそういう機能があるだけで自分で考え動いてるわけじゃない?
625:名無しの戦闘員
改めて考えるとすげえな怪人
626:ハカセ
じゃあ魂って何なん? って話になる。
ワイらの次元では魂を「人体を動かすエネルギーを生成する架空器官」と捉えとる
魂は心臓と同じ臓器、ただし肉眼では見えん
そんで魔力≒血液。魔力は魂によって生成されて全身を駆け巡り人体を動かす
よく事故で体に損傷はないのに意識が戻らないパターンあるやろ?
ワイらはあれを「魂が機能不全を起こし魔力が生成されていない状態」と考える
ただ魔力はあくまで人体の内部に働く質量を持たんエネルギー
基本的にはカラダという器から放出されることはないし、限界超えて溜まったり暴発したりもせん
お前らだって血液が増えすぎて爆発はせんやろ?
627:名無しの戦闘員
どうしたハカセ、頭よさそうに見えるぞ?
628:名無しの戦闘員
基本的に、ってことは例外もあると
629:名無しの戦闘員
乗っ取られとらん?
630:ハカセ
ワイ神霊工学者なんやけど⁉
くそ、まあええわ。そいで628よ、いい着眼点や
稀に魂の質が人より高くて、魔力貯蔵量が多く生成速度も凄いヤツがおる
そういうヤツは魔霊変換器ってアイテムを装備すれば、体内の魔力を現象に変換して放つことができる
それを魔法と呼んだり異能と表現したりする。ワイは攻撃や防御の魔法を使えるし、アニキや猫耳くのいちは異能で戦うタイプやな
根本は臓器の機能やから技術をみがいて効率化はできても魔力自体を鍛えるのはムリ
生まれもった魂の質が全てや
631:名無しの戦闘員
じゃあロスフェアも魔霊変換器を持ってるってこと?
632:名無しの戦闘員
というかハカセも戦えるのか
633:ハカセ
ふふふ、ワイは四大幹部の中でも最弱……
タイマンやったら新人の猫耳くのいち(十五歳)にすら負ける幹部の面汚しよ……
634:名無しの戦闘員
最弱なんだw
635:名無しの戦闘員
クッソこんなのでwww
636:ハカセ
ロスフェアはたぶん事情が違うで
魔霊変換器は神霊工学を基に造られたアイテムや
せやけど神霊工学が発展する以前は、魔霊変換器の代わりに妖精と呼ばれる存在が契約者の魔力を吸い上げて加護という形で力を与えた
フィオナたんたちは元々魂の質が高く魔力生成量が多くて、妖精と契約したことで魔力を魔法に変換する術を得たんやろな
ちなみにワイらの次元では妖精はもうほとんどどおらん
好事家に高く売れるもんで乱獲された結果や
ワイやアニキが組織に入る前は、先代首領も手を出しとったらしい
637:名無しの戦闘員
だから失われた妖精たちか……
638:ハカセ
魂と魔力については分かってくれたと思う
それを利用してアレコレするのが神霊工学なんやけど、実験や研究ために人間の魂を扱うわけにもいかん
ってことで神霊工学では『人造魂』を造り出し、そこから得られる魔力で研究を進めとる
そんで怪人は人造魂を核にしとって、当然ながら一体に付き一個必要なんや
639:名無しの戦闘員
あ、嫌なこと気付いちゃった
つまりさ、そういうすごいのを使用する怪人って、お財布的なあれがあれってこと?
640:ハカセ
その通り、怪人制作ってクッソほどお金がかかるんや……
本来一つの研究所に大型人造魂一つありゃ十分魔力を賄える
それを小型版とはいえ使っとるからな
641:名無しの戦闘員
うわぁ……
642:名無しの戦闘員
世知辛えなぁ
643:ハカセ
問題を放置しとるようじゃ開発担当は名乗れん
一応組織の怪人にはワイが開発した『簡易偽造魂』を使っとる
これのおかげで大幅なコストカットが可能や
特性自体は普通の怪人と変わらんから物理も無効。けど魔力生成量は低くなるからなぁ
普通の人間には無双できても妖精の加護を受けたロスフェアちゃんに対抗するにはちょっとばかり物足らん
弱いって意見も当然やな
644:名無しの戦闘員
俺達が見てる怪人は廉価版なのか
645:名無しの戦闘員
結局、怪人を強くするのに必要なのって?
