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食欲の秋ですね!!!!!!! Part3

「あまーい!」

「にゃんにゃん!」


ついさっき買ってあげたりんご飴を、世海とすこちゃん様が、仲良く分け合いながら食べている。可愛いね。スクショしまくったよ。あとで掲示板とかに貼らなきゃだ。


……そういや最近知ったけど、俺に一定数いるファンの名前……所謂ファンネームが、どうやら『義式神』で定着しつつあるみたいなんだって。


式神なんだ…いや、うん間違いではないっちゃないんだけど……何故”義”?あれか、俺の事をお義父さんとか言うから、義理的な意味合いを込めての義なのか??

何故俺如きに、一定数のファンが出来上がったのか……まぁ、世海とすこちゃん様が可愛いからね、仕方ないね!


「ふへへ……た、楽しい…」

「お、楽しんでる?」

「ふひゃ!?ひゃ、ひゃい!!」

「珍しい反応するなぁ」


で、ヨル巫女ちゃんも同じように楽しんでいて、今はチョコバナナを食べている。

他、右手にはたこ焼きとお好み焼きが同時に入ったパックを、左手には食べかけのチョコバナナと同時に、イチゴ飴ときゅうりの塩漬け、わたあめ、焼き鳥が刺さった串を、指の間に器用に挟み込ませる感じで……思った以上にわんぱくな事になっていた。


俺が八雲達の方に少し向いてた間に、いつの間にそんな大量に買ったの……!?というか、そんな華奢な体に入るの!!?あ、ゲームの世界だから大丈夫といえば大丈夫なのか!!寧ろ、ゲームの世界だからこそ出来る技か、それ!


「ふ、ふひまへん!ひ、ひまぜんふ食べまふので!」

「あぁ、別に無理して詰め込まなくていいからね!?」


と言った直後、彼女はすごい勢いで食べ始めた。彼女の食べっぷりは見ていて、微笑ましいというか、あまりの良い食べっぷりにホッコリするというか…兎に角、なんか見ていていい気分になる。


……これ、あれだ。以前動画サイトで見かけた、ハムスターが無理やり頬袋にピーナッツを詰め込む感じのあれに似ている。


「ただいま戻ったっすー!」

「おろ、戻って来たな」

「お、おかえりなさいぃ…!」


と、ここで買い物に行ってたメンバーが戻ってき……うん、満喫してきたみたいだな。


「ココノ、それは?」

「射的ってのをやってみたっす!その時に得た景品っす!」

「……重くない?大丈夫?」

「見た目より全然軽いから大丈夫っす!」


と言って、ココノは抱えているドデカ狐ぬいぐるみを持ち上げた。いや、本人が気に入ってるならいいさ。でもそれどうやって落としたの?絶対何らかの不正をしないと落ちない気がするんだけど?


「シロカネ姐さんは……」

「な、なんだよ」

「別にぃ~?」


ラビット先輩のお面をしながら、両手いっぱいのわたあめとりんご飴とチョコバナナを持ってる状態で睨まれても、ただただギャップ萌えになるだけですからね~。

……故に、またしても脳みそがコガネ兄さんとのギャップに悩まされて焼かれあがががががが……!!


「ふぅー……!また脳みそを焼かれる所だった……!いい加減慣れろ俺…!……ふぅ。それで、火炎と冬華、は………」

「意外と悪くねぇな」

「だろう?それに、君がチョイスしたこれも、存外悪くない」

「あったりめーだろ!」


う、嘘だろ……!!?冬華がたこ焼きを、火炎がかき氷食ってる!!!分かれる前に、こっちが旨いと言い合ってた筈の相手の食べ物を、お互いに食べている!!!!


「お前等さてはニセモノだな!!?」

『Show your true colors, you fake!!』

【正体を現せ、偽者め!!】

「ほぉほぉ!二人共、いつの間に親しくなったんだい!!我等にちょっと教えてくれたまえ!」

「あ、なかよくなったんだぁ!」


二人の関係と、二人が別れる前の台詞を覚えている八雲達は、驚きと混乱、そして興奮が混じった状態で、二人の現状を問い詰めた。

俺?俺は真っ先に偽物である可能性を考えた。だって、あの二人がデキる訳ないじゃん!ない!!じゃん!!!


「はぁ!?なんでだよ大将!?」

「ちょ、急に何故だいマスター!?僕たちはほんも……あ、これか!?ふん!」

「ぼがぁ!?」


あ、持ってたたこ焼きを火炎の顔面にめり込ませた……。

うん、やっぱり本物だった。


「だ、大丈夫ですかぁ!?お、お医者さーん!?」

「大丈夫、妖怪って結構頑丈だから」

「痛てぇな何しやがる雪女てめぇ!!」

「うるさいうるさい!お前のせいでマスターに変な誤解を与えたじゃないか!!」


あぁ、また喧嘩し始めた。…でも、気のせいでなければ、冬華は顔を真っ赤にした状態で言ってるから、いつものガチ喧嘩じゃなく、痴話喧嘩にしか見えないから微笑ましいね!


「微笑ましいねぇ微笑ましねぇ!見ていてとってもドキがムネムネしてきたとも!……あれ、これって逆だったかな?」

「どっちにしろ古いし、それもう誰も言わない」

「えっ」


何だよドキがムネムネって。胸がドキドキするじゃないの?


「あ、そ、そういえば……さ、さっきチラっと聞こえたんですが……きょ、今日の夜には、開催の花火が、う、打ちあがるみ、みたいです…!……い、一緒に見ませんか……?」

「マジ?いいね、一緒に見ようか!」

「は、はい!」

「おや?我等が王にも春が……?」

「明日もご飯抜き」

「っひぃ!?」

「にゃうにゃう…」


さて、花火が打ちあがるというのなら、黙っている訳にはいかないな!花火は俺も大好きだ!!開催の花火、全力で楽しまなきゃ!

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