37 第五試合 対小早川小学校戦 (その4)
「・・・」
ハーフタイムになったっていうのに監督は無言でした
「はあ~」
ため息をつきました
いやダメでしょ?
今、大会の真っ最中で、他の小学校で、他の学校の先生(監督)が周りにいるよ?
いくらオレが嫌いだからって、ガン無視ですか?!
チームメイトも取り巻きだからって以下同文
なんか突然『イヤイヤスイッチ』が入っちゃったみたいです
こんなところではカンベンして欲しかったです
いやね、ときどき『スイッチ』が入ってイヤガラセされまくりですわ
まあ、先生のプライドをベキベキにぶっ壊しちゃったのはオレだけど・・・
あれっ?
なんで監督との関係が悪いんだっけ?
どうせオレがいらん一言を言ったんだよな、たぶん
昔すぎて忘れちゃったよ(テヘッ)
「「「「「「・・・」」」」」」」」
子供達が困ってます
仕方がありません
この中で一番年上のオレが仕切りますか
『身体は子供、頭脳はアラフォー』ってコナン君ですから(笑)
まずは褒めてみます
「前半は言いできでした、いい具合に点がとれました」
最初にホメる
コレ基本です
そうしないとヘソ曲げます
前世でエライ目にあいましたよ
主に、ゆとり世代に!
ゆとりが失敗したので「そこは○○しないいとダメだよ?」って教えてあげたんですわ
そうしたら<キッ>と睨まれましたわ
そんでもって口きかなくなったんですわ
二十歳すぎた四大卒がやるか?!
って思いましたね
さすが悪名高い『ゆとり世代』
ハンパないです
だから勉強しました
某提督の
「言ってみて、やって見せ、褒めてやる」
ってのまで勉強しましたよ
ほんと大変でした・・・
そんでもって、褒めた後は、ちょっとだけオトします
「ケガするのはダメです、注意しましょう」
ってね
まず上げる、そんでもってちょっとだけ落とす
コレ基本ね?
幼稚園児相手かよ?!って感じが大事です
そこまで自分のレベルを落とします
これを二十歳すぎのゆとりにした時なんて、なさけなくって涙が出そうになりました
今は小学生相手なのでちょっとしか気分が落ち込みません
まあ、監督への当てつけですから『ドヤ顔』で『ノリノリ』なんですけどね
だって上手くいけばいくほど、メシウマです
そんでもって本題です
「ケガした人はいますか?」
そう聞くと
「擦り剥いてケガしました」
「ぶつけたところが青アザになった」
「足首捻って痛いです」
出るは出るはケガのオンパレード
相手のチームがラフプレーしてくるからってムキになってやり返しすぎ!
倒されまくるは、倒しまくるは、ボールを使った格闘技かよ?!
って思いました
見ていて目眩がしてきましたし(笑)
でも遠目に見ている分にはケガしてるのに気がつきませんでした
近くで見ると、リアルに血が流れてます
あ、やばい
今度はオレの『スイッチ』が入りそうです
息をゆっくり吐いて心を抑えます
オレは事故によるケガでサッカー出来なくなった過去があります
トラウマです
そのためにケガに過剰反応します
ヤバイ、ヤバイよ@出川師匠
ホント、マジやばい
「ケガした人は救護所に行って治療を」
なんとか指示を出しますが顔が強張っているのが自分でも判ります
周りの子供達がなんか怯えてます
相手チームを殺る方法を一生懸命に考えてました
「フッフッフッ・・・」
思わずこぼれ出る呟きに周りがドン引きしているのに気がつきませんでしたわ