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第六十話:『やたらと襲撃される魔法学園の結界』

「あけましておめでとうございます。おせちはこちらに準備してあります」

『新年はとっくに明けていますがね』

「でもなんだかんだ晴れ着を着てくれている女神様」

『食に対しては形から入ることもやぶさかではありませんから。しかし着物は帯の圧迫感になれませんね』

「では少し着崩してみてはいかがでしょう」

『そうですね、ではお願いします』

「おっと、これは発作中だ」

※女神様は十話に一度、人恋しさが暴走する発作があります。前回(五十話)はある意味例外

『おや、人に肌を晒せと言っておきながら距離を取るとは、感心しませんね』

「隙だらけのように見えて、まるで隙を感じなかったので」

『上手く隠せたと思ったのですが……まあ少しは抵抗してもらった方が襲う方も気が楽というものです』

「台詞が完全に強者のそれなのですが。あ、ちょっと待ってください」

『私が言うのもなんですが、この状況下でスマホを取り出す神経は凄いですね』

「田中さんからメールが来まして、新年の挨拶に伺いたいそうです」

『ふむ、私としては人恋しさを紛らわせられるのなら――』

「【今は来ない方が良いです】、送信っと」

『そういう独占欲を見せるところは嫌いじゃありませんよ』

「独占欲と言いますか、田中さんの恋人のことを考えると不憫過ぎますので」

『私としてはその恋人ごとまとめてでも構わないのですがね』

「台詞が完全に強者のそれなのですが。いつも以上に色っぽいのに狂気が見え隠れしている」

『果たして何秒持ちますかね。紅鮭に助けを求めても構わないのですよ』

「台詞が完全に強者のそれなのですが。うーん、実際に紅鮭師匠を呼んだらどうなりますかね」

『……内心貴方達に幻滅し、普段使わない力の一つや二つくらい解放するかもしれませんね』

「紅鮭師匠が鮭死にするだけで終わりそう。紅鮭師匠そこまで嫌われる要素あったかな」

『その察しの悪さには普段の私は助かっていますね』

「よくわからないけど女神様の助けになっているのなら喜ばしいことです」

『では今の私の助けにもなってもらいましょうか。大丈夫ですよ、少し四肢の腱を切断されて、私の気が紛れるまでの間好き放題にされる程度ですから』

「台詞が完全に強者のそれなのですが。普段ならあえて受け入れる選択肢も選べるのに、本能が全力で抗えと命令してくる」

※受け入れた場合、正気に戻った女神様の手によって(照れ隠しで)死ぬより酷い目に遭います。あと主人公は積極的にされると弱気になります。

『貴方が悪いのです』

※悪くはないと思います。

「悪いんですかね」

※悪くはないと思います。

『貴方が悪いのです』

※悪いのかもしれない。

「あ、そうでした。以前渡したクリスマスプレゼントがあるじゃないですか」

※前話参照。※多いですね。自重しましょう。

『マフラーならしまってありますが』

「いえ、大きな方ですよ。実は発作が起きた時の女神様に向けて用意したものでして。じゃじゃーん」

『見ても良くわからない機械ですね。これは一体』

「3Dプリンターですね」

『ああ、地球で割と普及しつつあるアレですか』

「操作が面倒だと思うので、こうして端末に触れつつ念じた物をプリントできるようにしてあります。ほら、この通り」

『寸分違わない私の等身大フィギュアができましたね。これちょっとした技術革新なのでは』

「ただイメージ力が結構必要なので、最初のうちは上手く出力できないと思います」

『できましたね、問題なく』

「……お見事です」

『自分の姿を完全にイメージされることの気恥ずかしさに気づいたようですね。私のフィギュアは私の手で処分しておきます』