646:ハカセ
お金、とにかくお金
アイデアとか技術じゃなくてひたすらお金
簡易偽造魂を普通の人造魂に変更するだけで一気に能力は高まる
……でな、この前首領に呼び出されたんや
647:名無しの戦闘員
お、ブラック首領きたな
648:名無しの戦闘員
あいかわらずの無理難題か?
649:ハカセ
いや、今回はむしろワイのために動いてくれた感じや
組織はそこそこ資金難やからな。開発局長としては現状の予算で騙し騙しやっていくつもりやった
首領はそれを見かねたようでな、追加予算を用意してくれた
650:名無しの戦闘員
なんや首領ええ人やん!
651:名無しの戦闘員
仕事押し付けるばかりじゃないんだな
652:ハカセ
やるやろ? 首領は基本善人やし殺戮とかは好まん穏やかな子なんや
で、この前のやりとり
首領「フフフ、ハカセよ。いつも苦労をかけておるのじゃ。多くの者が離脱する中、ハカセの献身を嬉しく思っておる」
ワイ「いえ、ワイも組織でしか生きられぬ身ですから」
首領「そうか……。では感謝の気持ちなのじゃ。この資金を受け取ってくれるか? これは組織の資金ではなく首領としての個人資産。怪人製作に相当な資金が必要なのは理解しておる。これで新たなる怪人を作ってほしいのじゃ」
ワイ「おお、首領! お気遣いありがとうございます!」
首領「うむうむ。ハカセよ、これからも私に仕えてくれるか?」
ワイ「もちろんです!」
そう、首領はワイのために自腹を切って研究費を出してくれたんや
本当にいい子や。ただ無茶ぶりしとるだけやなくワイを気遣ってくれとるんやなぁ
……まあぜんっぜん資金足りとらんけどな!
653:名無しの戦闘員
wwwwwwww
654:名無しの戦闘員
さすが首領! 俺らの期待に応えてくれるぜ!
655:名無しの戦闘員
経営頑張ってるけど能力は低いって言ってたもんねw
656:ハカセ
今回に関してはワイのミスや
首領が組織を継いだ時ワイはもう幹部やったから、既に簡易偽造魂を導入しとった
つまり首領は『簡易偽造魂で造った廉価怪人』しか見たことない
ちゃんとした『人造魂で造った正規怪人』は十倍以上の金がかかるって知らんのや
せやから勘違いして、本当にワイのためを思って廉価怪人二体分の資金をくれた
ごめん首領……せっかくだけどこれじゃ強い怪人作れない……
657:名無しの戦闘員
てかハカセって本当に天才なんだな
通常の十分の一の値段であんな怪人作るとか
658:名無しの戦闘員
それは思った
659:名無しの戦闘員
これは首領を責め辛いな
660:ハカセ
どうしよう……首領めっちゃワクワクしてる……
「なんなら怪人デルンケムグという名にしてもかまわんぞ」とか言ってる……
661:名無しの戦闘員
デルンケムグ?
662:名無しの戦闘員
ほら、ジオン軍の切り札がジオング的な
663:名無しの戦闘員
【悲報】首領、ガノタ
664:名無しの戦闘員
ラスボス系の機体の定番か
てか首領アニメとか見るの?
665:ハカセ
ちゃうぞ、富野信者や
首領はロボットアニメにドハマリしとるぞ
中でもお気に入りはちょい古めの作品やな
666:名無しの戦闘員
ちょっと危険じゃないですかねそれw
古めのロボットアニメだと主人公側全滅とか、話にオチをつけるために敵味方問わず皆コロしとか普通にあるぞ
667:名無しの戦闘員
俺も富野信者だから駄目とは思わないが悪の首領が憧れるにはね
それはそれとして今なら首領と仲良くなれる気がする
668:名無しの戦闘員
ちなみに首領一番好きなロボアニメってどんなの?
