第１２話　プロ野球２０１２年開幕！

第１２話　開幕したよ

　

　ゴットゥーザ様（後藤光尊様）が打席に立つ。今日４度目だ。開幕早々、３打席目に１安打。きっと今シーズンは昨年と違い、調整がうまくいったのだわ。

　９回、１－３。２点ビハインド。ノーアウトでゴットゥーザ様。

　相手投手は、ファルケンのフニャ◯ン野郎（ソフトバンクファンのみなさま、ごめんね）。外人のくせにセックスアピールの無いばかやろうだわ。まだ、マッチ（松田宣浩選手、ex中京大中京高）のがマシ。

「あんたが黒人さん好きなだけでしょー！」

「だまってなさい、あんたは！　そんなこと言ってると、今度の現国と古文の点数、０点にするわよ！」

「うわー、横暴だー。あっきー先生はおにやー」

　と、バカ部員（ドアホ）の戯言は無視して、私は目の前の液晶テレビに集中する。

　ああん、ゴットゥーザ様、今シーズンもかっこいいわぁ。

　そして、鮮やかに打った。センター定位置の少し右に山なりのボールが落ちる。緩慢なセンターの動きを見て、ゴットゥーザ様はそのまま猛然と２塁を陥れた。

　素晴らしいわ。これで御年３２歳だなんて、信じられない。もうピクピク着ちゃうっ！

　年々その渋さとセックスアピールが増している。もはやオリックス界の至宝、ルパン３世で言ったら次元級の存在だ。

「オリックス界って……。どんだけせまいんですか！　人、一万人くらいしかいませんよ。そして、なぜルパン？」部員その１は今日も元気だ（ひでえ）。

「なにいってんの！　そんだけいれば、十分じゃない！」

　実際には八千人というところだろう。

　ウワサでは関西人の９割９分は、ほとんど阪神ファンだという。日夜、甲子園で酒臭いヤジとも罵声ともつかぬ奇声をあげているのだとか。

　そして、残りの１分のうち、８０％が巨人ファン、１５％が西武ファン。オリックスはその他のいったいどれくらいなのか。神戸市民はせめて、セ・リーグは阪神、パ・リーグはオリックスと、２倍の応援をすべきだ。

　こんなにイケメン揃いで、魅力のある球団が他にあろうか。いや、ない。（反語かよ）

　とか言ってる間に、オリックスは、ファルケンの野郎に抑えられちまいました。おい、気張れ髭面！

「Ｔ－岡田選手は頑張りましたよ！　きっと今年は６番でやってくれます！」

「ふん、イケメン以外をかばう必要はないわ。岸田にしなさい、岸田に！　３０を超えて、ちょうど食べごろよ！」

「食べごろって……」どん引きの部員共。だから、あなたたちは三流なのよ。援交をしたり、巨人を応援したりするのよ。（極端すぎだろ）

　岸田護（履正社→東北福祉大→NTT西日本）選手は、オリックス界のイケメンナンバー２である。きっと今シーズンはセーブ王をとるだろう。

　なぜってイケメンだから。