「お願いします。これならばいくら壊しても作り直せますし、正気に戻った時でも3Dプリンターは無事のままです」

『悪くないですね。ですがまあ、流石に本物の人間と比べれば質は落ちますか。やはり貴方がいる間は貴方で――』

「お、これは高レア演出」

『まだガチャのボタンを押していないのですがね』

「3Dプリンターの端末にも付属してあるのですよ」

『よく見たら隅っこに小さくありますね。新手の詐欺でしょうか』

「えーと、薄いのさんより、『やたらと襲撃される魔法学園の結界』ですね」

『主人公が生活する舞台だからこそ襲撃されやすいのだとは思いますが、確かによくありそうですね。その結界に転生することは早々ないでしょうが』

「誰かを守る存在、悪くないですね。モチベが上がります」

『結界に転生することでモチベが上がる人も貴方くらいのものだと思いますがね』

「そうと決まれば早速……こちらに用意したるは以前と同じ小瓶」

※第四十話参照。毒である。

『――その必要はありません。以前貴方の死体を使っていて感じたことですが、徐々に体温が失われていく死体だと発作を抑える効果があまりなかったですね』

「死後硬直ですぐに硬くなりそうですしね」

『むしろ少し悪化したと言いますか。……仕方ありません、一度だけ、頭を撫でてもらうことで手を打ちましょう』

「それくらいならまあ……手討ちの間違いじゃないですよね?」

『一回のリスポン程度なら安いものでしょう』



「ただいま戻りました。うわぁ、バラバラになった俺の等身大フィギュアの山が……」

『材質は見直すべきですね。ちなみに発作中です』

「首だけになった俺のフィギュアを抱きしめているのを見れば、流石に分かります。結構頑丈に出力できるはずなのになぁ」

『正直な話、実物と違って反応を示さないのでつい力が入ってしまうのです』

「そこはほら、脳内で会話しているような感じでですね」

『それは既に試しました。一時期砕かれる時の貴方の悲鳴を妄想することが少しだけマイブームでしたよ』

「台詞が完全に強者のそれなのですが。とりあえず報告が終わったら片付けないといけませんね」

『そうですね。本物が来た以上、これの役目も終わりでしょう』

「台詞が完全に強者のそれなのですが。俺の生首がゴミのように捨てられる様を見るのはなかなか興奮しますね」

『ではこのソファーに座りなさい』

「……変なことしません?」

『報告の間だけはしないであげます』

「終わった瞬間が怖そうだ。でもまあ無事に報告ができるのであれば……よいしょっと」

『よいしょっと』

「――あの、どうして俺の膝の上に」

『おや、貴方が報告する間私に立っていろと?それとも床にでも座っていろと?無礼ですね』

「変なことはしないと言ったのに……」

『座るだけで変なことと言われるのは心外ですね。それとも変なことがどういうものか身を以て知りたいのでしょうか?』

「では報告させていただきます。小道具を取り出したりしますので、体はこれ以上近づけないようにお願い致します」

『それは貴方の報告の内容次第ですね。やたらと襲撃される魔法学園の結界でしたか』

「はい、ネオマオー魔法学園の結界になってきました」

『名前だけでおおよその背景が分かりますね』

「勇者に倒され深手を負わされた魔王が、新たな魔王候補を見つけ出すべく創り出した魔法学園ですね」

『元魔王が学園長、やたらと襲撃される理由が想像に容易い』

「そうですね。やはり魔王だからと借りた開校資金を返さないと借金取りが来ますからね」

『想像の範疇外。てっきり魔王の目的を阻止するために勇者辺りが襲撃しているのかと思いましたが』

