前へ次へ
82/99

新メンバーの転校生ちゃん

「はい、てことでね。今日は新しい人がやって来ます。仲良くやってきましょー」

「了解したとも!」

「はーい!」

『I understand, my lord.』

「楽しみっす!」

「へっ!どんな顔してんのか見てやるぜ!」

「発言によってはそれ、ただキモイだけだよ」

「賑やかすぎんだろ」


賑やかなのは良い事だよね!


てことで、今はウオクア……ではなく、懐かしさ感じるトラベラーに来ておりまーす!!

え?稲葉と合流するためにウオクアなんじゃねえーの?だって?


最初はそうするつもりでした。でもほら、転校生ちゃんこと神無と合流する事が決まったので、なら分かりやすいトラベラーで良いんじゃない?って事になりました。


前にも話したけど、行ったことがある国同士だったら、ポータルを通ってすぐに来れちゃう!だからパパっとトラベラーに来れたのだ!ほんと、ゲームって便利!


「お、いたいた。おーい!」

「お?おー!いな……ゲフンゲフン、お米ー!」


遠くの方で、稲葉が走ってやってきた。その後ろには、稲葉の天使であるおトヨさんの姿も!


「うぉ!?お前、なんか変わってね!?」

「進化したのでね!おトヨさん、久々~!」

『おぉ、久々じゃなご友人。元気そうやなあ』


おトヨさんも変わらず元気そうで何より!今日も薩摩弁が冴えてるね!


「やっほー!皆、久しぶり~!」

「来たぞ、友よ!」

「あ、二人も呼んだんだ」

「そりゃあね。どうせなら、皆で楽しみたいだろ?」


それもそーだ。で、稲葉はどうやらダイノキングにも声をかけたんだが、反応なしのようで。


「見たぞ、転校生の写真!中々可愛らしいじゃないか!」

「ホントそれな!?というか、八雲ちゃんにほぼそっくりでびっくりしたんだけど!」

「ん?我等にかい?」

「いや本当にそれな!もークリソツすぎてビビった!」

「そんなにかい!?」


そんなになのです。


さて、そろそろ集合時間になるが……転校生ちゃんはどこにいるのかなー?


「俺達の大まかな姿形は教えたんでしょ?」

「おう。ついでに、噴水広場でウロチョロしてるぜってのもな」

「なら大丈夫か」


そもそも、見た目的にも癖強いしな。唐傘とダークエルフと仮面の男と熊獣人の組み合わせなんてよ。


「お、お待たせしましたぁ……!」

「お、来たな!いらっしゃー…せ?」


ここで、さっき聞いた声が聞こえてきたので、全員で振り返った。ら……


「お、遅れてごめんなさい……!じゅ、準備が遅れてしまいました……!」

「……えーっと…取り合えず、一言言っていいかしら?」

「え…?」

「貴女、私の嫁になって!!!」

「ふええ!?」


……えー、クマ先輩が暴走しています。気持ちは分かる。


なんせ、転校生ちゃんの姿は巫女なのだ。ちょっと魔改造された感じの、戦闘用に動きやすくなってる感じの巫女服だ。あのー……東○プ○ジェ○トの主人公に近い感じの服って言えば、なんとなく伝わる?


白い髪を赤いリボンで一つに纏めた姿は、とても可愛らしいというか……うん、クマ先輩が暴走する気持ちがよく分かる。


んで、顔つきとかは、現実の姿を少し幼くさせた感じだね。ほんで頬には蛇の鱗らしきものが生えている。蛇巫女さんって感じだ。


「ハハハ!友よ、困っているだろう!離してやりなさい!」

「びび、びっくりしました……!え、えと、あ、改めて初めまして……わ、私はヨル巫女ちゃんって言います…!」

「名前も可愛いー!」

「…百点満点中、百億点だな」

「お前は何を言っているんだ??」


イカン、稲葉もバグり始めた。というかヨル巫女ちゃんって……いや、可愛いからいいんだけど、何つーか、ちょいいい加減だな?


「あ、じ、実は……きょ、今日はお姉ちゃんも連れてきているんです…!」

「む!姉妹なのか!」

「と、突然だったので色々と連絡が遅れてしまいましたが……だ、大丈夫です、か…?」

「ダイジョーブ!」


どうやら、お姉さんも連れてきているみたいだ。どんな人なんだろ?


「おっと、俺達も自己紹介しないとな。俺は雨天決行!雨天でも好きなように!んで、俺は召喚士だから、こいつ等を引き連れてる。最初の相棒の八雲だ!」

「よろしく頼むとも!」

「へっ!?わ、私がもう一人!?」

「うーむ、本当に私と顔が似ているねぇ。もしや同族だったりするのかな?」

「で、俺がおい米食わねえか?だ!お米って言ってくれ!」


という感じで、自己紹介を終えていった。そうしたら……


「あー、いたいた。にしても、ここに来るなんて久々だわ」

「あ、き、来ました…!」


転校生ちゃん……もとい、ヨル巫女ちゃんは姉を見つけて、こちらに来るよう手を振っていた。


で……俺達は、その姉の姿を見て、()()()()


「う、嘘だろ…!?」

「いや、しかしそれならヨル巫女ちゃんの姿にも納得がつく……!」

「み、身内が【魔王】とか嘘やん…!?」

「ハーッハッハ!最近俺達、色々と有名人に接触しすぎじゃないか!?」


ヨル巫女ちゃんが親し気に話しているのは、同じく魔改造された感じの巫女服を着た、黒髪の少女。


しかし、頭から生えている二本の角。右目の眼帯。両手は文字がビッシリ書かれた布が巻き付いていて、腕を見ただけでも、相当鍛えている事が分かる肉体。


極め付きは、背中に背負ってる釘バット!!


間違いない、彼女は―――!


「えーっと、アンタたちが転校先のクラスメイト?これからヨルの事よろしくね、じゃないとゲン☆コツするから。じゃ、軽く自己紹介しときましょ。私はゲン☆コツ巫女ちゃん。知ってると思うけど、【魔王巫女】してるわ。タイマンならいつでもかかってらっしゃい!よろしく」

前へ次へ目次