669:ハカセ
キング〇イナーや
なんならオー〇ーマン作れないかって聞かれたことある
あと人間爆弾とかは反対派やから心配はせんでええで あくまでお話として好きなだけ
670:ハカセ
当然ガン〇ムも好きや
少年が軍の新型機に偶然乗り込んでパイロットになって、戦争に巻き込まれていく系シチュをこよなく愛しとる
その後に続くシリーズ作品もみんな丸ごと大好きやし、プラモも作るぞ
671:名無しの戦闘員
ちなみにオーバー〇ンできるの?
672:ハカセ
できんこともないで
大型人造魂を動力源とした巨大な怪人に搭乗席を設ければ、形としては操縦型の人型兵器や
ただ、クッソほど金がかかる
うちの組織を百回立ち上げるくらいの資金力がありゃできるでって伝えといた
首領「そうか……うん、くだらないことを聞いた」
すっごく悲しそうやった
673:名無しの戦闘員
首領……
674:名無しの戦闘員
少年の夢が破れた的な哀切だな
675:名無しの戦闘員
ていうか話逸れてるけど怪人の件どうすんだ?
676:ハカセ
どうもこうも、とりあえず怪人二体分の資金はもらったからな
現行の簡易偽造魂を昇華して少しでも出力の高い奴を作るしかないわな
ロスフェアちゃんよりちょい上くらいならできるやろ
はぁ、また徹夜かぁ……
677:名無しの戦闘員
結局ハカセの負担は増えるんだなw
◆
翌日、神霊結社デルンケムによって街は襲撃された。
ロスト・フェアリーズが迎撃に出るも、新たな怪人はこれまでよりも二割増しくらい強力だった。
苦戦する妖精姫。しかしその時、浄炎のエレスが飛び跳ねるように勢いよく前に出た。
「灯火の妖精ファルハ……あなたの力を今こそ借り受ける! 聖霊天装、エレス=ファルハ!」
説明しよう。
ロスト・フェアリーズの普段の衣装は『妖精衣』と呼ばれる。
妖精たちと契約した者に与えられる加護であり、邪を祓う魔力を宿した衣である。
しかしそれはあくまでも通常形態にすぎない。
妖精との心を交わし、完全なる同調を為した時。さらに一段階存在の格を上げた形態、聖霊天装への転身を可能とするのだ。
激しい炎が浄炎のエレスを包む。それが白い輝きに吹き飛ばされると、少女は新たな姿に変化していた。
「いくよ、怪人デルンケムグ! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
眩い炎をまとった一撃が怪人を貫く。
デルンケムグは確かに以前の怪人よりも強力だったが、聖霊天装を会得したエレスには及ばなかった。
「ボクたちの、勝利だっ!」
こうしてまたロスト・フェアリーズの手によって平和は守られたのである。
◆
782ハカセ
…………うせやろ?
このタイミングで新フォーム獲得とかエレスちゃんマジか?
783:名無しの戦闘員
すっげー、新フォームメッチャきれいでえちち
赤と白のレオタード、攻撃の瞬間に炎が翼みたいになって妖精っていうか天使
784:名無しの戦闘員
たぶん強さとか論じるところはいくつもあるんだろうけど
まず三割増しくらい美少女度が上がってるように感じられるな
785:ハカセ
資金……首領の個人資産が一撃で……
786:名無しの戦闘員
わりと本気でダメージ食らってるぞ
787:名無しの戦闘員
うんまあ……今回はしゃあないわ
788:名無しの戦闘員
子供は特撮で怪人倒されたら喜ぶけどさ
科学者ポジからしたら努力の結晶を一瞬で無駄にされるんだもんな
789:名無しの戦闘員
とりあえず俺らオススメのカップ麺ランキングにするからさ、元気出せよ……
790:ハカセ
マジで? よっしゃ頼むわ。ちなみにワイが好きなのはとんこつな。
791:名無しの戦闘員
立ち直りはやいw 俺はみそバター
792:名無しの戦闘員
あんま気にしてないのかよw 俺は醤油
794:名無しの戦闘員
自分が好きなのは担々麺やな
795:ハカセ
そこら辺割り切れんと悪の組織なんてやっとられんわな
あとエレスちゃん美少女やったし! ワイの怪人どうでもええから語ろうぜ!
796:名無しの戦闘員
やっぱり首領は首領でかわいそうだなコレw