武器製作練習、の段!
「よし、ログイン出来た!」
爺ちゃん家に来て二日目。
爺ちゃんの農作業を手伝ったり、祠のお供えだの清掃だので、大分時間がかかった。んで最終的にログイン出来たのは、もう22時。良い子は寝る時間だった。
さて、皆はいるかな?
「やぁ我等が王よ!」
「にゃー!」
『Good evening! My lord! How are you doing?』
【こんばんは!我が主よ!ご機嫌いかが?】
よし、いつメンは元気だな。他はどうかな?ちょっとフレンド欄見てみよ。
……ダメだ、ログインしてね。ダイノキングは…あぁ、惜しい!数分前までログインしてた!
つまり、俺一人。うーん、どうしよ…ゲーム時間内だと真夜中で、夜だとモンスターも凶暴になってるし、従来より強いんだよなぁ。かと言って、宿屋で寝るにしても…なんか、嫌だ。気分の問題でなんか嫌。
となれば……あ、そうだ!
「ブラックグリズリーの素材で、なんか武器でも作ってみよう!」
「おぉ、いいねぇ」
ついでに鍛冶スキルのレベルも上げたいしな!
てことで、工房に出発!………の、前に。
「これでなんか防具作れないです?」
「おぉー!ブラックグリズリーの素材だね?まっかせてよ!あ、ついでに金属とかないかな?もしあったら、ある程度割り引きにしといてあげるよ」
「おぉ、ありがとうございます!なら…これでいいです?」
「うん、問題ないよ!出来上がったら連絡するから、フレ登録いいかな?」
「あ、分かりました~」
工房に向かう前に、生産系プレイヤーが経営している店に立ち寄って、ブラックグリズリー系統の素材を提供。こういうのは俺、専門外だし…。
「よし、改めていざ工房!」
『Are you still doing this at this hour?』
【こんな時間でもやってるのかい?】
「大体やってるさ。今は夏休み期間だからな!」
という事で、工房にたどり着く。やっぱりというか、親方や他の鍛冶系プレイヤーが多くいた。
許可を貰って、場所を貰う。さて、やっていくとしよう!
「と言っても…いきなりブラックグリズリーを使うのはおっかないから、教官の素材を使って練習だ」
「にゃうぅ~」
「ん~…我等が王よ。我等はすこちゃん様と一緒に散歩してきてもいいかな?」
「んぉ?」
あー…そういえば前回、退屈そうにはしてたな。まぁ別にいいか、無理させるわけにもいかないし。
「いいよ。鬼銃はどうする?」
『It'll stay like this. In place of Yakumo-senpai, as the master's bodyguard』
【このまま残るよ。八雲先輩に代わって、主の護衛としてね】
という事で、別行動。まぁ流石に全域をうろちょろされても困るから、工房周辺だけにさせる。
さて、じゃあ早速作業に取り掛かるとしよう。
鉱石の類は、以前ボッコボコにしたリーダー格から回収する事が出来たから、実は潤沢だったりして。お前の鉱石、俺が有効活用してやっから!
「今の俺の鍛冶スキルは…【Lv.5】か。ほんじゃ、やってきますか」
前回、鍛冶スキルを使ってみようと思ってやって以来やってなかったからなぁ。まぁ、いい練習になるさ。
鬼銃が横で見ている中、俺は鉄鉱石を加工して鉄を作る。
やり方はなんとなく覚えていたし、レベルも上がってたもんだから、以前と比べてスムーズに行動出来た。レベルが上がるのは良い事だ。製作できる武器のレパートリーが増えていくし、強度も品質も、かなり上がってくるしさ。
さて、そうこうしてたら鉄インゴットが完成した。前回は出来上がったのをただまとめたような不細工だったから、今回は綺麗なインゴットとしてまとめてみた。こうすると、武器を作る時に崩れにくいとかどうとか。
『You're good at it』
【上手だねぇ】
「ここまではまだ初級みたいなもんさ。問題は次」
今度はこのインゴットを熱しながら叩いて、形を整える。
熱いうちに打て、が武器作りの要。しっかりやらねば低品質だ。
インゴットを熱して、柔らかくなった所を…打つ。打つ。打つ。形も微調整しつつ、厚すぎず薄すぎずを狙い、頑張って打つ。
汗をだくだく流しながらも、十数分後には…
『ロングソード 品質:3』
…まぁ、悪くはない…かな。初めてのロングソード製作で、品質が3いけば上出来と言われてるらしいからな。
よし、あとはこれを量産する!まだまだインゴットはあるし、無くなれば明日補充すればいい!兎に角今は、スキルレベルを上げるべし上げるべし!!
~~~~~~~一時間後~~~~~~~~
『ロングソード 品質:5』
お、おぉ~…ようやく品質が5のロングソードが出来上がった…!めっちゃ頑張ったわぁー…!お陰様で、鍛冶スキルも【Lv.15】になった…!
10超えた辺りから、【製作促進】なんていうアクティブスキルも手に入って、例えばロングソードだったら、現段階で最高品質5の奴を、一々打って形を整える!っていう事をしないで、インゴットとMPを消費して勝手に作ってくれるという、中々嬉しいスキルを手に入れた!
『Congratulations on leveling up, Lord!』
【レベルアップおめでとう、主よ♪】
「…お前も飽きないで見続けてられるねぇ」
『It's refreshing to see something being made up close!』
【何かを作るのを間近で見るのは新鮮ですからねぇ!】
さて、それじゃあ次の段階に行ってみようか。
作るのは…仕込み刀だ。主に俺が扱う用のな。何に仕込むのかって?それは……
「…大丈夫だと、思いたいなぁ」
…俺の分身とも言える、この唐傘に、だ。ロマンあって良いと思わない?