休憩タイム
「よし、一旦休憩を挟むとしよう。そうだな………一時間後に、またこの図書館に集合してくれ。その間は、ログアウトしてもいいし、そのまま図書館内を見学してても良い。ただし!外に出るのだけは絶対にするなよ!!いつモビーディックが襲ってくるか、分からないんだからな!!」
という訳で、しばしの休憩タイムとなりました。
「にしてもだ、盟友よ」
「おん?」
「なんか姿変わったな?」
「今それを言うか。もっと前に言っとけよそれは!」
「いや、久々の再会だからな!ついうっかり!」
「なんのお話ですか~?」
で、休憩タイムはダイノキングとメリィ、そして俺とで、これまで何をしてたのかを語り合う事に。こういうの、なんかいいよね。
「フッフッフ……!聞いて驚け、盟友よ!我が軍に、新たな仲間を得た!!」
「おぉ、お前んとこもか!俺等のとこも、頼もしいぜぇ~?」
ダイノキングに新たな召喚獣が出てきたというので、早速見る事に。
………あ、流石にアレだよ?人型じゃない奴らが図書館内に出現したら、パニックになるのは明白だからね。ステータス画面越しに、その仲間たちを見るだけだよ?
「どれどれ?おぉー、本当に恐竜系しかいないな」
「竜人系とか出てこなくて、本当に安堵してる」
「そぉ~ですか~?人型の恐竜なんかがいても、面白そうじゃないですか~?」
「馬鹿野郎!それではロマンが無いだろうが!!!」
ダイノキングが見せてきた、召喚獣のステータス画面に写っていた恐竜たちは、ダイノキングの最初の相棒であるレックス、前回見かけたアルマってのと、恐竜系悪魔のアーラを除いて、追加で2体いた。というか、お前も50レベルなのね。
「では紹介しよう!まずは盗賊枠!デイノニクスの”ハントレス”だ!」
「え?これってヴェロキラプトルじゃないんですかぁ?映画で見た事ありますよぉ~?」
「フハハハ!初心者が陥りやすいミスだな!あれは当初、デイノニクスで行く予定だったのだが、監督がヴェロキラプトルという存在を知り、名前を気に入ったが故にああなったのだ!」
え、そうだったの?
というか、ハントレス……その子、女の子なんだね。
「次はコイツだ!トリケラトプスの”トール”!以前戦った、ブラックグリズリーの魔石を用いた時に出てきたのだ!一撃が重い騎士として、とても重宝している!」
「カッコイイですねぇ~!」
「王道だなぁ」
「王道を貫くからこそ、恐竜とはカッコイイのだ!!」
ステータスを見てると、どうやらトールは雷属性の魔法を使えるみたいだ。だからトールなのかな……と思ったり。
…でも……。
「レベルが50なら、他にも召喚出来そうな気がするけど?」
「…………食費が…馬鹿にならんのだ…」
「あぁー。彼等も生き物ですしねぇ~」
どうやらあっちは、動物系…いやいや、恐竜系の召喚獣であるが故に、エンゲル係数がクソ高いようだ。魔石だけ食わせれば?という話でもないしねぇ……まぁ、頑張れとしか言いようがないな。
「ふっふっふ~……!次は私の、羊軍団の番ですねぇ!おいでぇ~!!」
と言い出して、メリィは例の宝玉を取り出し、放り投げる。……あれ?今、詠唱言わずに投げなかった?
「私クラスの実力者になってくると、詠唱しなくても呼び出せるんですよぉ~」
心を読まれた。何?みんなして読心術でも習得してるんか??
で、そんな宝玉の中から出てきたのは……。
「メェー」
「ンメェ~」
「メェーメェー」
「メェーイ」
………うん、羊!!
分かっちゃいたけど、羊だけ!!炎の羊やら毛がやたらデカい羊とか!!目の前が羊毛で溢れそうなんだが!!!
「私の可愛い、羊軍団です~♪燃え萌え羊や、ビリビリ羊、綿あめ羊等々、いっぱいです~♪」
「名前の響きが幼児向けしかいねぇ」
「貴様、本当に羊が好きなのだな」
「はい~♪この子達と遊んでいる時間が、私にとっての最大級の癒し時間なんです~♪」
「ンメ~!」
大量の羊の上に乗って、毛並みを堪能し始めるメリィ。うーん、可愛いな。
……ただ、気のせいかな。一瞬、羊の中にクレイアニメに出てくる、あの羊が見えたような……?
「お義父さんの方はどんな感じですかぁ?」
「そうだな!我等のターンが終わった今、次は貴様の番だぞ盟友よ!!」
お、ここで俺のターンか。ふっふっふ……!良いだろう!我が妖怪軍団の姿を見よ!!特にダイノキング!!
「なんだぁ?あの眼つきの悪そうな奴はよぉ。へへ、ボッコボコにしろっつーんなら、喜んでやるぜぇ!!」
「そういう話じゃないだろ馬鹿。単に自己紹介の時間だよ」
「か……かわ………!」
「シロカネ姐さん、顔ゆるゆるっすね!確かに羊さんは可愛いっすけど!!」
さぁさ、自慢大会は俺のターンとさせてもらうぞ!!
……まぁ、人型の妖怪しかいないけどね!!それすら愛おしいのだ!!!!