飛び立つ者のこと
ボクは結城茜、春から根戸羅学園に通い始めた高校一年生!
もともとはバスケ部だったけど、高校では家庭科部に所属している。
この学校を選んだのは沙雪ちゃんが通っていて、色々な偶然から仲良くなった美衣那ちゃんも入学するからだ。
沙雪ちゃんは一個年上の二年生で、長い髪の正統派美少女さん。男子にも人気があって、結構な頻度で告白されているっぽい。
でも、まあ? 想い人がいるからーって、いつも断っている。
沙雪ちゃんは一途なタイプというか、若干愛情がねちっこいタイプなのだ。
ちなみにボクは高校生になってもクラスの男子からは男友達みたいなモンと評価されてます。ほのあくシリーズのようには上手くいかないのが青春です。
さて、仲良しなボクと沙雪ちゃんだけど、実はライバルだったりもする。
ボクたちには共通の幼馴染がいて、お互いに“彼”のことを異性として意識しているのだ。
その幼馴染というのは、美衣那ちゃんのお兄さん。
ハルヴィエド・カーム・セインさん16歳だ。
ボクと沙雪ちゃんと、はーちゃん、美衣那ちゃんは小さな頃からずっと一緒だった。
沙雪ちゃんとは同い年だから何度も同じクラスになったことがある。
小さい頃のボクは“沙雪ちゃんばっかりずるい”と頬を膨らませていたっけ。
その度に“はーちゃん”が頭を撫でてくれた。……思えばあの頃から、ボクは彼が好きだったんだろうなぁ。
そして、沙雪ちゃんも。きっと昔からずっと、はーちゃんが好きなんだと思う。
……勝てないよなぁ、と思ってしまう
だって沙雪ちゃんは美人だ。ボクはこんなだし、はーちゃんだってきっと沙雪ちゃんのことを好きになる。
ボクの立ち位置はどこまでいっても“男友達”、はーちゃんにとって、一番親しい友達だ。
彼が好き。でも告白なんてしたら、きっと男友達でもいられない。
だからボクは並んで歩く沙雪ちゃんとはーちゃんの姿を、少し離れた位置で眺めているだけど。
ああ、でも本当は。
ボクだってはーちゃんの隣に立って、恋人として痛い痛い痛い痛い痛い痛いあかんあかんってちょっマジでがっちり決まってるから駄目だって、しかしねぇ私だって痛いのだから、痛ってホンマあきませんって!?」
なお、今迄語られた内容は全てハルヴィエドさん顔した謎の若者の妄言です。
ボクこと結城茜はその日、普通に登校した。
途中で沙雪ちゃんと美衣那ちゃんと合流したんだけど、何故かいきなり幼馴染ヅラしたはーちゃん(16歳)が乱入して、ボク視点のモノローグを語り出した。
いち早く反応したのは美衣那ちゃん。
なんか彼女の影が伸びてはーちゃんを捕縛したかと思えば、一気に距離を詰めた。
喉にウエスタン・ラリアートを直撃させ、その隙にはーちゃんの背後に回る。
そしてそのまま飛び掛かり、両足を内側から引っ掛け、両手をチキンウイングで絞り上げる、
「これこそが、正しい形。往年の名レスラー、ジャッキー・パロの拷問技……。正調パロ・スペシャル、にゃ」
……うん。
銀髪の静かな猫耳系無口美少女が、通学路ではーちゃんにパロ・スペシャルを決めている。
ボクの人生で初めての光景です。
美衣那ちゃん、組織の幹部のゴリラさんと『昭和プロレスベストバウト集』って動画見たって言ってたからその影響だと思う。
「美衣那っ。あ、危ないっ」
「大丈夫にゃ、沙雪。既に完全に決まってる、にゃ」
「そうじゃなくて、スカートでそういう技はっ」
あ、はーちゃんの心配じゃないんだね?
