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開催

「うん、ここからならいい感じに見れそーじゃない?」

「で、ですね!」

「ほうほう、こんな場所があるんだねぇ」


祭り会場から少し離れた場所にある、少し寂れた塔の天辺にて。


俺達はここで、花火の時間まで待機する事にした。勿論、ただ待つだけなのは勿体ないので、祭り会場で事前に大人買いしまくったので、食べ物や玩具なんかはいっぱいあるぞ!………まぁ、こういうのって、すぐに飽きたりして机の上に放置してるか、いつの間にか紛失してるってケースが多数なんだよね。


ソースは俺と稲葉!!


《ぷぴ~!》

「たのしい~!」

「にゃー!」

「こんこーん!」


世海とすこちゃん様とハクちゃんは、初めて見たピーひゃら笛で遊んでいる。あれ面白いよね、吹くと変な音出て。

……そしてここで知ったんだけど、天使とか悪魔って、好きな時に召喚したりしなかったり出来るんだと。何その仕様。しかも、それって召喚獣とかにも適用されんだって!!


まぁ、俺には一生縁のない仕様かもしれんな!ガハハハハ!!


『ほふ、ほふ……!これがTakoyaki……!非常に美味…!』

「だろぉ!?流石先輩だ、分かっているぜ!次はこれ食ってみろよ!お好み焼きだ!」

『Okonomiyaki?あぁ、いただこう!』


で、アシュラと火炎は男同士で食べて吞んでいる。何やら火炎が、自分が食った屋台料理の中で美味かったやつを食べさせてるみたいで、それをアシュラが聞きながら食べているって感じ。あっちもあっちで、さっきのヨル巫女ちゃん並みに食べるね……胃もたれとかしないのかな?というか、ゲーム世界の住人だったら、腹いっぱいになるって概念ありそーだけど。


「オ゛ア゛ァ゛……!!めっちゃ頭痛てぇ……!」

「口一杯に頬張るからだよ後輩君。これはチビチビ食べるからこそ、美味しいんだ。それを抜きにしても、私達のような氷系妖怪には効かないけどね」

「めっちゃキーンってするっす!痛てぇっす!」

「話聞いてました?」


で、あとは冬華がシロカネ姐さんとココノにかき氷を薦めていて、二人はそれをがっついて頭キーンとしている状態だ。ココノはともかく、だんだんとシロカネ姐さんの化けの皮的なのがはがれ落ちていってる気がする……。コガネ兄さんもまさか……??



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「くしゅん!」

「おやおやおやおや!どーしたんだいコガネくーん!いつも不真面目そうで不健康気味な顔つきしときながら、早寝早起きは万全で健康的な生活をしている君がらしくないじゃーん!」

「うるっせぇな殺すぞ!!……誰か俺の噂でもしたのか?…まさかな」


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「……今、なんか聞こえた気がする」


微かにだけど、コガネ兄さんの声が聞こえた気がした。多分、末期になってるんだと思う。ヤベェな俺、今度の休みはゲームしないで外出とかしようかな……。


「ど、どうしましたかぁ?」

「んや、こっちの話だから気にせんといて」

「そ、そうですか」


うん、本当に個人的なアレだから。気にしたら負けよ。


「……あ、あの。雨天さん…」

「はい雨天です」

「……ど、どうして、妖怪が大好き、なんですか…?い、いえあのこれはその!ま、前に自身の事を妖怪好きのへ……へん…ごにょごにょ……って言ってたのを思い出して、妖怪に囲まれて幸せそうにしているのを見てると、すっ少し気になったといいますかあのえっとつまりぃ……!」


うん、言いたい事は理解したから、一旦落ち着こう?な?そこで暴走したら、花火楽しめんぞ?


けど……妖怪を好きになった理由ね。いや、別に話してもいいんだ?キッカケとかを喋るのは。ただ、それを”ヨル巫女ちゃんが理解できるかどうか”な訳で。


え、変人扱いされるのが怖いとかそういうのは無いのかって?

そんくらいのリスクを背負わずに、妖怪好きの変人なんて名乗れる訳ないでしょうが!!こちとら常にオープンぞ!!露出狂も真っ青になって逃げだすくらいぞ!!?というかな?そっちから振っといて理解できないで逃げようなんて真似、俺がさせるわけねーだろ!!


……えぇ、はい。俺に妖怪好きなのはなんで?って聞いてきたクラスメイトとかの人達には、妖怪のすばらしさを布教していますとも。大体は理解できずに俺の事を避けるようになるか、俺みたいな妖怪バカになったりするけどね!


