064
ロス・マオラ城に戻ってきた修太郎達。
それに気付いた
「主様! お怪我などありませんか?!」
「う、うん。僕は大丈夫だよ!」
ここは王の間、今いるのはバンピーのみ。
そう言いながら、修太郎は玉座で留守番をしていたプニ夫を抱きしめ深い溜息を一つ。
(リヴィルさんは、本当に死んじゃったんだよね)
はじめて目の当たりにしたプレイヤーの死。
精神強化による恩恵で落ち込む程度に抑えられているが、修太郎にとっては大きな衝撃であった――それと同時に、修太郎の中にあった決意が揺るぎないものとなっていた。
修太郎の近くへと歩み寄るエルロード。
「主様。他の者との交流で何か収穫はありましたか?」
修太郎は頷く。
「うん。素顔を晒しながら皆を連れて歩ける条件はわかったよ」
「流石は主様ですね。して、その方法とは――?」
修太郎はエルロードとバンピー、そしてプニ夫へと視線を移し、頭を悩ませる。
(やっぱり本当に召喚獣じゃなきゃ――)
そこまで考えた時に、修太郎は閃く。
自分とエルロード達がしてなくて、リヴィルとアイアンがしていた事の違いに気付いたのだ。
「そうだ! パーティシステム!」
修太郎が勢いよく玉座から立ち上がる。
二人の魔王は小首を傾げた。
〝これは
「僕たちは
修太郎はそう力説しながら、手始めに目の前の二人にパーティ申請を送った。
二人は見慣れない表示に困惑の表情を浮かべつつも、他でもない修太郎からの申請、迷わず〝承認〟を押す。
すると――
修太郎(L) 剣士 Lv31
+AcM エルロード
+AcM バンピー
「できたあ!!!」
「おめでとうございます」
歓喜の声を上げる修太郎。
エルロードとバンピーが安心したように拍手する。
本来
召喚獣や従魔となったmobは、主だけでなく全てのプレイヤーの味方であるためAcMと表記されるが、エルロード達のように気分次第でプレイヤーもろとも殺せる存在は、プレイヤー全ての味方とはいえないため〝boss mob〟の表記のままであった。
表記が変わるトリガーは《mobがパーティにいるかどうか》
それをクリアーした修太郎は、残る一つの条件をクリアーさえすれば素顔を晒したまま魔王達を連れて歩けるようになる。
残る条件とは、
「さっそく転職で召喚士に変えてくるね! そしたら皆と町を歩けるよ!」
そう言って、無邪気に笑う修太郎。
二人の魔王は、自分達と一緒に歩くためひたむきに努力する主の姿に心を打たれていた。そして主の初めてのAcMとなれた事に、言えもしない優越感を抱いていたのだった。
* * * *
アリストラスの職業案内所前に、青と白のオーラを纏った少年が立っていた。
『主様。私とバンピーの加護を与えた事をお許しください。しかし、レベルが1に戻るのであればその危険度は跳ね上がりますので――』
『ううん、分かってる! 心配してくれてありがとうね』
取り繕うように念話を飛ばすエルロード。
魔王達の固有スキルの一つである〝加護〟や〝庇護〟は施した対象に彼等独自のオーラが現れるため非常に目立つ――それ故に、修太郎が一人で行動すると決めた際も、プレイヤー達に溶け込むのが目的だったため加護は付けられなかった。
しかし今回は訳が違う。
修太郎は
『じゃあ行ってくるね』
『いってらっしゃいませ』
念話を済まし、職業案内所へと消える修太郎。そして彼は剣士レベル31を捨て、デスゲームの世界で召喚士レベル1となったのだった。
name:修太郎
job:召喚士
Lv.1
LP [120 / 120](+加護と装備)
MP[200 / 200](+加護と装備)
STR_5(+加護と装備)
VIT_5(+加護と装備)
AGI_5(+加護と装備)
DEX_5(+加護と装備)
MAG_8(+加護と装備)
LUK_5(+加護と装備)
固有:ダンジョン生成
剣術 Lv.100
体術 Lv.100
杖術 Lv.1
召喚術 Lv.1
交渉術 Lv.1
眷属強化 Lv.1
魔石生成 Lv.1
火属性魔法 Lv.1
闇属性魔法 Lv.1
見切り Lv.100
三連撃 Lv.100
三連波 Lv.100