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第9話  愉快な仲間と歓迎パーティー


 時刻は19時42分。

 担任教師と別れたハルキチは、すっかり暗くなった屋敷町を、招待状に同封されていた地図とにらめっこしながら歩いていた。


「……ここをこう来たから……次の角を左に曲がって……」

『マスター。よろしければわたくしがナビゲーションしましょうか?』


 とある教師にジェラシーを燃やす残念メイドがすかさず自分の評価を高めようとするが、ハルキチはナチュラルにそれを断る。


「いや、大丈夫。そろそろ目的地の【桃兎堂】に着くはずだから」


 そして街頭に照らされた十字路をハルキチが左に曲がると、道の先に目的地らしき建物が見えた。


「ほらあった! たぶんあれが桃兎堂で――」


 と、そこまで言ってハルキチは言葉を失った。

 なぜなら目的の場所が屋敷町の中で非常に浮いた外観をしていたからだ。


 暗闇の中で燦然と輝くピンク色のネオン。

 壁に掲示された『ランジェリー』や『大人のオモチャ』などの卑猥な言語。

 LEDに囲まれた看板の横には色っぽいバニーガールが描かれて、漫画みたいな吹き出しの中に『保健体育の教科書あります❤』と意味深なセリフが入れられている。


「かはっ…………」


 どこからどう見てもアダルトショップな目的地を前に、ハルキチは足を止めた。

 常に主人の三歩後ろを歩いていた専属メイドは、三十歩くらい距離を取って、遠くからハルキチの性癖を称賛する。


『……出会ったばかりのメイドをエッチなお店に連れ込もうとは……流石のラウラもドン引きです、マスター……』

「違う違う違うっ!!!」


 あらぬ誤解をハルキチは必死で否定するが、ラウラは勝手に解釈を深めた。


『ですがマスターがそういうプレイをお望みならば、わたくしも専属メイドとして立派に応えてみせましょう! さあ、どんな恥ずかしい商品を買ってくればいいのですかっ!? ご命令ください、マスターっ!』