「勇者は魔王を倒した功績を称えられた後、褒賞を使ってリゾート経営に勤しんでいますからね」

『第二の人生をしっかりと歩めているのは評価が高いはずなのに、怠惰に感じてしまいますね』

「今回の主人公的ポジションですが、ネオマオー魔法学園に通うヤードという少年でした。ネタバレすると将来の次期魔王になった男ですね」

『舞台説明と主人公という説明だけである程度予想はできますがね』

「ヤードは借金取りから逃げていたところを同じ境遇の魔王に拾われ、学園に編入することになります」

『その境遇が被っちゃいましたか』

「ヤードは同じ境遇の魔王に憧れ、魔王を目指すために魔法を学ぼうと決意したのです」

『憧れちゃダメな境遇ですね』

「あと一目惚れも入ってますかね」

『女性の魔王でしたか』

「この世界の借金取りは様々な方法で取り立てようとしてきますからね。山賊や傭兵団を雇っての攻撃は当然として、時には国の兵も動かしてきましたよ」

『その借金取り、王様でしょうかね』

「ちなみにこちらが遠くから見たネオマオー魔法学園です」

『ファンタジーと科学が入り混じったような創造性の高い建物ですね。周囲を覆っている球体が結界、貴方でしょうか』

「そうですね、わかりやすい比較写真をどうぞ」

『結界の形がピースサインに。自由にやっていますね』

「学園を日夜守る結界として働いていましたが、じっとしているだけというのも暇でしたからね」

『結界が勝手に動いたら誤作動を疑われるでしょうに』

「そのへんはおおらかな性格の魔王でしたから」

『おおらかでも二度見くらいはしそうですがね』

「魔法のあるファンタジーな世界でしたが、色々と魔法技術を応用した兵器なども多く、三日に一度は魔導砲の攻撃が俺に届いてきましたね」

『魔法を軍事利用かつ文明として昇華しているのは意外と発展進度が高いですね』

「まあ出力に頼っただけの攻撃だったので、吸収すれば結界維持の魔力として取り込めましたし、そのまま受けても肩こりとかとれましたよ」

『軍事技術が医療技術に応用されるのはよく聞く話ですが、そのまま応用されるのはなんとも……いえ、そもそも結界なのに肩があるのがおかしいと言うべきですね』

「普段は外部からの攻撃を防ぎつつ、適度に進入を許すのが日課でしたね」

『日課で侵入者のいる学園はちょっと嫌ですね』

「侵入者を追い返すのは基本的には学生の役割でしたね。良い訓練になるとのことで、ちょっとした習慣になっていましたよ」

『日夜忙しそうな学園ですね。しかし学ばなければならない学生達に侵入者の相手を任せるというのはどうなのでしょうかね』

「そのへんはおおらかな性格の魔王でしたから」

『危機感がないだけでは』

「まあ確かに学生に任せるには危険な相手もいましたが、そこは教師である元魔王軍幹部なども頑張っていましたよ」

『紅鮭あたりがいそうですね』

「いえ、紅鮭師匠ですが、今回は勇者の経営していたリゾートで料理長として頑張っていましたよ。ほら、こちら送られてきた写真です」

『紅鮭な割烹着の男が腕組をしていますね。異世界転生して料理……なくはないですが、魚が魚を捌く仕事というのも』

「そのへんはおおらかな性格の勇者でしたから」

『勇者もおおらかでしたか』

「教師だけで対応できない案件の場合は、俺もこっそりと侵入者の排除を手伝ってましたね」

『学園を覆っている結界がどうこっそり動くのやら』

「そりゃあ空の上にいるんですから、学園内を歩いていたら魔法で狙い放題ですよ」

『ある意味自動迎撃装置のようなものですね』

「室内だと窓から覗くくらいしかできませんが、道に潜んでいる侵入者ならすぐに見つけられますからね」

『そうですね。ところで窓から覗きをしていましたね?』

「膝の上でジリジリにじり寄られることの圧力、結構ありますね」

