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延々と並ぶ依頼を流し見ながら、
「レベル1だと、いくら修太郎君が強いとはいえ都市外に出すわけにはいかないわ……だから都市内の依頼で経験値が多いものを探すね」
「お願いします!」
大人しく待つ修太郎。
ルミアは画面をスクロールさせていきながら、一つの依頼を修太郎の前へ掲示させた。
○○○○○○○○○
依頼内容:蜘蛛の糸が欲しい
依頼主名:ケイトリン・ミュラー
有効期間:48:00:00
依頼詳細:強靭で軽い防具を作るためイリアナ・スパイダーの糸がたくさん必要だ。状態が良いものには割り増しで報酬を用意するよ
必要材料:蜘蛛の糸(0/5)
報酬内容:450G/ 550exp
○○○○○○○○○
その内容を不思議そうに眺める修太郎。
ルミアは優しい表情で丁寧に教えていく。
「これはね〝納品依頼〟っていうものなの。依頼内容的には外に出て素材を集めるタイプなんだけど、これは手持ちに素材があれば依頼完了扱いになるわ」
「なるほど。でも僕、イリアナ・スパイダーの糸は2つしか持ってないです」
「ふふふ。これは例えばの依頼だから気にしないでね。修太郎君が持ってる素材によって、依頼を逆に検索掛けるのもできるの。あとはあそこの――」
そう言いながら、ルミアはある場所に視線を移す。修太郎も視線を移すと、そこには〝素材屋〟と書かれた店があった。
「もし素材が無くても、お金と交換で素材を手に入れる事はできるわ。平原の適正である〝レベル5〟までの素材は無償で渡してるから、手持ちの素材が無ければまずそっちを利用してみる?」
優しく問うルミアに、修太郎は一度
デミ・ラットの尻尾 ×1
イリアナ・スパイダーの毒牙 ×2
蜘蛛の糸 ×2
ゴブリンの耳 ×74
ゴブリンの腰布 ×59
ゴブリンの棍棒 ×27
ゴブリンの短剣 ×20
盗賊・ゴブリンの頭巾 ×5
盗賊・ゴブリンの短剣 ×2
ゴブリン・リーダーの牙 ×1
ゴブリン・リーダーの剣 ×1
ゴブリン・ソルジャーの耳 ×8
ゴブリン・ソルジャーの剣 ×3
ゴブリン・ソルジャーの鎧 ×5
ゴブリン・メイジの耳 ×12
ゴブリン・メイジの杖 ×4
ゴブリン・メイジのローブ ×6
キング・ゴブリンの大牙 ×2
キング・ゴブリンの宝石 ×1
キング・ゴブリンの大槌 ×1
「ゴブリンの素材なら沢山あります!」
それを聞いたルミアは、ゴブリン素材の納品依頼を検索にかける。
「ゴブリンなら蜘蛛の糸よりも経験値が貰えるわ。因みに上位種のゴブリン素材もあるの?」
「ええと盗賊とリーダー……それとソルジャーとメイジの素材もあります!」
修太郎は混乱を防止するため、キングの素材は出さないように心に留めながらそう答える。ルミアは申し訳なさそうに頷く。
「ごめんね、盗賊とリーダーのは依頼があるけど、上位種の依頼はアリストラスに入ってこないの。それを経験値に変えるならカロア城下町で出来る筈だから、売らずに取っておくといいかもね」
頷く修太郎を見て、ルミアは続ける。
「うちで納品できるのは〝デミ・ラット〟〝デミ・ウルフ〟〝イリアナ・バット〟〝イリアナ・スパイダー〟〝ゴブリン〟〝盗賊ゴブリン〟〝ゴブリン・リーダー〟のみだから覚えておいてね。とりあえず、この依頼を送るから納品できる数だけ全部納品しちゃってね!」
(β時代はゴブリンをメインに狩ってたのかな? ならこの子の装備は
そう思考を巡らせつつ、ルミアは依頼を修太郎に送った。
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依頼内容:いけすかねえアイツを倒せ!
依頼主名:ドール・マル
有効期間:48:00:00
依頼詳細:うちの農場を荒らすゴブリン共を倒せるだけ倒してくれ。素材は全部買い取る! なんでそんなに必要かって? 農場の周りに見せしめとしてぶら下げてやるからだぜ!
必要材料:ゴブリンの耳(0/3)
いずれか:ゴブリンの腰布(0/2)
:ゴブリンの武器(0/1)
報酬内容:200G/ 500exp
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依頼内容:ぜってー許さねえかんな!
依頼主名:ドール・マル
有効期間:48:00:00
依頼詳細:出荷の途中で盗賊ゴブリンの奴らに商品を全部盗まれた! 俺は決めたぜ、あいつらの頭巾を被って巣の中に紛れ込んで奪い返してやる!
必要材料:盗賊・ゴブリンの頭巾(0/2)
報酬内容:1000G/ 1200exp
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依頼内容:俺は気付いちまった……!
依頼主名:ドール・マル
有効期間:48:00:00
依頼詳細:全ての原因はゴブリン共の親玉であるリーダーが悪いんだよ。こいつさえ居なくなれば、俺の野菜は高く売れてた筈なんだ! あいつを倒せば俺の悩みは解消だ!
必要材料:ゴブリン・リーダーの牙(0/1)
いずれか:ゴブリン・リーダーの剣(0/1)
報酬内容:3000G/ 3500exp
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