「買わなくていいからっ!」


 頭がブラウン管のポンコツロボにアダルトグッズを買わせて喜ぶ性癖などハルキチには存在しない。

 そして二人がアダルトショップの前で仲良く騒いでいると、背後から歩いてきた黒い影に声を掛けられる。


「――む! もしや貴様はハルキチか!?」


 名前を呼ばれたハルキチが振り返ると、そこにはパンパンに膨れた買い物袋を手にした暗黒騎士が立っていた。


「その硬そうな外見は……あん子!?」


 ネトゲで長いことパーティーを組んでいたメインタンクの登場に、ハルキチは思わず漆黒の鎧へと抱きついた。

 ハラスメント設定の上から抱きついてくるかわいいフレンドの姿に、暗黒騎士は苦笑する。


「ふっ、その状態では私の硬さがわからないだろう?」



《――【黒峰(くろみね)・モニカ・あん子】からフレンド申請されました。フレンドになりますか? YES/NO》



 すかさずYESを選択し、ガシャッと暗黒騎士に抱きつくハルキチ。

 長いこと前衛として肩を並べていたフレンドからは頼もしい硬さが伝わってきて、その硬さにハルキチは安堵した。


「お前は相変わらずカッチカチだな……この硬率厨め」

「そういう貴様はかわいくなってしまったな……この変態が」


 戦友との再会を喜ぶ二人に、空気を読まないメイドが水を差す。


『マスター。エッチなお店の前で、黒くて硬くて大きなモノに抱きつくのはお控えください。その外見でその行動はキショいです』


 メイドに痴態を指摘されたハルキチは赤面して暗黒騎士からサッと離れた。


「あー……紹介するよ、あん子……この失礼なブラウン管はラウラ。よくわからない経緯で懐かれて、勝手に俺の専属メイドを名乗っている怪しいロボットだ」

『どうもです』


 ハルキチの紹介で軽く頭を下げるブラウン管テレビを見て、暗黒騎士は鷹揚に頷いた。


「うむ、彼女のことならすでに知っている。ハルキチのライブ配信は見ていたし、なにより私は【さすらいのメイドマスターさん】のメンバーだからな!」


 暗黒騎士のメンバー宣言に、メイドは一瞬で態度を切り替える。


『これは大変失礼致しました。硬くて立派な暗黒騎士様。ちなみに、どれほどの期間メンバーシップ登録をしているのか、お伺いしてもよろしいでしょうか?』


 メンバーシップ登録とは応援したいフォロワーに毎月お金を送ることができる素晴らしいシステムである。そしてラウラはメンバー歴が長いほど位が高いと判断する現金なメイドだった。

 そんなメイドの本性を知る暗黒騎士は、ラウラに金色のカードを掲示しながら胸を張る。


「メンバー歴は十年以上だ! ゴールドなメンバーズカードも持っている!」

『流石です、あん子様! あっ、鎧の一部に汚れが!』


 あからさまに態度を変えて暗黒騎士を磨き始めるラウラを見て、ハルキチはこいつのどこがいいんだろうと心の底から疑問に思った。


「おーい、ふたりとも……そろそろ20時になるから中に入るよー……」


 店先で交流会を始めたフレンドとメイドに、ハルキチはいちおう声を掛けてから桃兎堂の扉を開ける。

 ところ狭しとアダルトな商品が並んだ店内には中央にレジまで続く太い道ができており、そのエッチな道の真ん中にはバニーガールが立っていた。


 ピンクブロンドの長髪。

 真っ白な巨乳と、ピアスの付いたウサ耳。

 人形みたいな顔立ちの中で輝く桃色の瞳には機械的な光が宿り、目の下にできた濃いクマが退廃的な雰囲気を発している。


 腰に手を当てて仁王立ちしていた彼女は、桃兔堂に入店してきたハルキチを確認すると、パチリと指を鳴らしてフレンド申請を送信した。



《――【鯖兎(さばと)リコリス】からフレンド申請されました。フレンドになりますか? YES/NO》



 ひとまずハルキチがYESを選択すると、バニーガールは妖しく笑って口を開く。


「ふっふっふっ……待っていたよハルハル! さあっ! ボクのエロ乳に思いっきり飛び込んでくるといいっ! 他の二人にそうしたように、熱烈なハグを交わそうじゃないか! なんなら胸の谷間で深呼吸してもいいんだよ?」