勿論、今回もそんなノリでお送りいたします!


「簡単な話さ。俺は幼い頃、北海道で百鬼夜行に出くわして、参加した。それだけの事だよ」

「……へ?」


うん、いつもの反応だね!だが俺は構わず語る!敢えて空気を読まず、俺のペースで語る!情報の海に溺れるがいい!


「俺ってさ、昔はこー見えてね―――」


と、自身の幼少期の黒歴史とか、北海道へ旅行に行った際に迷子になって、そっから百鬼夜行で楽しい思いをしたこと。


えぇ、もう包み隠さず言いましたとも。なんでって?深夜テンションだな!


「と、まぁこういう過去があったおかげで、俺は妖怪に脳みそ焼かれて、彼等の事の追っかけファンみたいな感じで大好きになったって事!」

「………」


…うーん、反応薄いね?やっぱあれか、荒唐無稽すぎて何言ってんだこいつ状態かな。

まぁ?だからなんだって話ですが!!


「じゃ、じゃあ」

「ん?」

「もし……もし、貴方の周りの人の誰かが、『実は自分って、妖怪なんだよねぇ~』って知ったら……やっぱり、その……猛烈アピールするんですか?」


おや?珍しい、この手の話題になった俺に対する対応って、大体はそそくさ逃げるか、ドン引くかなんだけど。

ふむ……身近な人が実は妖怪だったらね。そりゃあ勿論!!


「その人の日常を壊さない為に普通に接しながらも心ん中では大発狂するに決まってるでしょ」

「へ、返答が早い……!?そして思ってたよりしっかりした回答……!!」

「良識はあるからな??」


それが原因で離れたりーとかしたら、もう俺大泣きよ?そうならないために、普段通りに接して行動するに決まってるでしょ。


妖怪第一ですからね!


「もし、妖怪に『お前の命を喰わせろ』って言われたら喜んで差し出すし、『好きです!付き合ってください!』って言われたら、男でも女でも、イケメンでも美女でもブスでも年上でも年下でも、俺は「はい喜んで!」と、声を大にして言い切る自信がある!!」

「そ、そこまでなんですかぁ…!?」


好きになるというのは、それほどの覚悟を持つという事なのだ!!


「ほほう?我等が王ったら、我等の事をそこまでしゅきピとはねぇ!聞いててキュンキュン来るとも!」

「にゃー……」

「しゅきピはふるいってー。しゅきピってなにー?」

「えっ」

『こらこら、あまり茶化さない』


……なんか聞こえるけど無視!むーし!!


「……ふふ。うふふふ……♪」

「おや可愛い」

「ふぇ!?」


おっと、つい口に出してしまった。

でも仕方ないと思うの。俺の話を聞いて、つい笑ってしまった彼女の笑顔って、とても可愛らしいんだぜ?つい口に出しちゃうのは仕方ないと思うの。


「おっと、そろそろ花火の時間だ。準備せねば!」

「あ、えと、は、はい!」

「はい、てことで皆集合!」

「んぁ?時間か?」

「花火の時間っすか!楽しみっす!」

「こん!」


花火の時間が迫ってたので、花火が見える位置まで皆で移動。勿論、見ながらでも食べれるように、各々気に入った食べ物を持ちながら。


「そろそろだな……折角だし、カウントダウンでもするか?」

「あ、い、いいですね!」

「かうんどだうん?」

「特定の時間や状態になるまでの間をカウントすることだよ、先輩。秒読みとも言うね」


八雲の疑問に、冬華が詳細とか、やり方について教えた。貴女、解説要因としても優秀ね?そんな子だったかしら?


「くわしいねぇ、とうかちゃん!」

「外界の文化が好きでね。色々学んだのさ」


ここで明かされる冬華の設定。他の国とかの事を外界って言い方するんだ…?にしても、西洋かぶれの雪女って、なんか設定が濃いわね…?可愛い物好きのシロカネ姐さんより強くない?インパクト。


っとと。冬華に意識が向いてたけど、そろそろ花火が打ちあがる時間だ!


「では、カウントダウン5秒前ー!4」

「3!ほら先輩」

「ん?こうかい?弐!」

「え、えと…!い、1!」

「さて、それでは皆さんご一緒に!せーの!」

『ゼロー!!!』


その合図と共に、花火が打ちあが―――!



===============WARNING! WARNING!===============


        緊急クエスト発動!!

  七大守護獣、暴走開始!!全員、直ちに鎮圧せよ!!


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