012
家に帰ってきて早々、私は返ってきたテスト用紙を
全部くしゃくしゃに丸めてゴミ箱に捨てた。
なぜかイライラしている。だけど何でこんなにも
イライラしているのか自分にも理由がわからないで
いた優だったがそこに電話がかかってくる。
優「はい、もしもし!」
電話に出た優の口調がいつもと違うと感じた康平は
「どうしたの?何かあった?」と聞くが
まだイライラが静まっていない優は
「何がですか?何もないですけど!」とつい
言い方がきつくなってしまう。
こんな自分に優自身も驚いてしまうが
イライラの止め方が分からなかった。
今まで誰かに対してこんなにイライラしたのは
初めてだったから。学校でもイライラすることなんて
ないに等しかった。
「話聞くよ?僕は君のマネージャーだから。」と康平は
優しく言う。
少し落ち着いてきた優は「今は…今は冷静に話せそうにないんです!」と返し、「そっか。分かった
じゃ、明日事務所で話そうか?」と康平の言葉に
「はい…明日事務所に行きます」と言って
すぐに電話を切った。
ベッドに携帯を放り投げ横になる。
何で私こんなにイライラしてるんだろ…
マネージャーさんにきつい態度とっちゃって
クビになったらどうしよう…
優の頭の中はネガティブ思考でいっぱいだった。
翌日学校が終わった夕方、事務所に行き
今康平と優は話をするため向かいあって
座っているが中々話出せないでいた。
下を見て俯いている優に「何かあったんだよね?
話聞かせてくれないかな?」と話を切り出す康平に
俯いたまま「昨日はすいません…イライラしてました…」と素直に謝った。
康平「いいんだよ。それで何があったの?」
優「あれから自分がなんでこんなに
イライラしてるのか考えてて…」
康平「分析したんだ?客観的に自分を見るなんて
中々できないからね、すごいよ」
優「別に凄くないです…」
康平「それで?理由は分かった?」
優「仕事は充実してると思うんです…
仕事がもらえるのはありがたいって
思うんですけど…学校の勉強についていけてなくて…テストの点数も全然駄目で…」
「それだけ?」という康平の言葉に「え?」と
返す優。
どうして康平がそれだけ?と言ったのか、、
彼は見抜いていたからだ。彼女がイライラして
いた理由、または今彼女の話すトーンが暗いのは
学校のテストだけが原因ではないとゆうことに。