沙雪ちゃん、ハルヴィエドさんとそっくりなはーちゃんを前にしてもぜんぜん動じてない。
すごいなぁ。ボク、最初会った時はびっくりしたし、ハルヴィエドさんの顔と声で「あーちゃん」って呼ばれてすごく動揺してしまった。
「二人とも先に行ってて。この子を適切に処理したら、追いかける、にゃ」
「でも、私は」
「……沙雪に、ハルに似た誰かを傷つけさせるような真似はしたくないにゃ」
小さく微笑んで、美衣那ちゃんはボクたちに先に学校に向かうよう促した。
沙雪ちゃんは不満そうだったけど、ボクは正直助かったと思ってしまった。
もちろん正体がクピディタースだって教えられてるけど、それでも。
あの顔で苦しんでいる姿を見ると止めたくなってしまう。
魔霊兵より怪人より、クピディタースは怖い敵だった。
◆
675:ハカセ
そういやこの前エレスちゃんにあだ名で呼ばれた
676:名無しの戦闘員
ハカセくわしく私ちゃんそれで晩ご飯食べるから
677:ハカセ
いや、なんか「○○ちゃんっ……じゃなくて、す、すみませんハカセさん!」みたいな感じ
単なる言い間違いぽいっから別に大した話やないよ?
678:名無しの戦闘員
なんだ、ちょっと浮気ルートが近付いたかと思った
679:名無しの戦闘員
距離が近付いたってことではあるんだろうな
ところでこの前のワイドショー見た?
フィオナちゃんとミソラちゃんのコンビプレイとか、尊いというか感慨深い……
680:名無しの戦闘員
不謹慎だけどロスフェアちゃん+魔法少女ちゃん+Lリアちゃん達が力を合わせて活躍する場があるっていいよね
681:名無しの戦闘員
そういう意味じゃクピモンがちゃんと機能してるってことではあるんだが
682:名無しの戦闘員
とりあえずロスフェアちゃん達の頑張りのおかげでクピモンの出現率は減ってきてるそうだ
683:名無しの戦闘員
学におもしろ偽ハカセ目撃談はそこそこ出てるw
684:名無しの戦闘員
偽物は本来正義の味方が定番なんだけどなぁ
685:ハカセ
作製された人格は独立する存在として認められるのだろうか……
686:名無しの戦闘員
おっ どうした
遅れてきた厨二病か?
687:名無しの戦闘員
安心しろ、俺は絶賛罹患中だぜ!
688:名無しの戦闘員
こんなスレにいるんだし残当
689:名無しの戦闘員
いまだに体に継承者の刻印が浮かび上がる瞬間を待ってます
690:名無しの戦闘員
ワイ将、地味で目立たない高校生
文化祭で調子乗った軽音部に溜息一つ
舞台に立ってギターを抱えて神演奏を披露
「え……やばっ、ワイ将くんかっこよすぎ!」
「あいつ…もしかして、解散したあの伝説のバンドの!?」
みたいなシーンを妄想するンゴ
691:名無しの戦闘員
学校を襲撃したテロリストなら何度も倒したぞ
夢の中で
692:名無しの戦闘員
やっぱ俺は転生トラックからの異世界
693:名無しの戦闘員
軍の試作ロボットに偶然乗り込むシチュ好き
694:名無しの戦闘員
実は俺、ニチアサ系の変身ヒロインを助ける謎の戦士枠だったんだけど
ロスフェアちゃんが出てきたからリアルだと話しにくくなっちまった
695:名無しの戦闘員
そら下手せんでもマジなロリコン扱いだしなぁ
こいつ、ルルンちゃんでヤバイ妄想してると思われたら目も当てられん
697:名無しの戦闘員
変身ヒロインは魔法少女より実写特撮派
戦隊もののピンクとイエローにご執心
698:名無しの戦闘員
カレー枠にご執心とか大分性癖拗らせてんな
699:名無しの戦闘員
残念ながらイエローはもうカレー枠じゃないんだ
700:名無しの戦闘員
>698
よう、おっさん
701:名無しの戦闘員
全力で話逸れてんぞw
702:名無しの戦闘員
かゆい、かゆすぎる
自分にも覚えがあるから余計に
703:ハカセ
しっちゃかめっちゃかなのにこの安心感よ……
世界中の皆がオマエラみたいだったらよかったのになぁ
704:ハカセ
あかん、オマエラだらけとかこの世の終わりやんけ
705:名無しの戦闘員
速攻否定で草ぁ!
