捏造の王国 その69 地獄の黄金週間イベント!俺らが死んだのはニホン国の誰のせい?討論開催
GW直前帰省した地獄の書記官。ニホン国の死者を食い止めるため、連休明けから誰に主に貼りつくか悩んでいた。奪衣婆の提案で、ニホン国での超過死亡率の責任がだ誰にあるのか、亡者の大討論で決めようということになり…
4月には珍しい寒さが来たかと思うと20度を超える暑さが続く乱高下気候のニホン国。久しぶりに何の規制もない春の大型連休到来であったが、各種値上げに、ロシアのルーブルよりも安い円安に、第何派かも数えられない新型肺炎ウイルスの蔓延などイヤーな話題も満載である。ウイルス対策など、すでに御用学者オンミ博士が匙を投げたかのような180度転換のご意見に今までの反省が1ミリもない国民の良識に丸投げの対策を口にするというハチャメチャな状態。さらに“正常な判断できませーん”でトップを降りたアベノ元首相だの、政治家から足をあらったはずのハシゲン・テツ氏などがあーだこーだいうものだから、国民も食傷気味である。その雰囲気が移ったのか、ここ地獄の賽の河原でも、だらけた会話がなされていた。
「あー、どーしたいいんでしょうかねえ、奪衣婆さん」
「そういわれてもねえ、わたしだってわかんないよ」
と河原に座って気のない返事をするのは地獄の入り口常駐の奪衣婆。悩んでいるのは現世に出張中のはずの地獄の書記官。ニホン国の連休に便乗し、地獄に一時戻ってきたものの、連休明けの仕事についての相談?をしているようである。
「ニホン国の誰に主に貼り付いていれば、これ以上の混乱を防げるかが問題でして」「それはもう今のキジダダ総理じゃないの?一応今のトップだし」
「しかし、アベノ元総理がよくわからない発言をあちこちでしてますねえ。あの人自分がロシアのプータンさんとマブダチ宣言してたくせに、すっかり忘れたんですかねえ」
「あのオッサンに普通の知性を期待するのは無理なんじゃないの、ジーサンのキジさんだたかが、“もう少し賢ければ、ワシの地獄の刑期を減らしてもらえるのに、あ、あれほどのアホだと罪状が逆に増えるー”とか嘆いてたそうだし。下手すると現世に逃げて孫を連れて戻りそうだわ」
「いっそ、それも…。いや、ガースさんも復活を願って暗躍しそうだし」
「まったく若人に相手にされてないって話もあるけど。まああの人はからかいがいが案外あるけどねえ。トップは無理だけど、裏でなんかやりそうだよねえ」
「もちろん、キジダダ総理も責任があるんですか、そのー」
「あー、じゃ、いっそ最近の亡者さんたち集めて討論でもやってみる?ニホン国の大型連休イベントみたいに、現世を懐かしんで出たがる奴もいるかも」
「閻魔大王様から許可おりますかねえ」
「わかんないけど、新型肺炎ウイルスが出てきて以来、ニホン国の死者が激増して大変だからねえ。オマケに書記官さん、アンタも出張中だもんだから仕事が滞って、グチってるらしいよ、大王様」
「さすがに私も見張りつつ、地獄で裁判に参加するのは難しいですからねえ。せめて数人、できれば一人に絞れればだいぶ仕事も減るんですが」
「それ、閻魔大王様に強調しといたほうがいいよ」
「あー、賽の河原で初開催、“俺たちが死んだのはニホン国の誰のせい?大会”の始まりです、あーそこの亡者さん、“妻が出て行ったのが悪いんだー!”って私怨での主張はご遠慮ください、ニホン国の多数の死者の責任を問うものでありましてー、ってなんで私がこんなことしなきゃなんないの!」
「奪衣婆さん仕方がないんですよ、地獄行きでない死者の方々もいらっしゃいますんで、入り口の賽の河原での開催となりまして、となるとそこの主の奪衣婆さんが司会ということにー」
「書記官さん、ごちゃごちゃ言わないでください。では、まずは現世で奥さんが裁判で頑張っている元官僚のアカギギさんから。ご存じでない方もいらっしゃる方は軽ーく説明を、アベノさんがモリモリカケカケ学園に肩入れしていろいろと悪いことをしたのを誤魔化すために公文書改ざんさせられて悩みすぎてこちらに自らこざるを得なかったという方です。理由が理由なので地獄行きは検討中。では」
と、長めのしゃべりの後にできたのは、中年の真面目そうな男性。死因は縊死のせいか
やたら首周りを気にしている。
“やはり、私はアベノ元総理に一番責任があると考えます。もちろん、私が彼の利権といいますか、お友達びいきの無茶な学園開設のために無理強いをされ続けて死を選んだということもありますが、弱者を軽視し公的援助を出し渋り続けたなどの罪は重いと思います。それに今現在ロシアのプータンの無茶な侵略を間接的に後押しし、さらにニホン国を戦争に巻き込むような発言をしつづけています”
“そーだ、新型肺炎ウイルスの最初の蔓延のきっかけをつくったのもアベノだ!あの船の隔離は医学的知識もない不倫馬鹿官僚にまかせるわ、学校閉鎖とかいって肝心の三密な通勤電車は野放図だわ、俺らが罹患したのはやつのせいだ!”