 男の妄想を全力で詰め込んだようなリコリスの外見に、ハルキチはおじさんの影を感じて抱きつく意思を喪失する。


「……いえ、結構です」

「なんでさっ!?」


 このひとりだけハグを拒否されて涙目になるバニーガールこそ、ハルキチたちのパーティーを束ねるリーダーだった。

 外見はともかく中身は変わらないフレンドの姿に、ハルキチは安堵して優しく微笑む。


「久しぶりです、リコさん」

「……うん、本当に久しぶりだね、ハルハル」


 そしてハルキチは仮想現実に閉じ込められていたフレンドたちと再会した。





     ◆◆◆





 桃兔堂の二階、おしゃれなインテリアが並べられたリビングルーム。

 普通の客では入ることができないリコリスのプライベートエリアで、先に入室していたカンナがグラスを構えた。


「それでは先輩との再会を祝して――かんぱーいっ!」

「「乾杯っ!」」


 カンナの音頭に応えてリコリスとあん子が慣れた様子でグラスを空にする。

 しかし主役であるはずのハルキチは、グラスを両手で持ったまま、ソファの左右を二人の美少女に挟まれて青白い顔で固まっていた。


「ほらほら~、ハルハルも飲んでよ~。今日はキミが主役なんだからさ~」


 左隣りから顔を赤らめたバニーガールが巨乳を押し付けてウザがらみしてくる。


「ちょっとリコさん! おやじ臭い絡みはやめてくださいよ! 偽乳の感触に先輩が青褪めちゃったじゃないですか!」


 右隣りではハルキチの嫁が夫の腕を抱きしめて、浮気を阻止しようとささやかな膨らみを押し付けていた。


「いやだな~、カンナ師。ボクのお乳は天然物だよ? それに既製品のお乳を使っているのはキミのほうだろう?【C‐O‐247型】とは良い趣味してるじゃないか」

「んなっ!? 服の上から乳の型番を当てただとっ!?」

「アダルトショップの店主として当然の嗜みだよ。だけど個人的にはもう少し大きいお乳を装備したほうがいいと思うな。Cカップではあまりにもささやかすぎるよ」

「……やれやれ、これだからおっぱい星人は嫌なのです。Cカップでも十分すぎるほど大きいでしょうに……だいたい脂肪の塊は他人に付いてるからエロいのであって、自分に巨乳が付いてても邪魔なだけじゃないですか」


 自分に乳房を押し付けながら偽乳談義をする美少女たちに、ハルキチは紫に変色した唇からブクブクと泡を吹く。


「よ……よめの中身はびしょうじょ……よ、よめの中身はびしょうじょぉ…………」

「貴様は相変わらず仮想現実でのスキンシップがダメなのか……せっかくかわいい嫁がいるのに難儀なやつだな……」


 壊れたレコードのように呟くハルキチを見て、向かいのソファに座ったあん子が漆黒の兜から呆れた声を出す。

 そんないつものやり取りをするフレンドたちの中に、ラウラは気おくれすることもなくスライスしたサラミとチーズを差し出した。


『皆さま、飲み物のおかわりはいかが致しますか? ……ああっ、マスターは早く乾杯のドリンクを飲み干してください。主役が杯を干さないのは非礼に当たります』


 できるメイドの如く給仕を行うラウラは、青褪める主人の手を取ってグラスに入ったシュワシュワした液体を口元へと運ぶ。


「――ぶはっ!??」


 口から鼻に抜けたアルコールの香りに、ハルキチは我を取り戻した。


「これ本物のシャンパンじゃないか!?」


 修行の一環として世界中の酒を母親に飲まされた経験のあるハルキチは、即座にグラスの中身を看破した。


「なにを言っているんだい? 腐っても高天原は教育機関だよ? お酒なんて存在するわけないじゃないか」

「そうですよ、先輩。それはただの【頭がフワフワする飲み物】です。シャンパンなんて人聞きの悪いことを言ってはいけません」


 頬を赤らめて左右から否定してくる美少女たちに、ハルキチは眉を潜めてグラスの中身を鑑定する。



【頭がフワフワする飲み物】

 分類:教材  レア度:特別  効果:酩酊・小(8時間)