706:名無しの戦闘員
世界中がにゃんj民のレベルに落ちたら、この世の終わりだぞ!
707:名無しの戦闘員
ドラちゃん基本辛辣よね
708:名無しの戦闘員
しょせんはプログラムされた人格よ
やつはただ反応を返すだけの機械人形にすぎぬ……
あれ? 狸型ロボットだから機械狸形?
709:名無しの戦闘員
でもボールは友達って言ってる人もいるんだし機械でも友達になれるんじゃない?
710:名無しの戦闘員
そいつ友達蹴り回してんぞ
711:名無しの戦闘員
ハカセー、サッカーしようぜ! ボールお前な!
712:ハカセ
まさかの形で話が戻ってきたんやけど
つまりはそういう話やね
プログラムされた、複製された人格が“一個の人格”足り得るのか
人によっちゃ所詮は機械やし、人によっちゃ友達にもなれる
このスレですら意見が分かれるんやからクピモンの特性も、なぁ
713:名無しの戦闘員
レンタルハカセって言葉に騙されてるけど
俺からするとぶっちゃけ人身売買と変わらん
714:名無しの戦闘員
そう考える人もおんのか
俺からすると超やばい乙女ゲーの親戚って感じなんだが
715:ハカセ
結局クピモンっての問題って、技術どうこうより現状それを受け入れられるほど社会が成熟しとらんことの方やと思う
商売にするにはちょっとばかし早すぎるわ
>711 あれ? ワイ蹴られるの?
716:名無しの戦闘員
そういうことだ、反省せーや猛虎弁
717:名無しの戦闘員
ウッス
ワイ将、また別の企画を立てて頑張るンゴ
718:名無しの戦闘員
猛虎弁くん…あなたはもう、何もしないで……
719:ハカセ
いやまあ意欲があるんはええことや
無断で暴走せんかったらええわ
いざって時に責任をとるのは上のお仕事やし、別に現状も気にはしとらんよ
720:名無しの戦闘員
所長代理ぃ……( ノД`)シクシク…
721:名無しの戦闘員
うちの上司もそうやって自由にやらせてくんねぇかなぁ……
722:名無しの戦闘員
ハカセ、テレビの緊急速報でやばいヤツ流れとるぞ
723:ハカセ
そう言えばな!
最近色々あったんやけど聞いてくれる?
724:名無しの戦闘員
勿論正座で背筋を伸ばして拝聴させていただきます
725:名無しの戦闘員
ロスフェアちゃんに魔法少女ちゃん達にと最近のハカセは忙しいなぁ
726:名無しの戦闘員
わりと緊急速報大変なことになってるけど大丈夫かこれ?
727:ハカセ
正座っていや、日本人って何か変やない?
あの座り方ほぼ拷問レベルなんやけど、なんで根付かせようと考えたの?
728:名無しの戦闘員
正座はもともと普通に拷問スタイルだったってばっちゃが言ってた
729:ハカセ
じゃあ余計に分からんわ
まあ、それはそれとして今日のハカセさんは、
「猫耳くのいち、がんばる」
「親より優れた娘なんて普通にいるよねって首領の目がウツロ」
「ワイ、泣きそう」
でお送りします
730:名無しの戦闘員
てれれれん てれれれん てれれれってんてーん
731:名無しの戦闘員
大喜利にするにもリズム悪すぎるし首領ちゃんどうなってんのw
732:名無しの戦闘員
首領ちゃんw
733:ハカセ
あんま重い話でもないけどな
通常のクピモンはロスフェアちゃんとかLリアちゃん達が頑張って対処しとるんやけど、基本あの子達って戦闘を主にしてきた訳やないやろ?
