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一日の終わりと掲示板#1

『ログアウトします。お疲れ様でした♪』


VR装置を取り外した俺は、余韻に取りつかれていた。


「……………………おぁー…」


いやもう本当に、さっきまでの余韻が全っっっ然抜けねぇ…!

何だろう…なんて言えばいいんだろう…。こう……達成感が半端なかったし、色々と美味しい思いも出来たし、なんというか……。


「初日で味わう量じゃねーよな…」


多分、これに尽きる。しかし、満足感は確かにある。


妖怪になるという夢、ゲーム内でだけど達成できた。そして、妖怪を仲間にするという目標。これもまた、大妖怪を召喚するという形で達成できた。


今まで無理だと諦めかけていた事が、着々と達成していってるのを感じた。


となれば…!


「俺の『野望』……!“百鬼夜行”をこの手で再現するという夢が実現するのも、遠くはない!!」


百鬼夜行。

数多の鬼と妖怪が、深夜に徘徊する事を指す。或いは、存在そのものとして表す。


妖怪好きとしては、実行しない訳にはいかないでしょう!自らの手で編み出す、俺だけの百鬼夜行!!


「でも、課題は山積みなんだよな…」


召喚士というのは、そうポンポンとモンスターを召喚出来る訳じゃない。レベルを上げていく事で、召喚出来るモンスターの枠組みというのが広がっていくのだ。


今の俺は、魔石回収のお陰でLV:3になったのだが……次の枠組みが空くのは、LV:10なのだ。つまり時間がかかる。まぁ、のんびりまったりプレイを心掛けるから、大したデメリットという訳じゃあないんだけども……。

それだけじゃなく、レベル制限がある。これによって、召喚する妖怪に制限ができてしまう。

まぁこれは、特定の条件をクリアすれば突破できるとは聞いたけど……エンジョイ勢を目指す俺に出来るかどうか…?


という課題が見えてくるのだ。それに…。


「まだ見ぬ妖怪に会いたい…!次に仲間になる妖怪が何なのか超絶気になる……!」


そう、会いたいのだ。追加されたという妖怪シリーズに。


どんな妖怪が追加されたのか?数は?大きさは?どんな役職なのか?喋れるのか?味の好みとかはそれぞれ違うのか?皆が皆、最初っから人型で出てくるのか?

気になれば気になるほど、疑問が出てきて尽きなくなってくる!


新たなカテゴリーとして妖怪が追加された以上、絶対にコンプリートをしたいのだ!!それが妖怪好きとしての責務ってもんじゃろがい!!


「……でも、これ以上は流石に明日に響くな…。ふわぁ~……寝よ」


色々と気になる事はあるし、次は何をやっていこうかとか、魔石によって出てくる妖怪は違うのかとか……そういうのは全部、明日の俺に丸投げするとしましょうか…。


今はただ…興奮しすぎてオーバーヒートした脳を休ませる事にしよう……そうしよう…。俺は本来、健康優良児なんだからなぁ…………。


「そんじゃ、おやすみぃ~……」













【速報】初心者プレイヤー、シークレット召喚に成功した件【ガチです】



1:名無しの目撃者

あ、ありのまま起こった事を話すぜ!

初心者と思われるプレイヤーが、公式に乗っていない、完全オリジナルの方法でモンスターを召喚しようと噴水広場で行動していて、当時俺含むトラベラーにいた全員が、「絶対に無理だろwww」とバカにしつつも見守っていて、当然の如く失敗したかと思ったら、運営アナウンスが突然『シークレット召喚に成功しました』と放送して、結果として初心者プレイヤーはヤマタノオロチの召喚に成功して(しかも美少女になって!!!)、完全勝ち組になっていたぜ!!


