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 庭へ行くとお兄様達以外に数名人がいた。

 なんだかお兄様達の所だけ眩しいオーラを放っているわね。

 誰かしら……。あれは、ヒロインの攻略対象達じゃない。まさか庭で会えるなんて。

 そう言えば、お兄様達と仲が良いものね。私は彼らを物陰から眺めた。

 やっぱりみんな目が溶けてしまいそうなくらい顔が整っていらっしゃるのね。

 けど、こんなに早く会えるなんてラッキーだわ。今のうちに私が悪女だという事を植え付けておけるもの。

 私は彼らの顔を見ながら必死に前世の記憶を思い返した。

 今にも燃えそうな赤髪、ハドソン家のエリック、十歳。火の魔法を専門としている。あの美形たちの中で一番背が高い。

 輝く金色の髪、スミス家のフィン、十歳。光の魔法を専門としている。身長が低く幼い雰囲気。

 神秘的な灰色の髪、エバンズ家のゲイル。十二歳。風の魔法を専門としている。

 眼鏡をかけて大人びている。

 深緑の髪を一つにまとめているのがケンウッド家のカーティス、十二歳。緑の魔法を専門としている。

 多分、一番色気があるんじゃないかしら。

 緑の魔法は五大貴族ではない。この世界には闇、光、水、風、火、以外にもたくさんの種類の魔法がある。

 闇、光、水、風、火、って聞くと、貴族の中でも位が上になる。

 あ、それから、最後に一人……。

 国王の息子、シーカー家のデューク。十二歳。水の魔法を専門としている。

 あの海のような青い髪に、少し小麦肌の美形。身長も結構高くて……私のタイプなのよね。

 他の美形と比べて明らかに何かオーラが違うのよね。

 けど、普通のハッピーエンドだったら、彼とヒロインがくっつくのよね。

 しょうがないわ、今回はヒロインに譲るわ。

 誰か思い出せたし、挨拶に行かないとね。

 私は深呼吸してから美形男子の方へ足を進めた。


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