『人恋しくて困っている女神の前で性欲を満たしている報告を聞けば、そうなります』

「基本的にはヤード君を影で応援している感じでしたよ」

『空にいるのに影で応援とは。その次期魔王の成長はどのような感じだったのでしょうか』

「現地人としては優秀でしたね。周囲に比べ随分と柔軟な発想を持っていましたし」

『凝り固まった思想だとモブと変わりませんからね。貴方の場合は柔軟どころか液状、気化してそうですが』

「大抵が借金取りから逃げるための実戦魔法を主体に学んでいたというのも大きそうですね」

『机上の空論よりも実際に行ってから気づくものもありますからね』

「個人的に便利そうだなと思ったのは、相手と会話を続けながら気づかれない内に逃げる魔法ですかね」

『便利そうですね。ちなみに貴方が今使用しようとしている魔法でしたら既に打ち消してありますよ』

「発動しない理由がわかりました。便利だと思ったんだけどなー」

『何度も逃げられていますから、魔法対策は万全ですよ』

「忍術対策はどうでしょうか」

『デタラメな忍術ですと、対策は万全とは言い難いですかね。貴方の脳の一部を事前に破壊し、忍術を使わせないという手段は取れますが』

「全体破壊のリスポン案件は平気ですが、半端に生かされるのはちょっと困りますかね。自重しておきます」

『この私が譲歩しているのですから、貴方もある程度は覚悟を決めて欲しいものですね』

「徐々に外堀を埋めていかれている気がするのですが」

『埋めていますよ。頑張って掘り直してください』

「努力します。それでヤード君ですが、実戦を経て順調に成長していきましたね。まあ憧れの魔王に届くにはもう一つ成長イベントが必要な感じでしたが」

『成長イベントは欠かせませんね』

「そして訪れた修学旅行イベント」

『学園ものとしては大きなイベントなのですがね』

「旅行先はブレイブリゾート」

『そこ勇者経営のリゾート地ですよね』

「近場の旅行先で手頃なのがそこしかなかったようです」

『自分を倒した勇者の経営するリゾート地に向かう理由が弱過ぎませんかね』

「そのへんはおおらかな性格の魔王でしたから」

『魔王がおおらかでも、目の前に仕留めそこねた魔王が現れたのを勇者が見逃すとは思えませんが』

「そのへんはおおらかな性格の勇者でしたから」

『宿敵相手におおらか過ぎませんかね』

「勇者の方も世界が平和になったばかりで、リゾート地に旅行するような団体はなかなか巡り会えなかったんですよ。経営とかつての因縁を比べたらおおらかにもなりますよ」

『割と理由がシビア』

「ちなみにこちらが修学旅行先でのヤード君と魔王のツーショットですね」

『少年が色っぽい女性に肩を抱かれて顔を赤らめていますね』

「ヤード君の才能は認められていましたからね。距離感は結構良かったですよ。ほら他の写真でも結構仲が良さそうでしょ」

『そうですね。時折敵らしい人達が地面に倒れている姿が写り込んでいるのを除けば、ラブコメチックな雰囲気を感じられますね』

「借金取りは何処にでも現れますからね。あ、この写真は俺も映ってますね」

『学園はどうした、結界』

「ネオマオー魔法学園は魔王ありきの学園です。即ち魔王のいるところが魔法学園、俺が守る場所なのです」

『貴方がいるのは宿敵の経営するリゾート地でしょうに』

「だってほら、皆修学旅行に行くのに俺だけ留守番って寂しいじゃないですか」

『だってほらじゃないでしょう。半透明な結界がピースサインをしている光景とか、ちょっとした心霊写真にしか見えないですよ』

「しかし修学旅行イベントはヤード君に試練を与えてきました。勇者はおおらかだったので問題はなかったのですが、共に経営を助けていた勇者の仲間達が攻撃を仕掛けてきたのです」