な、何を言っているのか分からねーと思うが、俺にも分から(ry


2:名無しの目撃者

長い、三行で


3:名無しの目撃者

初心者召喚士、初召喚にして偉業をいきなり達成


4:名無しの目撃者

一行で事足りてて草。いや実際は草生えるどころの騒ぎじゃないんだけども


5:名無しの目撃者

あー、あれなぁ。俺も丁度その光景を見てたぜ。いやもうほんと…衝撃的でしたね(白目)


6:名無しの目撃者

絶対成功しないだろwwwと思って見ていました。初心者君、マジでごめん。お前がナンバーワンだ


7:名無しの目撃者

爬虫類マニアのワイ。ヤマタノオロチ様のあまりの美しさに無事昇天。そしてそこからさらに美少女へと変貌したヤマタノオロチ様のお姿を目撃して二度昇天。


8:名無しの目撃者

>>7 成仏してクレメンス。いやしかし、確かにあれは紛う事なき美少女やった…。眼福じゃて


9:名無しの目撃者

しかもあれ、何がいいって主である初心者プレイヤーに名前を付けられて、嬉しさ故かニッコリ笑ってたんだよな。何考えてるのか分からない目をしながら少女のように微笑むなんて…くそぅ、ファンになっちまうじゃねーか!!(推しうつわ作成中)


10:名無しの目撃者

あんな美少女にあんなことやこんなことを命令できる初心者君に全力嫉妬中。クソ、リア充め…!!


11:名無しの目撃者

べ、別に羨ましくないんだからね!ワイには『不知火』様と『ユグドラシル』ちゃんを愛でる責務を持ってるもんね!!


12:名無しの目撃者

>>11 で、本音は?


13:名無しの目撃者

超絶羨ましいでず!!!!!!!


14:名無しの目撃者

>>13 ちゃんと、言えたじゃねえか…


15:名無しの目撃者

あの目で罵倒してほしい…。あわよくば踏んづけられたい…


16:名無しの目撃者

ここまで誰もシークレット召喚について話題を出していない模様


17:名無しの目撃者

真面目に考えて、あれ何が原因でああなった?有識者教えろくださいませ


18:名無しの目撃者

剣士ワイ、最初から最後まで見ていたからその様子を教える。


①初心者召喚士君が、魔石を合成して召喚石を作る。

②ナイフで自分の指を傷つけ、召喚石に血を塗りたくる(ただ塗りたくってる訳じゃないんだけど、詳しくは知らん)

③お札を取り出して、血で五芒星とかなんか文字書く

④そこから先は従来の召喚方法と同じ


最初から最後まで見ていたとは言ったが、詳細まで見ているとは言ってないからな(逃げ道)


19:名無しの目撃者

情報サンクス。どうせならその文字とかまで教えてほしかったけど…ワイもちゃんと見とけばよかったと後悔してるからお咎め無し!


20:名無しの目撃者

初心者召喚士君に付き合ってた暗殺者君も、呆れた様子で見守っていたから、多分本当に彼オリジナルの方法だったんだな。だとしてもこれがなんでシークレット召喚に繋がるのか。これが分からない。


21:名無しの目撃者

>>20 そらお前……愛だろ、愛


22:名無しの目撃者

>>20 愛です。愛ですよ20


23:名無しの目撃者

>>22 やめやめろ。だが、うーん……少なくとも、今後が気になるプレイヤーが現れたな。次が楽しみだ


24:名無しの目撃者

次は雪女か九尾の娘っ子かな?それとも座敷童とか猫娘とかかな?私、気になります!(全裸待機)


25:名無しの目撃者

いやいや、ここは鬼とか河童とか天狗とか、そういう王道的なのをだな…


26:名無しの目撃者

次の召喚獣何にしようか悩んでたワイ、次のモンスターは男の娘系妖怪を生み出す事を決意


27:名無しの目撃者

>>26 がんばれー(棒読み) そういえば、あの初心者召喚士君…モノアイだったな。てことは彼もワンチャン妖怪系?


28:名無しの目撃者

>>27 多分そう。彼の近くに目玉と舌が出ている傘があったし、多分種族は唐傘お化けだろう。最弱妖怪として名高いあの


29:名無しの目撃者

最弱妖怪に付き従う最強妖怪……どこのラノベだよこれ?


30:名無しの目撃者

そこから始まるラブストーリーがあるって聞いたんですけどどこですか??


31:名無しの目撃者

>>30 お前が描け、或いは書け定期

初めて掲示板ネタをやったけど、めっちゃくちゃ難しかったのは内緒にしといて?

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