 これは誰がなんと言おうとシャンパンではない。

 高天原では生徒たちの肝機能を正確に再現しているため、お酒の飲み方を覚えるために用意された頭がフワフワする飲み物は立派な教材なのだ。

 だからこれは決して条例違反とかではない。

 ※お酒とタバコは20歳になってから嗜みましょう。



「……なんてグレーな学園だろう」


 ハルキチはジト目で限りなく黒に近いテキストを睨む。

 しかしそんな真面目っ子に、兜を付けたまま生のジョッキをグビグビ飲み干した暗黒騎士が気楽な感じで反論した。


「そうか? 健康被害のない仮想現実で酒の飲み方を教えるというのは正しい教育だと思うが?【状態異常回復薬】を飲めば二日酔いも一発だし」


 暗黒騎士の隣で静かに赤い液体を嗜むブラウン管テレビも、その意見に同調する。


『そうですよ、マスター。これは決して人工知性たちが飲酒に憧れて用意したアイテムではないのです』

「……それ、どうやって飲んでるの?」


 真面目なことを言ってもしょうがないと判断したハルキチは、グラスのシュワシュワを飲み干してその味を楽しむ。

 これくらいならジュースと変わらないし、ハルキチが酔っぱらうことはない。

 室町時代から続く『くの一』の家系に生まれたハルキチは強靭な肝機能を持っていた。


「ラウラ、俺にもおかわり」


 仲間たちの給仕をそつなくこなすロボットにハルキチは空のグラスを差し出すが、ラウラはソファから腰を上げずに赤い液体を楽しみ続けた。


『ああ、マスターはご自分で用意してください』

「……お前は俺の専属メイドだったよな?」


 ハルキチからの指摘に、ラウラは肩をすくめて嘆息する。


『はあ……いいですか、マスター? メイドとは対価をもらって奉仕を行うものなのです。ただの1ENもわたくしに払っていないマスターが、わたくしのご奉仕を受けられるわけがないでしょう? マスター限定のサービス期間はとっくに終了しているのです』

「ええ……じゃあ、なんでみんなの給仕はやってるんだよ?」

『それは皆さまがわたくしのメンバー様だからです』


 ラウラの発言に反応してリコリスとカンナが懐からカードを取り出した。


「そうだよ、ハルハル。さすらいのメイドマスターさんはお金にうるさいんだ。メンバー歴20年以上のプラチナメンバーなボクが言うんだから間違いない!」


 キラリと輝く白金のカードを自慢するリコリス。


「そうですよ、先輩。たとえご主人様になろうとも、メイドマスターさんが星付きメンバーと培ってきた絆のほうが上なのです!」


 カンナはカードの色こそブロンズだが、優れたファンアートなどを寄贈してメイドマスターさんに認められた者の証である星付きカードを自慢した。

 もちろんあん子はゴールドのメンバーズカードを自慢気に掲げている。


『そんなわけで、この場所において最も優先度が低いのはマスターなのです。悔しかったらわたくしにお給料という名のサブスクリプションを行ってください』

「どうりでやたらと馴染んでいるわけだ……」


 本当にこのポンコツメイドのどこがいいのだろう?


 ハルキチにはラウラが人気な理由がわからなかった。

 しかしここで素直に給料を払うのは癪なので、ハルキチは今の会話の中で気になった点に話題を変える。


「というか20年以上って……リコさんたちはずっと高天原に閉じ込められていたんですか?」


 時間の流れが3000倍になった仮想現実で、自分とは異なる時間を歩んできたフレンドたちをハルキチは心配した。


「そうだね……ボクは3期生だから24年、あん子は12期生だから15年。ハルハルの前に来たカンナ師も、すでに3年の歳月をここで過ごしているよ?」


 高天原・真恋学園へのログイン時期は完全な抽選によって決められたため、ハルキチたちの意志でログイン時期を合わせることができなかった。

 何十年もの歳月を仮想現実で過ごしてきた気持ちがハルキチには想像できない。

 フレンドたちとの間にできた時間の壁に、ハルキチは胸が締め付けられるような切なさを感じた。

 そんなハルキチの気持ちを察したのか、リコリスはあえて明るい声を出してとぼけてみせる。


「まあ、何年経とうともボクたちの中身は変わってないけどね! ボクはスケベだし、あん子はむっつりだし、カンナ師は相変わらず神のようなクオリティの巨乳エロ同人誌を描き続けている」

「むっつり言うなバカウサギ!」

「私は変わっていますよ? 主に画力が向上しました!」


 元気な様子を見せるフレンドたちに、ハルキチの切なさが少しだけ和らいだ。

 リコリスはさらに言葉を続ける。


「それに恋愛しないでこの仮想現実に残っているのは、他ならぬボクたち自身の意思さ! 永遠に遊び続けられるゲームがあるなんて、廃人ゲーマーとしては夢みたいな話じゃないかっ!」