せやから「ワイの姿をしたレンハカ」に対してはどうも躊躇が出るみたいなんや
特にエレスちゃんとI奈ちゃんにその傾向が強い
フィオナたんとルルンちゃんは気にしつつも対応するって感じやね
734:名無しの戦闘員
フィオナちゃんは普通に蹴りかましてたしな
735:名無しの戦闘員
ルルンちゃんも核だけを取り出すなんてとんでもない技使ってる
736:名無しの戦闘員
あの……言いにくいっすけど……
フィオルルは、ハカセ以外ハカセと認めねー! ってノリなのでわ?
737:名無しの戦闘員
根本的にヤンデレ気質だしね、フィオナちゃん
738:名無しの戦闘員
ルルンちゃんはいい子なのに何でだろう……?
739:ハカセ
そんなロスフェアちゃんらを気遣って、猫耳が率先して動いてくれとる
猫耳「こーゆうのは、悪の組織の方が向いてる、にゃ」
猫耳は汚れ仕事を自分だけで抱えるつもりみたいや
なんだかんだフィオナたんたちが大切なんやね
740:名無しの戦闘員
おまえそれ放置してるんちゃうやろな
741:ハカセ
それこそまさかやろ
ただワイにとっちゃ猫耳は家族やけど、同時に信頼する対等な幹部でもある
せやから「黙って守られとけ」なんて口が裂けても言えん
つーことで、最近は夜な夜な肩を並べて出撃も多い
変化前のクピモンはフェア×メタルに任せて、ワイと猫耳はワイ狩りや
猫耳「最近はこういう機会なかった、にゃ」
ワイ「そやなぁ」
猫耳「実は、ハカセと二人だけの幹部だった時、意外と楽しかったにゃ」
ワイ「ワイもや。でもあの忙しさはカンベンな!」
猫耳はくすりと笑っとった
正直二人でのワイ狩りを選んでよかったと思っとる
なんだかんだ猫耳は喜んでくれとるし、ワイにとっても好都合や
猫耳+ブーメランパンツのみのワイを人知れず処理できるからなぁ!?
742:名無しの戦闘員
wwwwwww
743:名無しの戦闘員
変態w まごうことなき変態w
744:ハカセ
クピモンは他者の願いに反応する
つまりその姿はワイの趣味とかやなくて誰かに望まれたものや
だから、普段からは考えられん恰好をしたヤツと出くわすこともある
その夜出会ったのは、パンツ一丁で猫耳付けたワイやった
ブーメラン猫ハカ「foooo!」
しかも激しいダンスを踊っているところに出くわした
誰や!? 誰がこんなワイを望んだ!?
どんな趣味持っとったらこんな奇抜な奴が産まれるんや!?
745:名無しの戦闘員
よかったねw そいつと遭遇するのがフィオナちゃんじゃなくてw
746:名無しの戦闘員
こんなん百年の恋も冷めるわw
747:ハカセ
猫耳「これは早急に処理しなければいけない案件。私に任せるにゃ」
ワイ「おうよ!」
猫耳「正直面白いけど」
ワイ「にゃにいってんの猫耳ちゃん!?」
なお、速攻で猫耳もワイも動き事なきを得ました
ほんま頼りになるわ……
こんな感じでワイ狩りは進んどる
加えてルルンちゃんの入手した核のおかげでドラ……クピモンレーダーが出来たからな
あと新しくクピモンが送り込まれても核に合わせて魔力の物質化を阻む波長を放つシステムも構築できた
現状で形を持ったヤツをどうにかすればクピモン騒動もおしまいや
748:名無しの戦闘員
じゃあそろそろ終わりが見えてきた感じ?
ほんと技術力パねえ
749:名無しの戦闘員
レンタルハカセはやっぱり商品にはならないか
750:名無しの戦闘員
正直ちょっと欲しかった(ボソッ
751:ハカセ
商品化するってことは「作られた人格の売買を許容する」ってことやからな
そんな前例を作るのはいくない
ただ、魔法少女ちゃん達はこの騒動が終わると会話も難しくなる
そこが残念と言えば残念か
ユエちゃんやみそらちゃんは無邪気に懐いてくれるし
あと意外とね、ジュリアちゃんが馴染んでんのよ
752:名無しの戦闘員
ジュリアちゃんは首領ちゃんの娘だっけ?