“だいたい国会で嘘つきすぎ、マスコミも擦り寄るし、俺らはウイルス対策の右往左往で死に追いやられたんだぞ”
“弱者軽視が酷すぎ、結局私らが餓死したのはあの無知無恥オジサンが原因なのよ!まあアトウダさんもだけど”
と、アベノ元総理に対しての様々なご意見?がでていたが、
“いや、ガースさんもヒドイ!何がパンケーキですか!結局国際大運動大会やっちゃうし。ワクチンわけわからんトラベルキャンペーンはつづけるしで無茶苦茶ですよ”
“だいたい、総理になったって、ろくでもないよな。ワクチンを融通してもらおうってのに、最高責任者に話も通さず会いに行こうとして断られるし、地元で推薦した候補が市長選負けるし、ガース前総理は全く人気がないから、一緒に写ったポスターをジコウ党の候補者が嫌がってたんでしょ、だから降りたし”
“そのくせ降りたくせに、また何のかんのと画策してるんでしょ。だいたいアベノさんがあれだけの無理を通したのはガースさんの暗躍だそうじゃない。恫喝に脅迫めいた電話をするわ、しっかりした報道する人たちを陰険につぶし続けて、マトモなマスコミなんてもう絶滅もんだわよ、特に西のほう。メイジの党みたいなメディアを操ってヨイショ宣伝ばかりさせて自身の支持者でさえ間接的に地獄行きにさせるようなトコを出したのはあの人のせいよ!”
と、ガース前総理の責任を訴える亡者たち。
「あー、皆さん討論ですので、発言は順番に」
と奪衣婆が制止しようとするが
“いや、キジダダだってひどいぞ!金やるとかやらないとか、トラベルキャンペーンするだのとあっちこっちにいい顔しやがって!そのあげく俺たちは失業が長引いて餓死するはめになったんだぞ。そのくせ、ウィルス対策で会食禁じておきながら、自分は毎日会食三昧、ほんと庶民無視のおぼっちゃまだぜ、どうしようもない!”
“アベノだのガースだのがいつまでも大きな顔しているのもキジダダのせいだろ!間違った政策をそのままにやり続けるし、アベノだのがガタガタいうとすぐなびくし!それで実質医療崩壊だ!手術が予定通りに行われてればオレはまだ生きてた!そっちの女の子だって助かったんだぞ!”
“異次元の緩和とか言いながら、異次元の円安だ!おかげで会社の首切り加速、いつになったら経済が上向くんだとかまってたら、死んじゃいましたよ、私、まったく”
とキジダダ現総理に対しての不満をぶちまける死に立てほやほやの面々。
「これは討論でー、勝手に発言はやめてください!…って駄目だわ、聞く気ないわ、皆さん死んじゃった恨み爆発で収拾がつかないわ」
奪衣婆が声をからしても止まらない亡者たちの喚き声。
「あちゃー、皆さん火がついたというか、本来は死ぬ予定でない人かなりいますからねえ。なんでも死亡超過率がかなりのもん、それだけいつもより死んでるってことで」
と呆れたようにいう地獄の書記官。奪衣婆もため息をつきつつ
「まあ、ウイルスじゃなくても、外出が怖くて医者に行かなくなった、金なくて行けないとかで死に追いやられたって人もいるからね。それにしても討論なんて無理状態だよ」
「仕方がないかもしれません、死んだ恨みをいうのが幽霊ってものらしいですし、しかしこのエネルギーがあるなら、生きてるうちにデモでも選挙運動でも、アベノさんたちのリコールでもしてれば、もう少しニホン国はまともになったかもしれませんね」
「だよね、生きてるうちに声を上げてりゃよかったのに、死んだあとはどうしようもない。アカギギさんとか奥さんは頑張ってるけど、それで本人は生き返るわけじゃないから」
「せいぜい枕元にたつぐらいですかね。まあ、あの方々が集団で枕元にたったら、それなりに怖いですけど、別の意味で」
アベノ元総理が最悪、いやガース前総理、やはりキジダダ現総理と大騒ぎする亡者たちの勢いに圧倒される地獄の書記官と奪衣婆だった。
どこぞの国では、ようやく規制のない大型連休がきたものの、通貨安に値上げに、まだ続くウイルスの蔓延でなかなか楽しめないようですが、どうすれば状況が改善するのか、民主主義国家なら何をすべきか、よく考えたほうがいいかもしれませんね。