『勇者パーティーが全員おおらかでないのはなにより』

「生徒や教師の魔王軍幹部達も頑張りはしますが、相手は伝説の勇者の仲間達。苦戦は避けられませんでしたね」

『転生者である紅鮭もいますからね』

「紅鮭師匠は食事の準備で参戦してませんでしたよ。団体客の食事ですから忙しかったそうです」

『完全に裏方ですね』

「今回紅鮭師匠の異世界転生はジャンル的に料理系でしたからね」

『見る視点が異なれば誰もが主人公になれるとは言いますがね』

「窮地に追い込まれた魔王とヤード君、しかしここにきてヤード君は秘密裏に練習していた魔法を使い、勝負にでました。本来ならばこんな場所では使えないだろうと誰もが判断する中、ヤード君は一縷の望みにかけたのです」

『切り札というやつですか。主人公に一つくらいはあってほしい要素ですね』

「それは学園に張られていた結界のエネルギーを自分のものとして発動する必殺技でした」

『誰もが使えないと判断するのが当然でしたね。しかし使えてしまうと』

「ちょうど学園の結界も生徒の引率で修学旅行先に来ていたのが幸いしましたね」

『白々しい』

「数多の魔導砲を吸収し続けた俺の魔力、それはもう膨大でしたからね。ヤード君の放った必殺技は勇者の仲間達だけではなく、リゾートの厨房すら吹き飛ばしました」

『必要のない説明のはずなのに、悲しい紅鮭の結末が見えてしまいましたね』

「紅鮭師匠は無事でしたよ。料理を運んでいて厨房にはいなかったので」

『紅鮭が生きているだけで謎の安堵感がありますね』

「まあ作っていた料理の何割かが吹き飛んだので、結構哀愁のある背中はしていましたが」

『今度飲みにでも誘ってあげなさい』

「そしてなんやかんやあって、勇者側と魔王側は仲良くバーベキューと洒落込みます」

『ついさっきまで盛大に戦っていたのに、なんやかんやで片付けられましたね』

「そのへんはおおらかな性格の魔王と勇者でしたから」

『そもそも争っていたことが不思議にさえ思えるおおらかさですね』

「元々魔王は過激な性格だったようですが、勇者に敗北し自分を見つめ直し、後継者を育てることで色々と心に余裕が生まれていたようですね」

『そうですね。散々英雄を育てている誰かさんのおおらかさも大概ですからね』

「ついでにいうと勇者もリゾート地建設の際に同じ借金取りから借金をしたそうで、意気投合したというのもありますね」

『他者と仲良くする秘訣は共通の敵を持つことだと、誰かが言っていましたね』

「俺の顛末ですが、修学旅行から帰った時に学園が借金取り達の手によって壊滅状態になっていました」

『やたらと襲撃される魔法学園なのに、主人公に魔王、幹部に結界まで修学旅行で留守にしていましたからね』

「ですが困っていた魔王に対し、仲良くなった勇者がリゾート地と施設の一部を貸してくれることになったんですよ」

『おや、随分と優しいことで』

「リゾートの維持費削減と学生の集客を狙ってのことでしたがね」

『シビアが垣間見えますね』

「新たな魔法学園の結界として働こうと思ったのですが、元々の場所に結界の発生装置がありましてですね。襲撃の際に破壊されていたようなんですよ」

『修学旅行から帰るまでの間に消えなかったことに驚きですね』

「情けないことに、本体が破壊されては数年しか持たずに消えることになりました」

『発生装置を破壊したはずなのに、別の土地で数年も維持される時点で相当ですがね』

「その後のことですが、ヤード君は順調に成長し、立派な借金取りハンターになります」

『魔王になったのではないのですか』

「後継者としては認められていますから、時間の問題ではありますね」

『あと借金取りはハントするものではないですよ』

「あ、こちらお土産の勇者饅頭です。ブレイブリゾートのおみやげコーナーに売っていました」

『ありがたく受け取りますが……この姿勢では食べにくいですね。食べさせてもらっても良いでしょうか』

「……食べさせた後に降りてくださるのなら」

『仕方ありませんね。膝からは降りてあげましょう。あーん』

※その後登られました。


女神様デレ回だとどうしても転生先の話が薄くなりがちな気がする。これでも通常回よりも文字数多めではあるのですが。

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