753:名無しの戦闘員
ルルンちゃんの娘・アリスちゃんと何故か年齢も誕生日も一緒の不思議な娘ねw
754:名無しの戦闘員
なんでやろなぁ……?
755:ハカセ
ワイは何も知らんので許してくださいボブ
テレビでは「妾は、ジュリアレーテ!」みたいなノリやけど
普段は「妾、マシュマロ好きだよ~」な子やね
わりとノリが緩くて普通にアニキの家に遊びに来るんや
ジュリア「おじゃましまーす。あ、父様だ~」
ワイ「おー、ジュリアちゃん」
猫耳「にゃ」
ちょうどワイと猫耳がおる時にも訪ねてきたわ
756:名無しの戦闘員
アニキもすげー微妙な気分だろうなw
757:名無しの戦闘員
なんでアニキのとこに? って思ったけど
ハカセと首領ちゃんの娘だから姪っ子になるんか
758:ハカセ
実際アニキからすると複雑みたいやね
せやけどちゃんと穏やかに対応するのがアニキや
自宅でちゃんともてなしてくれた
ジュリア「アニキおじさま、紅茶のおかわりくださーい」
アニキ「ああ、どうぞ」
ジュリア「A子おばさま、今日はせくしーおばさまは来ないんですか~?」
A子「うふふ、どうかなぁ」(ニッコニコ
ただあの子、徹頭徹尾アニキとA子ちゃん、せくしーを夫婦として扱うからな
アニキの肩身が狭い狭いw
759:名無しの戦闘員
アニキィ!
760:名無しの戦闘員
頑張れアニキィ!
761:ハカセ
あと遊びに来たついでにジュリアちゃんは首領の勉強を見てあげてます
ジュリア「あ、首領ママここは違うよ。こっちの公式を当てはめて」
首領「ぬ、ぬおおお。わ、私には娘にすら負ける学力しかない……?」
ジュリア「妾は父様の娘でもあるから~」
ワイと首領の娘、意外と勉強が好き
アリスちゃんは既に未来のワイとルルンちゃんのお手伝いをするレベルやしね
首領の肩身も狭い狭い
……うん、ルルンちゃんと首領が妻になった未来を前提に話せてまう
我がことながら慣れって怖い
762:名無しの戦闘員
おお、首領ちゃんおいたわしや……
763:名無しの戦闘員
そうか、ジュリアちゃんとアリスちゃんは高名な科学者の娘ってことになるのか
764:ハカセ
親が神霊工学者やから勉強ができるってわけやないけどな
ワイは天才なんて言われとるけど学んでないことまで知らん
直感は天性でも知識は蓄積、せやからジュリアちゃんの能力はあの子自身の努力の結果でしかない
そういう言い方すると首領は努力してないのか? って話になるから言葉を選ばなあかんし、子供を褒めるって難しいな
765:名無しの戦闘員
その悩み完全に姉妹の誉め方で悩むパッパじゃん
766:名無しの戦闘員
しかもジュリアちゃんがお姉さんで首領ちゃんが妹だw
767:名無しの戦闘員
ジュリアちゃん確か16歳だから現状だとそれも間違いではない
768:名無しの戦闘員
そういや首領ちゃんの娘ってことはアムソラル族なんだろ?
ってことはジュリアちゃんも性別を選んで女になったってこと?
769:名無しの戦闘員
せくしーの質問スレでジュリアちゃんの初恋はアニ×せくの息子だって言ってたからそうなんじゃね
770:名無しの戦闘員
アニキの義妹の娘が、アニキの実の息子と……
法律的には問題ないんかな?
