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食欲の秋ですね!!!!!!! Part1

「【AO】で飯食うぞぉ!!!」

「おぉー!!」

「わーい!!」

「ひぃ!?」

「なんだこのテンション?」


学校が終わり、いつも通りログインしてみたら、稲葉達がなんかはしゃいでた。夜刀ちゃんは突然の稲葉の発狂にビビってる。可愛いね。


「お、雨天来たか!」

「あ、う、雨天さん……!こ、こんにちはぁ…!」

「我等もいるともー!!」

「いきなり耳元で叫ぶんじゃねえ!!」

「あ痛たぁ!?」


……なんか急に、シロカネ姐さんと八雲が漫才し始めたな。君たち、いつの間に仲良くなったの?


『朝からせからしかねぇ、もっと静かに出来んのか?』

『HAHAHA!頭でっかちなお前には、理解できない賑やかさだろ?』

『お、けしん(死ぬ)か?』

『やってみろFucking angel』

「け、喧嘩はダメですよぉ!?」

「火炎、回収」

「なぁ大将、最近俺の扱い雑じゃねえか?」


そんな事はないぞ?俺はいつだって、妖怪に対して愛を持って接しているからな。親愛を持って、君たちを使役しているのだ。


「んしょ、んしょ」

「にゃう!」

「おっとと、お前等落ちるなよ~?」

「微笑ましい光景っすね!」

「やーんもう可愛い~~!!」


軽く火炎の言葉を受け流してたら、すこちゃん様を頭に乗せた世海が、俺の体をよじ登って、肩車の状態になった。ハハハ、とても軽くて俺とてもびっくり。

クマ先輩は、俺達の光景を見てスクショしながら萌えている。あとでその写真俺にもちょうだいね。


「おい、なぁおいお前等。俺の話を聞いてくれ」

「どうした稲葉?」

「飯!食いに!!行くぞ!!!」

「いやうるっさいな!?そこまで大声出さなくても聞こえてるわ!!」


お前、マジで料理絡みになると俺みたいになるよな!キャラが被るからやめろマジで!!どっちがどっちだか反応に困る人だっているだろうが!!


パーティーに狂人は一人くらいが丁度いいんだわ、このたわけめ!!


「俺はなぁ!姉貴と色々と付き合わされまくったお陰で、色々と情報を収集する必要があった!その結果、今日から数週間、このトラベラーを中心にお祭りをすることが発覚したので、そこで色々食べようぜ!!?」


お祭り?


……あ、ほんとだ。お知らせの方に、イベント情報みたいな感じで、『トラベル秋祭り開催のお知らせ!』ってあるわ。

なんで気づかなかったんだ?って思ったけど、どうやらこれ、ゲリライベント(突然の予告もなく開催するイベント)みたい。そりゃ分かる訳ねえわ。


で、このイベントではNPCが色々と料理を振舞ってくれるらしいけど、プレイヤーも露店を出してもいいみたい。手続きが必要らしいけど。


『なんじゃ、飯でんたもいけ行っとな(食べに行くのか)?飯をたもったぁ(食べるのは)良か事じゃ。大将首を落とすとにも、力や体力が必要じゃっでな(だからな)

「分かってくれるかおトヨさん!!やっぱアンタは最高の相棒だ!」


おトヨさんが珍しく、食べる事に賛成した。こういうのってどうでもいいから戦いに行くぞ!っていうのかと思ったけど……稲葉が言うには、おトヨさんを餌付けしたみたいで。今では大食いキャラみたいに沢山食べるんだって。

食べる量の多さは、さながら型月世界の青王の如くなんだと。……エグない?


「でも、言われてみれば俺達、ゲーム世界の飯って、数えるほどしか食べてないな…?」


強いていうなら、この前稲葉が作ったラビット先輩の唐揚げとか、羊ブラザーズが作ってくれたグロウラルク飯くらいで。


……参ったな、妖怪ばっかりにかまけていて、【AO】という作品に関してあんまり触れていない感じがするな?

いやしかし、こちとら学生なのであって。学業を疎かにしないためにも、やはり遊ぶ為には戦ったり強化したりが必要で………アレ、思ってたより自分に対しての言い訳がかなり苦しいな?


「そう?私は結構食べてるよ?この世界だと、カロリーとか気にしないでいっぱい食べれるからね!昔は避けてた肉料理やスイーツなんか、ガツガツ食べれるよ!【AO】最高!!!!」

「す、すごく熱意の入った叫びですね…!」

「仕方がない!我が友はボディビルダーとして、自身の肉体を鍛えていたのだ!当然、その肉体を維持するために食事制限は必須だったのだ!」


あぁー……なんか、想像つくなぁ。

そうか、VRMMOの良い所って、そこもあるのかもしれないな。


「ふむ?つまり、今から食事を楽しもうというのだね?」

「そゆこと。今まで魔石かグロウラルク料理しか口にしてこなかっただろ?お米はそれが嫌らしいから、いっぱい飯食いまくって満足したいらしい」

「そういう事なら、自分も大歓迎っす!自分も美味しい物、いっぱい食べて満足したいっす!」

「ごっはん♪ごっはん♪」


我が妖怪メンバーも、すっかり飯の舌になってしまったみたいだ。


「責任持てよお米。今日はお前が俺達に奢るんだ」

「普通に嫌だが?自腹でやれよ。それでなくても、普通そこは割り勘とかだろ!?」

「ハッハッハッハ!言い出しっぺの法則という言葉を知っているかな?」

「おいヒーロー!?そこは助けろよ!?なんで俺に対してそうやって梯子を蹴り落とすの!?差別反対!」

「ゴチになりまーす!!」

「え、え?わ、わわ私は自分では、払いますよ…?」

「いいかいヨル巫女ちゃん。こういう時はボケるのが大事なんだ」

「ふえ!?」

「おいこらそこ!変な事を吹き込むな!!!」


と、いう訳で急遽始まりました。ゲリライベント食べ歩きの会。

いっぱい美味しい物食べて、ゲームをもっと楽しみましょー!!!

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