 だんだん狂気的な光を目に宿しはじめたリコリスに、ハルキチの頬がひくついた。


「うむ、そこに関しては完全に同意だ!」

「ここは楽園みたいな世界ですからねぇ……残念ながら、私も先輩にキスをしてあげることはできないでしょう」


 嫁からのノットキス宣言にハルキチはいよいよ話の流れがおかしな方向に向かっていることに気付きはじめる。


「そんなわけでハルハル……ここから先はボクたちが創った部活動(クラン)への勧誘だよ?」


 ハルキチが逃げ出せないように、リコリスとカンナは左右の腕をガッチリと抱きしめる。


「ちょ、ちょっと二人とも……!?」


 そしてソファから動けなくなったハルキチの前で、あん子が一枚の入部届をテーブルの上に置いた。


「さあ、ハルキチ……この入部届けに母印を押すんだ。大丈夫、他の必要事項はすでに書いてあるから」


 唐突な展開にハルキチが困惑していると、右手の親指からムニュッと柔らかい感触がして、カンナが朱肉を押し付けたハルキチの右手を力づくで持ち上げた。


「いや~……高天原の部活動って、部員が4人からじゃないと承認されなくて……我々はずっとこの瞬間を待ち望んでいたんですよ……」


 ハルキチの親指が向けられた入部届けには【恋旗殲滅団】という謎の部活動の名称が記されている。


「ちょっと待って!? これなにする部活動!? 入部するのはいいけど……先に活動内容くらい教えてほしいんだけどっ!??」


 狂気に染まった仲間たちへとハルキチが抵抗すると、リコリスが耳元で彼女たちが創設した非正規クランについて説明した。


「ボクたちのクラン【恋旗殲滅団(フラグブレイカーズ)】の目的は、高天原へと永住することさっ! 真実の愛なんてクソ食らえ! ボクたちは永遠に、この電子の世界で面白おかしく生きていく! キミならこの崇高な志しが理解できるだろう?」


 ウフフフフ……と怪しい笑みを浮かべる廃人ゲーマーたちに、ハルキチは頭を抱えたくなる。



 ……ダメだこいつら……早くなんとかしないと…………。



 いちおうヘルプの眼差しを専属メイドへと向けてみるが、空気が読めるロボットは頭の画面に『NO SIGNAL』の文字を表示させ、完全に停止していた。


 こいつっ……マスターよりも課金勢に味方してやがるっ!


「さあさあっ、ハルハル! 早く入部届けに母印をっ! 非正規クランから正規クランに昇格することで様々な利点があることは、ゲームが好きなキミならわかるよね!? お願いだから自分の意志で押しておくれよっ! ボクたちはキミ以外の部員なんていらないんだっ!」


 あまりにも必死に勧誘してくるリコリスの姿に、いたたまれなくなったハルキチは自分の意志で入部届けに母印する。

 廃人街道を爆進するフレンドたちの姿は、自分の鏡を見ているようで見るに堪えなかった。

 ハルキチが親指を押し付けると入部届けは光り輝き、燃えるように消えるとアナウンスが流れる。



《――規定の人数に達したため【恋旗殲滅団】が部活動として認められました》

《――部長は【鯖兔リコリス】です》

《――部活動として得られる特典については生徒手帳からご確認ください》

《――ハルキチは【恋旗殲滅団・団員証】を手に入れた!》



 アナウンスを聞き終わったカンナが感激してハルキチへと抱き着いた。


「先輩っ!」


 反対側からは涙目になったリコリスも抱き着く。


「ハルハルっ!」


 そしてログアウトの難易度が跳ねあがったことに遠い目になるハルキチへと、向かいの席からあん子がサムズアップする。


「ようこそ【恋旗殲滅団(フラグブレイカーズ)】へっ! これで私たちは真の戦友だっ!」


 愉快で残念な嫁とフレンドたちに囲まれたハルキチは、いつか自分と彼女たちを真人間に更生させることを心に誓った。








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