771:名無しの戦闘員
つまるところイトコだから現状でもおっけーのはず
772:ハカセ
首領「ふふ、親より優れた娘とか普通の事、気にしないでいいのじゃ……」
ジュリア「首領ママ、休憩入れる?」
首領「もうね、気遣いするのも娘という……」
わりと本格的に首領の目が虚ろ
それを微笑ましそうに見てるのがA子ちゃんや
A子「私とせくしーさんがアニキさんの妻で、ハカセさんが義弟で首領が義妹かぁ。ふふ」
A子ちゃんはもともと下層の生まれで、食うに困って悪の組織に身を寄せた子や
新しい家族の可能性にニマニマしとる
ちなみに折れた首領は勉強を中断して「もういいのじゃ。うだー、なのじゃ」と床でゴロゴロしとる
ジュリアちゃんも「わーい」って一緒になって寝転がるもんだから、さすがにアニキが説教モードです
773:名無しの戦闘員
仲いいなぁ
774:名無しの戦闘員
母娘なわけだし相性はよいのも当然
775:名無しの戦闘員
親子だからって仲良いのが当然って考えはちょっと違う気がする
776:名無しの戦闘員
ハカセ、そろそろ覚悟を決めるんだ
お前の選択肢次第でこの光景がこの世界の未来にも産まれるんだぞ!
あ、フィオナちゃんを捨てろって話じゃないから
777:名無しの戦闘員
結局ハカセが男気見せるしかないんだよなぁ……
778:ハカセ
それを言われると辛いんやけど
まあクピモン問題はそろそろスムーズに片が付きそうや
よかったよかった
779:名無しの戦闘員
いや、うん
ハカセ、お前外でもテレビでもいいから見てみ?
780:名無しの戦闘員
片付きそう……?
781:ハカセ
全部終わったらフィオナたんと改めてデートなんか誘ってみよかなぁ
今までいざという時に決めてくれたのはフィオナたんの方やし
ここらでワイのクールなところを見せておくべきやろ
782:名無しの戦闘員
あのさぁ そろそろ現実逃避やめようぜ?
783:名無しの戦闘員
そうだぞ 今日の夜空は綺麗だぞ
784:ハカセ
やめて 言わないでクレメンス
785:名無しの戦闘員
ほら、窓を開ければ見えるだろう?
広がる夜の空
786:名無しの戦闘員
瞬く星々
787:名無しの戦闘員
豆の木を登るジャック
788:名無しの戦闘員
六枚の翼を広げて優雅に天を舞う、王子様ルックのハカセw
789:ハカセ
言うなっつってんだろうがぁ!?
790:名無しの戦闘員
いやだってさwww
791:名無しの戦闘員
ワイ将の自宅からも見えるンゴ
空にそびえる黄金のハカセ社長代理が……
792:名無しの戦闘員
神々しいねw
793:名無しの戦闘員
まあなんつーか……
頑張ってたのは知ってるよ?
うん、みんな頑張った
794:名無しの戦闘員
だよな
魔法少女ちゃん達だって未来からやってきてまで戦ったんだ
795:名無しの戦闘員
それはそれとして、産まれちゃったね
クピディタース・ラディクス
796:ハカセ
ワイ、泣きそう
797:名無しの戦闘員
安心しろ、10m級の巨ハカセでもイケメンだからw
798:名無しの戦闘員
ただし羽の生えた王子様w
** *
それは、まるで蝶が羽化するかのような光景だった。
未来に現れるはずだったクピディタース・ラディクスは、数奇な経緯を辿りここに顕現する。
その姿はまさしく光り輝くアホ、六枚の翼をはためかせて空を舞うハルヴィエドそのものである。
それが誕生し、飛び立つ瞬間を眺めていたのは二人の少女。
独りは戦闘員I奈こと、アイナ。
「お願い! 止まって、ハルくん!」
アイナは天空を舞う変態に精一杯声をぶつける
しかしゴールデンハルヴィエド王子は一切止まらない。
「メタルキティ、戦いましょう。まずは、あれをどうにかしないと」
そして決意の表情で奇行種ハカセに立ちふさがるのは。
羽化の瞬間に立ち会った、……リリア・ヴァシーリエヴァその人だった。